【こだわりオフィス特集】株式会社エウレカ

筆者: 編集部

新企画「こだわりオフィス特集」の第2回は、「株式会社エウレカ」のオフィスを拝見してきました。
 
エウレカは、2009年7月に創業しました。当時は広告代理店事業を手がけていましたが、受託開発も請け負うようになります。
 
転機となったのは2012年11月。受託開発で培った技術力とノウハウを活かして開発した自社サービス第一弾「pairs」の提供を始めました。pairsは恋愛・婚活マッチングサービスを提供するFacebookアプリで、提供開始から順調にユーザー数を伸ばし、2013年10月には台湾でもサービスの提供を始めています。今では世界で350万人が利用するサービスに成長しました。
 
2014年5月には、カップルのためのコミュニケーションツールとなるスマートフォンアプリ「Couples」の提供を始めました。このアプリも順調にユーザー数を伸ばし、2016年2月までに合計300万ダウンロードを記録します。
 
2015年5月には、米InterActiveCorp(IAC)傘下のThe Match Groupがエウレカの発行済み株式をすべて買収し、エウレカはIACのグループ企業となりました。IACは世界でMatch、Tinder、Vimeoといった著名なインターネットサービスを提供している企業です。世界各地への進出を目指すエウレカは、IACが持つ事業ノウハウを活用して、世界での事業を加速させる構えです。
 
エウレカは2015年8月31日に、オフィスを恵比寿から外苑前に移転させました。今回は共同創業者の一人であり、代表取締役CEOを務める赤坂優氏のお話を伺いました。

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株式会社エウレカ 代表取締役CEO 赤坂優氏

オンラインでの出会いが文化になっていく

――現在、貴社はどのような事業を展開されていますか?
 
赤坂優氏(以下:赤坂):現在は「pairs」と「Couples」に集中しています。pairsはFacebookを利用した恋愛・婚活マッチングサービスです。会員制で、皆さまから月額の料金を頂いて運営しております。3年前にサービスを開始して、現在のところ日本に200万人、台湾に150万人、合計350万人の会員がいます。
 
現在のところ、人と人が付き合うきっかけとしては、同級生だったとか、友人の紹介とか、会社の同僚といったものがあると思いますが、近い将来を考えるとオンラインで出会ったとか、Facebookで出会ったというカップルが確実に増えると思います。オンラインでの出会いが文化になっていくはずです。そのときpairsは会員数を600万人、700万人と大きく伸ばしていると思います。
 
Couplesはカップル同士でコミュニケーションを取るためのアプリです。pairsは人と人が出会うことを支援するサービスですが、それに対してCouplesは出会ってカップルとなった後に使っていただくものです。1年半ほど前にリリースして、現在では300万ダウンロードを突破しています。
 
今のところはこの2つのサービスに力を入れておりますが、弊社は元々「サービス・ガレージ」を目指しているので、これからも自社サービスをどんどん提供していきたいと考えております。
 
具体的には、人間のライフステージに合わせたサービスをもっと提供していきたいと考えております。現在、新サービスを準備中です。

前回の失敗を踏まえて作った新オフィス

――現在のオフィスを作るとき、どのようなことを意識していましたか?
 
赤坂:新しいオフィス空間を作るわけですから、「オフィスをどう作ろう」とオフィスを主役に考えてしまいがちです。しかし、今回は「オフィスではなくそこで働く人間が主役だ」というテーマを打ち立ててからオフィスづくりを始めました。
 
実は、このオフィスに移転する前にいた、恵比寿のオフィスでは一回失敗しているんです。見た目の美しさとディテールにこだわって、エントランスにレンガを積み上げたり、床の木も選びに選んで良い物を使ったりしました。こうして見栄えが良いオフィスを作ることで、採用や広報に良い効果が期待できると考えていたんです。実際、たくさんの方にご取材いただきました。
 
ところが、こうしてこだわって作ったオフィスを使い始めてみると、オフィスとしての機能を損なっているところがあると分かりました。例えば会議室は2つしか作っていませんでした。休憩などに使えるオープンスペースを用意しましたが、執務スペースから全く見えないところに作ったのです。その結果、マネージャーから見えないところでメンバーが働き始めるということが良くありました。しかも、お客さまが通る動線の途中にそのオープンスペースがあったので、従業員が作業する場所としてのセキュリティを確保しにくいという問題もありました。
 
先ほど申し上げたように、今回は「オフィスではなくそこで働く人間が主役だ」というテーマでオフィスを作っていきました。もう一つ、オフィスが完成するのは工事が終わった時ではなく、その中で人がイキイキと働いている確信ができた瞬間だということも意識していました。
 
前回の反省を踏まえて、今回は執務スペースの半分をフリースペースにして、ソファーを並べました。普通ならば執務スペース全体を席で埋めていく方が合理的だと思いますが、フロアの半分ほどをソファーを並べたフリースペースにすることで、空間を広く、自由に使えるようになりました。
 
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ソファーを並べたフリースペース
 
これは従業員の気持ちにも良い影響を与えました。広くて、自由に使えるオフィスにいることで、心にゆとりが生まれ、働き方が自由な形になっていきました。実際に新オフィスで業務を始めてみると、従業員それぞれ好みの場所があるのだなぁと感じました。
 
