株式会社グライダーアソシエイツ|【2017年版】おしゃれオフィス20選

筆者: 編集部

『2017年おしゃれオフィス20選』の第19弾は、「株式会社グライダーアソシエイツ」です。300以上のメディアと提携しているキュレーションマガジン「antenna*」を運営し、ユーザー数は640万を突破。おしゃれで役立つ旬なコンテンツはもちろん、まるで雑誌をめくるようにサクサクとページをめくれる感覚は、一度やったら癖になってしまいます。1年前に六本木ヒルズに移転した同社、本物仕様のエアバス機がエントランスにどーんと横たわる驚きのオフィス。そのこだわりとは?

六本木ヒルズに、移転した理由とは!?

●LIFE STYLE代表 永田(以下 永田)
今回は弊社の取材にご協力頂きまして、ありがとうございます。初めに御社の事業についてお聞かせください。
  
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○代表取締役社長 杉本哲哉様(以下 杉本)
私たちは2012年から、キュレーションアプリ「antenna*」を運営しています。antenna*は、提携メディアから送られてくる1日1,500近い記事を編集部で300〜400記事に絞り、「プレミアム」「woman」「man」「暮らし」「おでかけ」「エンタテインメント」「コラム」に振り分けて毎日配信しています。記事の質を高めることはもちろんですが、最近は、広告のあり方についてもantenna*ならではの様々な施策を行っているところです。雑誌や新聞、テレビなどの従来のメディアの利用者数がどんどん減り、反対にスマートフォンの利用者は増えているので、「本当に読んでもらいたい情報を欲しい人に届ける」という意味で、antenna*などのキュレーションメディアの役割はさらに大きくなっていくと考えています。
 
●永田
今回は、ちょうど1年前に移転されたこの六本木ヒルズのオフィスについて色々お聞かせください。以前は青山のオフィスでしたよね。
 
○杉本
そうですね。起業当初は青山一丁目駅の上の小さな10坪程度の場所に5、6人でスタートしたのですが、その後スタッフが増え、2フロアで約80坪のオフィスへ移りました。そこもしばらくしたら手狭になり再び移転を考えたのです。実はずいぶん前から六本木ヒルズはご縁もあったんですが、当初あまり入居するイメージはなかったんですよ。一番ネックだったのは、エントランスのセキュリティが厳重すぎること。何人もガードマンがいてカードを通してチェックを受けて、とにかく厳重でしょ?それがこのビルの売りでもあるわけですが、私たちメディアコンテンツを扱うものからすると人が気軽に出入りできない場所って情報が集まりづらいんですよ。また、ここ六本木ヒルズは基本的に小口でフロア分割しづらいし、さらに高層階というのもあまり好きではありませんでした。私の本来の好みとはちょっと違うんですよ。にもかかわらずここに移転を決めた理由は、この場所からは富士山と東京タワーが一緒に見えるんです(笑)。あと4分の1のスペースで貸してくれた。それが決め手になりました。

一歩足を踏み入れた時に浮かび上がるのは、本物と同じ仕様のエアバス!

●永田
富士山も東京タワーも圧巻ですが、オフィスの入口を入ってすぐからいろんな仕掛けがありますね。この辺りに様々な想いが込められていると思うので、ぜひお聞かせください。
 
○杉本
先ほどお話ししたように、このオフィスの一番のハイライトは、あの素晴らしい眺望です。しかしエレベーターがビルの真ん中にあるという構造上、どうしても入口から外の景色までは距離があって、普通の廊下にすると間延びしてしまうんですよ。なのでお客さまがいらした時の動線について考え、「エントランスはあえて暗くして、すごい景色が広がる」という設計にしたんです。そこで、「暗い空間に何を置くか」と考えた時に浮かんだのがこのエアバスです。弊社の社名は「グライダーアソシエイツ」ですから。海外の博物館で、体育館みたいなフローリング床に巨大な飛行機が置いてあるのをみたことがあって。それがすごく印象的で、かっこよかったんですよ。普通に考えるとなかなか作れないのですが、六本木ヒルズ側にも色々協力してもらい、結局エアバスから入手した本物の機体図面を参考に起こしてしまいました(笑)。
 
