Retty株式会社【2017年版】おしゃれオフィス特集

筆者: 編集部

採用や事業へのこだわりをオフィスから読み解く「おしゃれオフィス」特集。今回は、日本最大級の実名グルメサービス「Retty」を運営するRetty株式会社です。2011年6月にサービスを開始し、今年で7年目。従業員の数が170名を超え(アルバイト等含む)海外展開も本格的にスタートするなど、事業も組織も今まさに転換期を迎えています。創業7年にして既に6回、7拠点目となるオフィス移転を軸に、今後の展望や採用など、様々なお話を伺ってきました。

 
 
ーー御社の事業についてご紹介ください。
 
Retty株式会社 CEO 武田和也様(以下武田):
グルメサービス「Retty」を運営しています。2011年6月のサービス開始以来、外食が好きな一般の方々に「実名」ベースでご投稿いただいているため、質の高い口コミが集まっています。月間利用者数は、2017年5月に3000万人を突破しました。また、最近では海外事業にも注力しており、現在はアジアを中心に展開しています。
 
ーーこちらのサービスは実名であるというのが大きな特徴です。
 
武田:
サービスの一番の特徴は、「自分が信頼できる人の情報からお店を探せる」というところなので、実名で投稿いただくことは重要なポイントの一つですね。お店選びって、人それぞれの好みだったり利用シーンがあるはずです。「自分と嗜好の似ている人」、あるいは「特定のエリアやジャンルのグルメ情報に詳しい人」からの“おすすめ”という軸でお店を探せることが、自分の好みにあったお店を見つける最適な方法だと思っています。実名によって、投稿者側も発信の内容に責任が問われてくるので、より信頼性のある口コミにつながります。人気のある方だと数万人のフォロワーがいますが、フォローせずに見ている人もいますから、実際にはもっと多くの方が口コミを参考にしているはずです。
 
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ーー今のオフィスがある麻布十番という立地も「食」を意識して選ばれたのですか?最初はどんなところでスタートしたのでしょうか。
 
武田:
仰る通り、今のオフィスがある麻布十番は、質量共に美味しいお店がたくさんあります。全ての社員が「ユーザー目線を持つこと」を大事にしているため、社員は外食の機会がとても多く、オフィス周辺の飲食店事情は立地選びのポイントの1つでした。これまでの移転を振り返ると、一番最初は赤坂近辺にある5畳程度の小さな古いマンションで、私の自宅と兼務した状態でスタートしました。その後7年の間に、社員の増加に伴い移転を重ねて今回で6回目ですが、都内の飲食店が充実しているエリアはだいたい行き尽くしたかもしれません。
 
ーー7年間で6回の移転はかなりの頻度です。もうすこし詳しくお聞かせください。
 
武田:
ここ最近は、1、2年毎になりましたが最初のうちは半年とか数ヶ月で引っ越すこともありましたね。最初のオフィスの次は、新宿三丁目にあるインキュベーション施設に2ヶ月ほど入り、その後は六本木に1年ほど。その次は築地周辺、さらに広尾へと移転しました。社員が増えて手狭になったことが移転の主な理由でしたが、グルメなエリアを求めて移転先は選んでいましたね。どうせ移すなら美味しいお店がたくさんある場所の方が、社員にとっても、サービス開発とっても、プラスになりますから。そして五反田を経て、今回の麻布十番のオフィスへ2017年6月に移転してきました。
 
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ーー会社の規模拡大に合わせて移転してこられたと思いますが、現在従業員はどれくらいいらっしゃいますか?
 
武田:
現在社員は100名ちょっとでアルバイトなどを入れると約170名です。
 
ーー今回のオフィスのデザインには武田さんも監修のような形で入られたのでしょうか?こだわったポイントや、武田さんの考えるRettyらしさを教えてください。
 
武田:
私が監修、というより、サービスプランナーの社員を中心とした数名の社内チームがあり、彼らが中心になってプロジェクトを進めていました。社員が自らデザインすることで、実際に日々の業務の中で感じていたオフィスの課題を解決してもらいたいと考えたからです。今回のコンセプトの前提にあったのは、「Rettyらしさを感じられる空間づくり」という考え方です。Rettyの強みは「ユーザーさんにより良いものを提供することを組織全体として考えている」という点にあり、それを私たちの行動指針として「User Happy」と呼んでいます。ユーザーさんとの交流写真やユーザーさんからいただいたプレゼントなどをオフィスの様々な場所に展示することで、働く社員だけでなく来訪者の方々にも、Rettyがユーザーさんとの近い距離感を大切にしていることを伝えられる空間にしました。
 
