株式会社じげん|【2017年版】おしゃれオフィス20選

筆者: 編集部

『2017年おしゃれオフィス20選』もいよいよ最終回、最後となる第20弾は「株式会社じげん」です。
人材領域に始まり、今では住まい、自動車購入、旅行など多領域に拡大し、創業10年、生活情報のプラットフォームを着実に築いてきたじげん。宇宙を連想する前オフィスから一変、一期一会を大切にする和モダンなオフィスへ。今年初めに移転したばかりの新オフィスや事業家集団「じげん」の事業・組織について伺いました。

創業10年を経て新たなステージに向かうじげんにとっての「オフィス移転」の意味とは?

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●LIFE STYLE代表 永田(以下永田)
今回は弊社の取材にご協力頂きまして、ありがとうございます。初めに御社の事業についてお聞かせ下さい。
  
○代表取締役社長 平尾 丈(以下 平尾)
私たちは「生活機会(人々がより良く生きるための選択肢)の最大化」をミッションに、ライフイベントに関わるWebサービスやメディアを続々と立ち上げ、努力すれば誰でも機会を掴むことのできる社会の実現を目指しています。「ライフメディアプラットフォーム事業」と総称していますが、具体的には「人材」「不動産」「生活」の3つのセグメントに分かれていまして、複数のインターネットメディア・リアルメディアの情報を統合し、一括して検索・応募・問い合わせを行うことができるEXサイトや、特定の業種や地域の企業の情報をバーティカルに集約した特化型メディア、及び提携先のメディアや企業へのソリューション提供といった、複数のビジネスモデルを展開しています。
具体的なサービスでいうと、全国の主要アルバイト募集サイト掲載の求人情報からまとめて一括検索ができる求人情報メディア「アルバイトEX」や、日本最大級の全国約500万件の物件情報を毎日更新する不動産賃貸住宅の検索サイト「賃貸スモッカ」などですね。提供するサービスの数は合計で30近くにもなります。人々により良い選択肢を提供するために、立ちはだかる問題1つ1つと向き合い、新たな事業領域にも果敢に挑み続ける当事者意識を持った事業家集団であると自負しています。
 
●永田
御社は今年の1月に5回目のオフィス移転をされています。その経緯やこだわったことを教えて下さい。
 
○平尾
事業成長に伴う従業員数の増加及び多様化に応じた組織基盤の再構築、創業10年を経て新たなステージに向かう当社のブランディングの強化のため、今年の1月16日に虎ノ門に一棟借りする形で移転しました。今回の移転の一つ前、2014年3月に移転したオフィスのことからお話しさせて下さい。2013年11月にマザーズに上場した直後の移転で、その時のオフィスは「次の元が生まれる場所」が移転コンセプトの中心に据えられ理念を体現するようなデザインを意識していました。具体的にはレーザーとスモークを活用して光を線や面に変化させて経営理念である「次元を超える」イメージを表現したり、宇宙から地上に降りてくるまでの高さの違いを会議室で表現することで、「生活機会の最大化を目指し、インターネットを通じて宇宙(せかい)をつなぐ『場』を提供することで、社会との調和を図り、共に持続的発展を追求していく。」という基本理念を表現したりなどです。
マザーズ上場から3年が経ち、従業員もグループ全体で350名前後と会社の規模も拡大していますし、事業領域および事業モデルの多様化に伴い、ステークホルダーもより広がってきています。現在も大切にしたい理念は変わりませんが、その表現方法を見直すタイミングがきたのではないかと考えました。
 
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●永田
なるほど。会社の変化も踏まえ、オフィスを変えてこられているのですね。移転にはどれくらいの人数や日数をかけていらっしゃいますか?
 