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●永田
このエアバスは、本物の図面から起こしたものだったんですね。ここの暗さも絶妙ですね。
 
○杉本
最初はもっと暗かったんですけどね。お客さまがみんなここで写真を撮りたがって、そうすると真っ暗すぎて顔が写らなくて。それで徐々に明るくしていって現在の照明に落ち着いています。このエアバスの横を通り抜けると自動ドアに突き当たり、そこを抜けると目の前に35階からの最高の眺望が広がります。

2トンの大谷石や無数に散りばめられたタイルに真鍮のロゴなど、計算し尽くされた仕組みの数々

●永田
うわあ!これはいきなり六本木周辺が一望できるすごい眺めですね。この眺望に惚れてここへ移転してきたというのがよく分かります。
 
○杉本
でしょ?この足元に無数に並んでいる小さなタイルは、横浜のあるデパートのエントランスを見て「これにしたい!」とイメージを膨らませたもの。タイル一つ一つの色もそれぞれに選んで、カーブに沿って敷き詰めていき、真鍮で弊社のロゴを埋め込んでいます。さらに入ってすぐに左右の壁に使用しているのは大谷石。この大谷石は軽石凝灰岩の一種で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材です。この石は耐火性に富み、穴がたくさんあるために天然の断熱材の役割も果たして温度湿度も一定に保ってくれ、消臭効果もあります。見た目も綺麗ですしね。地下の採掘場まで見に行って、2トンも購入してしまいました。
 
●永田
大谷石をここまでふんだんに使っているのは、なかなか見たことがありません。
 
○杉本
すべてカットしてからここに持ち込んだのですが一つ失敗がありまして。窓際の大きな会議室の壁を、どうしても斜めにしたかったんですよ。そうすると音の反響がすごく良くなるので。その会議室につながる壁も大谷石なんですが、エッジを斜めにカットするのを忘れてしまってここで石を切ったら、もうフロア中煙が大変なことになってしまって(笑)。他にも、あそこの円柱はとあるパスタ屋さんの柱を見て「これだ!」と思って、実際その店舗まで見に行ってもらったり、照明は1つ1つ違うタイプのものにしていたりと色々とこだわって設計しています。
 
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カフェで仕事がはかどるなら、会社をカフェにしてしまえ!

●永田
ひと通り見させていただき、ありがとうございました。それではあらためてお話をお聞かせください。こちらのオフィスはどんなコンセプトで設計されたのでしょうか。
 
○杉本
いまって、特に私たちのようなネット関連の仕事だと、わざわざ会社まで来なくても自宅である程度仕事ができちゃう時代じゃないですか。極端に言えば、自宅に限らず世界中どこででも。さらには、「カフェで企画書を書いた」「カフェで仕事をしている」なんていうのもよく聞くので、そうなると会社の意味ってなんだろう、と。それでもわざわざ会社に来る、集まるためにはそれだけの意味がないとダメなんですよね。会いたい人がいるとか心地いい空間とか。そこで「カフェで仕事がはかどるなら、会社をカフェにしてしまおう」と考えたのがこのオフィスのコンセプトです。中央には自由にコーヒーを作れる場所があったり、机もみんなが並ぶ大きな机から、ファミレスの4人席みたいな場所、屋外に向いたカウンター席など様々。フリーアドレスで席は決まっていないので、その日の気分で作業場所も決めていますね。
 
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●永田
中央のカフェに大きな木があるのも印象的ですね。
 
○杉本
この巨大な木を運ぶ時、エレベーターに入らなくて運んでくるのにも苦労しましたね。全体を通して、自然光のたくさん入ってくる明るいオフィスにしたかったので、基本的に会議室の壁は全部ガラスにして、奥まで光が差し込むようにしています。オフィスっぽいのが嫌だったので、プロジェクターのファンの音もNG。唯一ある中央の巨大プロジェクターはSONY製の音が静かな優れものです。

