【360度カメラレビュー】空間を手中に収めることができる「MatterPort」短時間で3Dモデリングが可能に

筆者:手島 理志

昨今、VR(virtual reality)業界が急成長を遂げ、どの調査会社も「VR市場は2020年までに現在の市場規模から数十倍にまで跳ね上がる」と予測しております。そんな日進月歩で新しいコンテンツ・プラットフォームなどが生まれていますが、今回は3Dモデリング(3Dデータ化すること)できるカメラ「MatterPort」を紹介させて頂きます。

MatterPort(マターポート)とは

Matterportは、サンフランシスコのベンチャー企業Matterport社が発売している3Dスキャンカメラです。上・真ん中・下の3方向に対し、それぞれにカメラと深度計(赤外線カメラ)がついていて、計6つのカメラで撮影した映像を合成することで全天球画像と3Dモデルを撮影できます。

Matterportの特徴

1.撮影が簡単
Wi-fiでiPadと連携させるだけで撮影を始めることができ、難しい設定などは一切不要。
 
2.スティッチ不要
一眼レフを用いて、パノラマ写真を作るためには4方向撮る上に、球体にするためにそれらを繋ぎ合わせる作業(スティッチ)が必要になります。その点、Matterportは、カメラが自動的にスティッチをやってくれるので、大幅な時間短縮が可能というわけです。そして複数の箇所で撮影を行うことで自動的に線が繋がれ、歩き回ることのできる「ツアー」が生成されます。
 
3.立体写真の撮影が可能
道路で高さや傾斜を測定する機能に似ていて、シャッターを押すと空間を読み取る測量術のような空間スキャニングシステムが搭載されています。空間を構築している壁を認識して撮影し、それらを繋ぎ合わせると立体写真になるのです。

実際に使ってみよう

色々と言葉で説明しても、頭の中は「??」ですよね。それは私たちも一緒。百聞は一見に如かず。早速実際に使って撮影をしてみましょう!Matterportは想像しているよりもコンパクトで、持ち運びにも便利だと思います。

使い方

使い方は非常に簡単です。撮影したいモデルに対して、撮影ポイントを決めます。
 
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撮影ポイントは自由に設定することができる上に、iPadとペアリングできるためその場で撮影内容を確認することも可能です。より多くのポイント設けることでより詳細な撮影が可能です。1ポイント撮影時に4回撮影が行われます(90度ごと撮影)。撮影箇所が多くなるとその分時間がかかります。
 
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撮影してみよう

今回、株式会社エンジョイワークス様にご協力いただいて、実際の住宅の撮影を行いました。

撮影協力:株式会社エンジョイワークス
株式会社エンジョイワークス様は、鎌倉を拠点に、不動産、建築、まちづくり、空き家再生などの事業を行っているベンチャー企業です。古くからの業界慣習に捉われない新しい視点やスタイルで、住まいや場所・コミュニティに関するプロデュースを行っています。今回は同社が提供する新しい仕組みの住宅「スケルトンハウス」を用いた宿泊施設にて撮影しました。

 
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空間を構築する

撮影する際は、建物内の隅々までイメージを沸かせ、漏れがないように撮影をすることが重要です。壁を認識して空間を撮影するMaterportなので、全空間を認識させるために配置はとても重要となっています。
 
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モデルを確認する

撮影が全て完了したら、あとはMaterportがツアー生成するのを待ちます。生成されると連携しているiPadにて確認が可能となります。リアルタイムに確認ができ、再度撮影が必要なのか、そのままで大丈夫なのかが即時判断できるのは、魅力の一つとなります。
 
今回実際に私たちはその場で確認を行いながら、問題がないことを確かめた上で撮影を続けました。
 

完成

そして実際に撮影が完了したモデルがこちらです。
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓

The Canvas Hayama Park / 施設運営元:Ever Blue Sky
 
今までにないほど滑らかに見て回ることができ、しかも非常に高画質です。このクオリティの360度写真を短時間で作ることができるのがMatterportです。

MatterportでGoogleストリートビューはどうなるのか?

例えば知らない場所に行く時には、事前にGoogleのストリートビューを見ればだいたいの様子が分かるようになっていますが、それが屋内の場合、そのやり方が通用しなくなります。しかし最近のストリートビューでは、一部のお店や企業などの建物は中に入って見れるようになっており、それはGoogleがMatteportをパートナー認定したことで増えてきているのです。
 
プレゼンテーション2
 
Googleは今すでにストリートビュー撮影の際にMatterportを使用できるように動いていますが、具体的な運用開始時期は未定で近日中に発表とのことです。2016年までは、ストリートビューの認定は撮影ツールや会社に対して与えられていました。
 
ですが2017年から、一般ユーザーでもストリートビューを公開することが可能になるそうです。その点で、個人でも非常に簡単に360度の撮影ができるMatterportがGoogleのパートナーとして登録されたことで今後のストリートビュー撮影に大きく影響を与えるかもしれません。

まとめ

今回の撮影から感じたこととしては、不動産業界(住宅、空間デザインなど)の撮影にとても有効な機材だと感じました。細部にまで渡り撮影ができ、それをリアルタイムに確認ができる点、そしてユーザー体験としても活用が可能な面はとても魅力的でした。
 
またMatterportのCEOであるBill Brown氏も建築関連の設計業務やイベント関連の施設などに活かせると考えています。例えば、イベント展示会場をMatterportで撮影することで、実際にそこにいるかのような体験が可能となり、将来的には誰もが3Dセンサーをポケットに入れて持ち運ぶ状況を目指しているそう。我々のような一般市民でも手軽に3Dセンサーで撮影ができる日もそう遠くはないかもしれませんね。

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