○平尾
移転の際にはプロジェクトチームを立ち上げますが、多分他社の1/3くらいの人数と半分くらいの期間で進めていると思います。一方で、移転後もそのプロジェクトは終わらず、移転からの2,3ヶ月でM&A後の「100日プラン」のようなものが始まります。移転は1月でしたがその時点で来て頂いたら多分全然できてなかったですね。4月いっぱいかけて、漸く大部分が完成しました。
 

CLO水嶋ヒロ氏とコラボレーション、シンプルな和テイストに象徴となる書を掲げ、五感に訴えかける新オフィス

●永田
「移転」プロジェクトなのに移転して終わりにはならないんですね。それなら今回の取材は良いタイミングでした。イメージしたのは、どんなオフィスでしょうか?
 
○平尾
会社として向き合いたい課題に対してどうアプローチするかという機能的な側面と、その思いがどう表現されるかという意匠的な側面に分かれると思うのですが、前者に関して、端的には、事業を通じてだけではなく、オフィスと接点を持ったステークホルダーの皆様が、オフィスを起点に「より良く生きるための選択肢」を見つけられるような場を創りたいと思いました。キーワードは「一期一会」と「多様性の受容」です。
「一期一会」というのはオフィスにいらっしゃった方との出会いを大切にしようという非常にシンプルなことなのですが、そのために考えるべきことはたくさんあります。たとえば、私たちが大事にしている理念やビジョンがしっかりと伝わること、信頼関係を築いていけるようにいらっしゃる方にきちんとしたおもてなしを提供すること、コミュニケーションが弾むような仕掛けを用意することなどが挙げられます。
「多様性の受容」とは、時間や場所に縛られない「働き方」が社会でも話題になっていますが、当社も組織の拡大に伴って様々なスキル・価値観をお持ちの方が増え、そんな方々が最大限力を発揮できるようにオフィス環境も整えていくということを意味します。
こうした課題も踏まえつつ、どう表現するかという後者の部分については、CLO(Chief Lifestyle Officer)である水嶋ヒロさんに企画・デザイン監修・コンセプターを依頼させていただき、一緒に形をつくっていきました。
 
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●永田
前回の受付はレーザーで「次元を超える」様子を表現されていて、宇宙空間にいるような印象がありましたが、今回の受付は「和」の印象が強いですね。特にこの力強い書が目を引きます。
 
○平尾
「じげん」という社名には、いろんな意味がこめられているのですが、表記を平仮名にしたのは日本から世界に打って出るようなベンチャーを創りたいという思いがあったからです。ちょうどグローバル向けのサービスを立ち上げていくことも決まっていたので、その原点に立ち返ろうと「和」をデザインコンセプトの1つとして取り入れました。
とはいえ、「和テイスト」とはいってもそれぞれ想像するものが違ったりして難しい部分もある中、水嶋ヒロさんより、スイスにお住まいだった経験から「スイスのデザインは、日本に通ずるところがあるので和と共に取り入れてみてはどうか」と提案していただきました。そこから「無駄なものを省き象徴的なものを配置し、全体的に和モダンなテイストにまとめる」という方向でオフィスデザインを考えていきました。その象徴的なものとして、全社員に共通する志として大事にしている「事業家集団」という言葉を書として掲げました。著名な書道家、武田双雲さんに書いていただいたのですが、書の持つエネルギーに、本当に、通りがかるたびに圧倒されますし、初心に帰る思いがします。今後、組織が拡大していっても、職種関係なく「事業家集団」として「事業で社会の問題を解決する」という思いを再確認するのに役立つのではと思います。
また意匠として「和」を取り入れるだけではなく、「おもてなし」の心や季節を大事にする感覚など目には見えない精神的な部分もうまくオフィスのUXの部分に組み入れています。たとえば、これも水嶋さんのご提案だったのですが、アトモフというデジタルウィンドウを配置し、視覚や聴覚で自然を感じられるようになっています。また水嶋さんとコラボレーションしたオリジナルパフュームの香りも1F全体に漂い、いらっしゃった方に心地よさを感じていただけるように配慮しています。

フロアが分かれても自然と社員が集う仕掛けを、社員主導で創る

●永田
従業員数が増えるとコミュニケーションが段々難しくなりますが、新オフィスでその辺りの工夫はありますか?
 