リモートワークによる働きやすさより、重視するのはコミュニケーションの大切さ

●永田
なるほど。そうやって細部にまで徹底的にこだわった結果、この居心地の良い、森にあるカフェのような空間が出来上がっているのですね。それではここから、御社の社内の組織などについてお聞かせください。フリーアドレスで自由に席を決められるとのことでしたが、例えばリモートワークなど働き方もかなり自由なのでしょうか?
 
○杉本
リモートでの働き方は、会社としては「推奨していない」というスタンスです。実際顔を合わせてコミュニケーションをとらないと分からないことってたくさんあると思う。例えば会議も議事録だけ読んでいても、「この一言で場の雰囲気が凍ったんだよな」とか、そういう場の空気って分からないじゃないですか。でも実は、そういうところが一番大事だったりするんですよね。しっかり顔をあわせて、スピード感をもって事業を進めていくことを大事にしています。
 とはいえ、特に女性の場合は出産や子育てといった様々なライフステージがあり、在宅でやらざるを得ないシーンも出てくると思います。弊社も半分が女性社員なのですが、子育て中や産休中の女性も5、6人いる。社員が40人ちょっとの中で、なかなかの比率を占めているんですよ。産休中から復帰してきたり、また新たに産休に入る社員が出てくることも考えると、女性のキャリアをストップさせずに活躍してもらうには、どのような働き方がよいのか常に模索しています。

最終面接で見ているのは、「明日横にいても違和感がないか」

●永田
顔を合わせてのコミュニケーションを重視しながら、スピード感ある事業展開を大切にされているということですが、そんな御社の採用基準を教えてください。
 
○杉本
一言で言うと、私とフィーリングが合う人(笑)。全員最終面接は私が行いますが、そこに至るまでの複数回の面接で、スキルなどの部分はしっかりとふるいにかかっているので、私の最終面接でまたスキルを確認する必要はないんです。
会社が人を採用するときって、もちろん色々と期待しているわけですが、必ずしもパフォーマンスを出せなかったり、大きな失敗をすることも当然あります。最悪のケースの時に私がどこまでのみ込めるか?っていうのが大切で、それって言葉では説明できない感覚的な部分だと思うんです。子供と一緒に食事に行った時、子供が何かを壊したりして親がお店の人に頭を下げられるか?と同じ感覚ですよね。人間って集団の中に5%異質な存在が出現すると違和感を具体的に感じはじめるそうなので、いきなり明日来て横に座っていても違和感を感じさせないキャラや雰囲気を持っているかも見ていますね。

コミュニケーションを取る上で大切なのは、一人一人の個性をよく見てしっかり褒めること

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●永田
社員が増えてくると段々社内のコミュニケーションが取りづらくなってくると思いますが、そのあたりで心がけていらっしゃることはありますか?
 
○杉本
毎週、全社ミーティングの場で会社の状況や各部門の情報共有をしっかり行ったり、コミュニケーションを頻繁に取るということはとても意識していますね。まあ現時点では、そこまで大きくないワンフロアで全員の顔も一度に見えるのでそんなに不自由は感じていませんが。以前経営していたマクロミルというネットリサーチ会社は、いま社員が1,700人を超え13カ国にまたがっているので、そうなるともう「コミュニケーションをしっかり取ろう」では難しい。その会社ではしっかりした冊子の社内報を発行して各拠点に配布、情報の共有をしていますが、うちはそこまでの規模ではないですね。
 
●永田
何か仕組みとして、社員とのコミュニケーションで工夫をしていることはありますか?
 