フリースペースには、座り心地が硬いものから柔らかいものまで、さまざまなソファーを並べたのですが、ある人は窓の外が見えるソファーに座って作業し、ある人は柔らかいソファーでリラックスしながら作業し、またある人は人工芝を敷いたスペースで横になって作業するなど、皆が自由な形で働いています。自席で作業するだけでなく、働き方のバリエーションが広がったのは良かったと思います。
 
また、社員同士のコミュニケーションが活発になりました。立ったまま作業できる机も用意したのですが、使い始めてみるとそこで働いている人たちがすぐに打ち合わせを始めるようになりました。
 
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立ったまま作業できる机
 
コミュニケーションを活性化させるために工夫したところもあります。移転前のオフィスでは、机と机の間の通路を広く取っていました。その方が、通りやすいだろうという考えからそうしていたのですが、新しいオフィスでは、中央に広い通路を1本作って、ほかの通路は狭くしました。
 
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奥に見えるのが机を並べたスペース。並べ方を工夫してコミュニケーションを活性化させたという。
こうして机と机の間の通路を狭めることで、振り返ればすぐにほかのメンバーに話しかけることができるようになりました。また、席に座って前を見渡すと、移転前のオフィスに比べて多くの人の顔が見えるようになりました。
 
もう1つ、壁や床の色を変えることが良い効果を得られました。移転前のオフィスでは、レンガを積んであったり、床の木に暗い色のものを使っていたりしたので、オフィス内の色調は暗めでした。新オフィスでは一転して、明るい色ばかりを使うようにしました。日当たりが良くて壁や床が明るいと、単純に気持ちいいですね。自然に、気持ちが前向きになります。
 
オープンスペースを作るとか、立ったまま作業できる机を置くとか、「どんな効果があるのだろう」と半信半疑でしたが、やってみて本当に良かったと思います。今回の新オフィスは大成功だと思っています。

ユニバーサルに通用する優秀な人材

――人員を採用するときは、どのようなところに注意していますか?
 
赤坂:まず、何事も自分の責任とできるかどうかが大切だと思っています。環境が悪い、周りの人が悪いとか言うのではなく、身の回りに起きることをすべて自分の責任とできる人が良いですね。周りに依存して、すべてを自分の責任にできないということはその人にとって危険でもあると思います。自分自身が現在いる環境を自力でコントロールできないということですから。
 
それから、これは採用とは少し違う話になるのですが、弊社では「ユニバーサルに通用する優秀な人材を輩出する」ということを意識しています。弊社に入社してしばらく働いた後、転職することもあるかもしれません。そのときに、どんな会社からも「圧倒的に優秀」と言われる人材を輩出したいということです。
 
では、「ユニバーサルに通用する優秀な人材」とはどんな人材かと申しますと、3つポイントがあります。1つ目は国に依存しないこと。2つ目は産業に依存しないこと。3つ目は時代に依存しないことです。弊社では現在、このような人材を育成することに力を入れています。

次の勝負を仕掛けるための地盤づくり

――今後、どのように事業を展開されるおつもりですか?
 
赤坂:弊社ではみな「世界中の人々の人生を豊かにするためにエウレカがある」と思っているのですが、この言葉のうち「世界中」と「人生を豊かに」が弊社の今後の進むべき道を示していると思います。
 
「世界中」は海外展開、「人生を豊かに」はライフステージサービスを指します。つまり、世界各国でライフステージにまつわるサービスを提供していくということになります。例えば、pairsで世界中のあちこちにカップルを作っていき、世界中のカップルにCouplesを使ってコミュニケーションを取ってもらうということが考えられます。さらに、新サービスも準備しています。これも世界中の人に使ってもらいたいと思っています。
 
オンラインの恋愛・婚活マッチングサービスの市場は、これからどんどん大きくなります。ビジネスモデルとして見ても、ゲームよりもずっと優れたモデルだと考えています。社会的にもとても意義があることだと思います。pairsはこれからどんどん成長すると期待しています。ただし、それに安住するつもりはありませんので、新サービスも確実に出していきたいですね。
 
海外展開については、すでに台湾でサービスを提供していますが、東南アジアでも展開するためにシンガポールに法人を設立してあります。現在は、サービス開始の機会をうかがっている段階です。国民総生産(GDP)が上がっていき、国民一人ひとりの生活が豊かになっていかないと、Web上のサービスにお金を払うという考えが広がっていかないと思いますし、サービスに対する値段も国の発展段階に応じて考えなければならないと思います。

例えば、特定の国において、国民が豊かになり、Webサービスにお金を使い始め、かつ弊社の規定する値段体が妥当性を持つタイミングが2018年ならば、そのタイミングを意識して、1年前の2017年に参入をしておく必要があると思います。とはいえ、東南アジア諸国の状況はまだまだ分かりません。東南アジアの前にアメリカとイギリスに進出する可能性もあります。
 
このように機会をうかがって次の勝負を仕掛けるには、会社としての資本を積み上げていくことが大切です。弊社では現在、pairs,Couplesともに順調な事業展開をいたしておりますが、さらにユーザー様からのご期待をいただくことで、もう1つ新たに事業を立ち上げようと考えています。その事業でさらに確実な地盤を作って、どれか1つが欠けても残りの2つで事業を続けられる体制を作らなければなりません。

その次の段階では、3回に1回の割合で大きなヒットが出ればいいと思っています。何しろやったことがないことをやろうとするわけですから、普通に考えれば失敗するでしょう。今は、3回に1回の勝負をするための地盤づくりの時だと思っています。

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