○平尾
今回は一棟丸ごと借りているのですが、社員が2フロアに分かれるのは初めてのことで、どうしても、2階、3階で意識が分断されてしまう部分があり、情報伝達やコミュニケーションは難しくなりました。なので、まさに今階段や屋上をどう使うかとか、情報伝達はどうあるべきか、など考えているところです。コラボレーションスペースとして、全社会議にも、社内ミーティングにも、ランチスペースとしても使える4階に人が集まる仕組みをつくることが非常に重要だと考えていまして、既に色々と工夫しています。弊社には会社は皆で創っていく、運営していくという考え方のもとで、全員何らかの委員会に所属して会社運営の役割を担う仕組み「ZIGExIN(じげイン)」があるのですが、こうした委員会を通じて社員みんなで案を出し合っています。

ライフステージや価値観の違いを乗り越えて、事業家集団が誇りを持って働ける環境を

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●永田
多様な働き方を受け入れていくことにも力を入れているとおっしゃってましたがこちらに関しては具体的にどんなことをされているんですか?
 
○平尾
「働き方」といってもいろんな見方があると思いますが、たとえばエンジニアやセールスといった職種の違いでも働き方のスタイルには差があります。エンジニアなら開発に集中したいときは4階スペースを活用できるようにしたり、オフショアの開発拠点であるベトナムと会議がしやすいスペースをたくさん作ったり。男女の違いでいえば、女性専用のパウダールームや男女別のお昼寝ができる休憩スペースも用意されています。
社員の平均年齢もじわじわと上がり、先週も1人産休に入りましたが、お子さんが生まれたり結婚したり、とライフステージがどんどん変わってきているんです。お子さんを連れて出勤もできるような空間設計も用意してそんな時に備えています。
また、全社員共通で大切にしたいのは、心身ともに健康に働けること。弊社は「スポーツ推進企業」にも選出されていますが、階段の利用を原則とし、屋上では縄跳びなどの軽い運動器具が借りられるようになっています。
しかしながら、オフィスでできることはこのテーマに関しては特に一部分にすぎず、ソフト面としての人事制度とセットで考える必要があると思います。
「事業家集団」としての誇りを持ちながら、求める働き方の相違によって弊社で働くという選択肢がなくなることのないように、オフィスがその起点になればと願っています。

最も重視する採用基準は「アントレナーシップ」を持っていること

●永田
多様なスキル・志向を持つ人々が集まる御社ですが、採用ではどんなところを重視していらっしゃいますか?
 
○平尾
そうですね、先ほどもお伝えしたように「事業家集団」であることを掲げていますので、事業家としてのマインド、すなわち「アントレプレナーシップ(Entrepreneurship)」をお持ちの方かどうかが1番の軸になります。アントレプレナーシップとは事業で社会の問題を解決することに対しての「圧倒的な当事者意識」と言い換えられます。これを真ん中に据えながら、エンジニアリングや財務、デザインなどいろんなプロフェッショナリズムを掛け合わせて力を発揮していただける方に仲間に加わっていただきたいと考えています。
逆に言えば、エンジニアやデザイナーなど、専門職の方についても、一つの深いスキルは当然お持ちだと思いますが、それだけではなくて、課題に対して自ら主体的に行動していくマインドが必要ですし、それに伴って専門性の幅も拡げて頂き、会社としても個人としても市場価値を高めていただきたいと考えています。
 
