スマホゲームの代名詞「コロプラ」は、VRトライアングル戦略の先に何を見据えているのか

筆者: 編集部

「魔法使いと黒猫のウィズ」や「白猫プロジェクト」などのスマホ向けゲームを開発・配信している株式会社コロプラは、2014年からVRのゲーム開発を行っており、近年ではVRの動画配信やファンド運営など、積極的に事業としてVRに携わっています。
 
コロプラが、まだ不確実なVRという市場にここまで本腰を入れて取り組む背景には、どのような戦略やビジョンがあるのでしょうか。

株式会社コロプラについて

まずはコロプラがどのような企業・サービスを提供しているのか、そこに加えてVRに関してどういった戦略を立てているのかをあわせて見てみましょう。

株式会社コロプラとは

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株式会社コロプラは、2008年に設立した企業です。主にスマートフォンアプリを中心とした国内・海外向けモバイルゲームサービスの提供や、VRデバイス向けサービスの提供などを行っています。2014年8月には、コロプラ初となるVRアプリ「the射的! VR」をリリースし、VRがまだ世間に浸透していなかった時期からVRアプリの開発・配信を行っていました。
 
その後もVRゲームの制作や新たな領域への挑戦など、VRビジネスに積極的に取り組んでいる企業です。

コロプラの掲げる「VRトライアングル戦略」

コロプラは3つの領域でVR事業を行っています。それぞれの事業を軸に「VRトライアングル戦略」を掲げ、以下のように事業展開しています。
 

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(画像参照:2017年2月1日に開催された証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会での資料)

 

「ゲーム」 ー VRゲームの制作
「投資」 ー VRベンチャーへ出資する「Colopl VR Fund」の運営
「360度動画」 ー モバイル向け360度動画サービス「360Channel」の運営

 
コロプラは「どの時代においても、沢山のユーザに受け入れられる、新しいエンターテインメントを作り続ける」というビジョンを掲げており、そのためにサービス、地域、リソースなどを複数分散させ、かつ最適に組み合わせる「ポートフォリオ戦略」を行っています。その一環として、VR事業における「VRトライアングル戦略」があり、リスクを分散化させ、広い面での利益を獲得する戦略を立てています。
 
コロプラの代表取締役社長の馬場功淳氏は、VRの事業に取り組む理由としてその将来性の高さに期待していることを挙げました。技術的に完成されており、かつ新しい体験として非常に優れていることなどを挙げ、何よりも今後新たなプラットフォームとして大きく普及するであろうことを理由として述べます。

コロプラの3つのVR事業

コロプラは上で説明した3つの事業を展開しています。ここからはそれぞれの事業について詳細を説明します。

VRゲーム制作|ゲーム

コロプラは2014年にVRゲーム「the射的! VR」をリリースしたことを皮切りに、その後も続々と新作のVRゲームを開発・配信しています。さらに2016年にハイエンドHMDトとしてローンチされた「Oculus Rift」「HTC Vive」「PS VR」に対し、それぞれに対応するオリジナルアプリをリリース。国内の主要なハードでコロプラのVRゲームが体験できるようになりました。
 
スマートフォンアプリの開発のノウハウや、先行してVRゲームを開発していたノウハウを活かし、より魅力のあるコンテンツ制作を行っていくことでVRのコミュニティの拡大を狙います。

COLOPL VR FUND|投資

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コロプラの子会社である株式会社コロプラネクストは、国内外のVR関連企業を対象に投資を行う5000万ドルVRファンド「COLOPL VR FUND」を運営しており、VRアプリ作成ツールを提供している「InstaVR」や、視線追跡型のVRゴーグルを開発している「FOVE」などに出資しています。
 
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(画像参照元:公式サイト
 
上画像のジャンルに積極的に投資することを発表しており、2016年1月に設立してから1年で30社以上の企業へ投資しています。また2017年1月31日には新たにVRファンドとして「Colopl VR Fund 2」を設立し、最初のVRファンドと合わせると1億ドルの規模で、世界有数規模のVR特化型ファンドとなりました。「Colopl VR Fund 2」では医療・教育・エンタープライズ系といった未投資領域や、欧州・中東・アジアといった地域への投資を拡大するとのことです。
 
株式会社コロプラネクスト代表取締役社長の山上愼太郎氏はこのファンドを立ち上げた目的として、ゲーム・360度動画以外の領域に対して、投資という選択肢でVR市場の成長を後押ししていくことが狙いだと語ります。

360Channel|360度動画

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3つ目の事業として、コロプラの子会社である株式会社360Channelは360度動画配信サービス「360Channel」を運営しています。スポーツ・レジャー・バラエティなどの幅広いジャンルの高品質な360度動画を配信しており、エンターテインメント領域のVR事業として取り組んでいます。
 
株式会社360Channel経営企画/プロデューサーの中島健登氏は、VRと親和性の高い「映像」の分野でサービスを提供することで、新たな領域を掘り下げる狙いで360Channelを開始したと述べます。最終的な展望としては、テレビと同じような感覚で生活に溶け込んだ存在としていきたいと語り、そのためにインターフェース部分においてもユーザーの利便性をさらに高めていけるよう作り込んでいくとのことです。

まとめ

コロプラの戦略は市場成長に大きく左右されるものでありながら、多面的にVR事業の展開を行うことで、新興市場への参入に対しても最大限のリスクヘッジを図っています。VRトライアングル戦略は、完全な合理主義の元に描かれた戦略に映りますが、VRは必ず来るのだという確信と、いづれか、もしくは全ての領域でコロプラが必ず勝つという野心に満ちあふれた戦略だとも捉えることができます。
 
設立わずか10年で、日本を代表する企業に上り詰めたコロプラの合理的な野心がVR市場の発展にどう寄与するのか、今後も目が離せません。

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