○杉本
社員を褒めることってとても大事ですよね。会社がどういう取り組みをする人材を評価するのか、それをわかりやすく示すことも重要なので、うちはよくMVPの表彰をやっています。その時に渡す表彰状はかなり長文です。「おまえのここが偉い!これからもこういう期待をしている」って、具体的に書いた手紙みたいなもの。人間って得手不得手があるので、話すのが得意な人もいれば苦手な人もいる。顔を見て話すのは苦手だけどメールなら大丈夫、とか、身体で表現することが得意とか、本当に様々なんですよ。だから様々なコミュニケーション手段があるといいですね。
 
●永田
MVPの基準ってどんなところにあるのでしょうか。例えば営業だと「数字を上げた人が偉い」みたいに分かりやすいですが、管理部門って見えづらかったりしますよね。
 
○杉本
営業を評価するにしても、「売り上げが一番高い=一番評価する」というわけじゃない。例えば目標1千万の子が5千万上げた場合は達成率500%ですが、元々の目標が5千万だった子が7千万売り上げた場合、売上金額が高い人がいいってわけでもない。伸長率だったり、期待を超える工夫や活躍があったのか。その辺りをしっかり見ています。また管理部門の経理や人事、広報だって、仕組みを考えて大幅に効率化したり、イノベーティブな仕事もたくさんできるんですよ。そこを評価するには、しっかり社員と目標設定して、その取り組みを見る経営側のイマジネーションが重要です。
 
●永田
きちんとイマジネーションを働かせる、ということが経営側に求められるのですね。
 
○杉本
そうですね。私たちみたいなベンチャー企業って、立ち上げからしばらくはプライベートもほどほどに、働きまくる時期って必要じゃないですか。以前経営していた会社も創業当時は平均年齢20代半ば、役員も30歳前後で、既婚者も少なかったので、上場するまでの数年間、誰もが仕事を最優先にできたんですよ。経営者は何年経とうとその感覚は消えなくて24時間365日、なんとなく仕事のことが頭から離れないですが、社員はそうもいかないですよね。夢中になれるような仕事と環境を用意して、仕事には200%を注いでもらいながら個人の生活も生き生きと過ごしてもらう、そこを両立させられるのが良い経営なんだと思います。
 

「良質なコンテンツと広告の良い関係づくり」が今後のテーマ

 
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●永田
それでは最後に、御社の今後のビジョンをお聞かせください。
 
○杉本
弊社は、スマートフォンアプリを運営していてメディア業界に籍を置いていますが、メディア業界では、以前なら人気があった様々な雑誌が売れなくなり、テレビの視聴率も下がり、新聞はもはや55歳以上のターゲットメディアになりつつあります。インターネットやスマートフォンが拡大する中で、そこに配信されるメディアのコンテンツは分散化が進んでいる。その結果、メディアが良い記事を書いたとしても、マネタイズは難しくなっています。これが進むと、「メディアで働く」ということが若い人にとって魅力ある仕事でなくなり、良い人材が集まらなくなってしまいます。そこに問題意識を感じているので、antenna*がメディア業界全体にもどう貢献していけるのか、しっかり目を向けて考えていきたいですね。またもう一つ大きな課題だと思っているのは、既存のメディア利用率がどんどん下がっている中、ブランド感を大事にしている企業が広告を出せる場所がなくなってきていること。広告主が出稿先を悩んでいるのが現状なんです。良質なメディアのコンテンツを、美しいビジュアル面でコンテクスト(文脈)も大事にしながら届けることを大切にしているantenna*には、そうした広告主企業から新たな広告展開のご相談や期待の声をいただくことが増えています。
今後は、AIなどの技術も用いながら、パーソナルな興味・関心にもマッチしたコンテンツ提示に挑戦したり、さらに「コンテンツと広告の良い関係」を追求していくつもりです。
 
●永田
本日は貴重なお話をたくさんありがとうございました。
 
ー杉本様 貴重なお話を誠にありがとうございましたー
 

取材協力:株式会社グライダーアソシエイツ 代表取締役社長 杉本哲哉 様
提供サービス:antenna*

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