●永田
なるほど。そういったマインドと幅の広い専門性を掛け合わせた人が集まることによって、変化に対応しやすい組織になっているわけですね。
 
○平尾
そうですね。社内では「テクニカルスキル」と「ポータブルスキル」と呼んでいますが、ポータブルなのがアントレプレナーシップから得られるスキルで、どんな場面でも役に立ち、一度身につければ陳腐化しないものです。何かあった時にそこに対して問題意識を持って、課題発見して、解決する力ですから。目先の困難や精神的な負荷に対しても壁を乗り越えて成果に繋げていってくれている姿を見て頼もしく思っています。
 

アントレナーシップの塊のような代表が実践する、アントレナーシップの育て方

●永田
平尾さんは学生の頃からご自身で経営もされていて、アントレプレナーシップの塊というか、日本代表のようなイメージがすごくあるんですね。そんな平尾さんが考える、アントレナーシップの育成ってどんなことなのでしょうか。
 
○平尾
「圧倒的な当事者意識」が弊社の人事でも一番大事にしている部分なので、常に視座を高く持ち、様々な課題を自分ごとと捉えてもらえるように、様々な制度や仕組みを用意しています。たとえば先ほどお伝えした委員会制度もその1つです。
また、上場してからも変えていないのですが、透明性の高い中で経営を進めていくために各事業部内では職種関係なく毎日数字の進捗を確認していますし、全社で「明日会」という全社集会のようなイベントがあり、月次の売上利益や各事業部の課題とアクションが共有されています。こんなことをしながら、社員も一緒に考えよう、同じように意思決定しようって日々伝えています。
加えて、週に一回経営会議として「事業統括会」を実施しており、毎回4、5時間くらいみっちり経営方針について話し合っています。これは、経営側も覚悟が必要で…。
 
●永田
毎週4、5時間!それは受け止める側にもかなりのパワーが必要ですね。
 
○平尾
そうなんです。「自分だったらこうする」っていうのを私自身もぶつけてこられるので結構追い詰められますが、それでいいんです。「裸の王様」化していかないように、どこかで背中を見せながら、自分自身も実力をつけていかないと、社員もついてこないですよね。この辺の普段のさじ加減みたいなものが大事で、経営会議はそれを実践する場でもあるんです。逆に社員はバッターボックスに立って、「中で振ってたバットってこんな重かったんだ」「こんな変化球を投げられていたんだ」と、後から分かることがすごく多いと聞きます。「平尾さんにもらっていたアドバイス、外だとすごいみたいです」みたいな(笑)アントレプレナーシップの育成では、現役の平尾が伝えていくのはもちろん、組織の拡大に伴い、それを執行役員や部長役員へと伝承していって、どんどん広めていきたいと思っています。今ではその層も厚くなってきたのではないかと思いますね。

多領域に渡り山積する課題と向き合うために、増収増益し続ける企業を目指す

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●永田
それでは最後に、今後の御社の展開を教えてください。
 
○平尾
じげんはこの10年で多領域にわたって約30サービスを立ち上げ、圧倒的なデータベースを有するプラットフォームを築き、独自のマッチングテクノロジーを進化させてきました。また、上場以来計8件のM&Aを実施し、事業開発・拡張力を活用した投資にも積極的に取り組み、創業以来10期連続の増収増益を達成しています。
とはいえ、この社会には、人々により良い選択肢を提供するために、解決の待たれる問題が多領域に渡って山積し、その解決手段は多岐にわたる中で、我々ができていることは少なく、社会に対してより影響力を持っていくにはまだまだ企業として成長し続ける必要があると思っています。
引き続き増収増益し続ける企業でありたいと思っていますし、そんな思いから、昨年発表させていただいた中期経営計画“Protostar”で掲げた目標を一期早めると発表したばかりです。できれば「日本で一番、創業期から増収増益ができる会社」になりたいですし、そこに向かって走っていきたいなと思っていますね。
 
●永田
本日は貴重なお話をたくさんありがとうございました。
 
ー平尾様 貴重なお話を誠にありがとうございましたー
 

取材協力:株式会社じげん 代表取締役社長 平尾丈 様

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