ーー社内の人間はもちろん、外からいらした方にもすぐに伝わるように。
 
武田:
そうです。あとは、「Rettyカフェ」と呼んでいるオープンなスペースがあるのですが、ここではみんながコミュニケーションをとりながら働いたり、個人の業務に集中したり、様々な形で生産性を最大化できる環境を目指しました。先進的、新しいものがここから生まれるという意味での「イノベーション」、そして社内外の職種が異なる人たちが自然と集まって生まれる「コラボレーション」という2点も、新オフィスのコンセプトでした。私自身もほとんど「Rettyカフェ」で仕事をしています。これからも様々な要素を取り入れて、Rettyらしいオフィスをみんなで作っていきたいと思っています。
 
ーー前回のオフィスと比べて、今回変えた点はその辺りでしょうか。
 
武田:
ええ。前回までは「Uesr Happy」をオフィス作りで具現化する取り組みはほとんどできていなかったですし、カフェのような居心地よく仕事ができるオープンな空間もありませんでした。「Rettyカフェ」と呼んでいるくらいなので、外部の方やユーザーさんも気軽に遊びに来たり、イベントができたりするようなオープンさでやっていきたいな、と思っています。
 
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ーーでは次に、執務スペースの設計の際にこだわった点を教えてください。
 
武田:
奥の壁は全面がホワイトボードになっているので、ミーティングルームを使わなくても気軽に打ち合わせができるようになっています。また、サーバルームはガラス張りになっていて、自社開発した機械学習基盤を置いています。Rettyでは、最新のディープラーニング技術を活用して、数百万件の飲食店に関する口コミ情報から、写真に映っている料理の識別や分類、お店の特徴に関するテキスト分析などを行い、サービス体験の向上にAIを積極的に取り入れています。社内にサーバルームを持つことによって、論文などで新しい技術がでてきた時にいつでも実験することができるといったメリットがあります。また、そのようなサービスを支える技術について、来訪される方々にも知ってもらえたらと思い、あえてガラス張りにしました。
 
ーー会社が急成長している今、採用の際に心がけていることや、「Rettyっぽい人」という像があれば教えてください。
 
武田:
そうですね。「Rettyっぽい人」っていうのは感覚的にはわかりますし重視しているのですが、具体的に言葉で説明するのは難しいですね。一方で、そう言った感覚的な部分とは別で採用の時に重視しているのは、「会社の成長に乗っからない人」という点です。実際にサービスも組織も急拡大していますが、「成長しているからそこに乗っかろう」という人よりも、「成長しているからこそ様々な課題があるはずで、それが面白い」と思える人に来てもらいたいです。実際、まだまだ本当にこれからだし課題はたくさんあるので、それを一緒に乗り越えるようなハングリー精神というか、ベンチャースピリットを持った方と一緒に働いていきたいですね。
 
ーー組織だと30人の壁、100人の壁なんて言いますが人数が増えたことで「今までとちょっと違うな」と思ったり、意識していたりしていることはありますか?
 
武田:
今ちょうど社員が100人くらいですが、エンジニアやデザイナー、プランナーといった開発系が6割、その他は営業や管理部門など、職種は様々です。組織が大きくなると、確かに情報の伝達が非常に難しくなってくるので、「情報を伝える仕組みを作っていく」というのは、まさに今取り組んでいることです。基本的にすべての情報をオープンにしているので、これまでは各自がそれらを自ら取得し、考えていくというスタイルでやってきました。今後も基本的な方針は変わりませんが、一方で、これだけ人数が増えると、正しく伝わらなかったり理解できなかったりという場面もどうしても出てきてしまいます。これからのフェーズにおいては、「きちんと伝える」ことに真摯に向き合うことで、全社員が本質的な部分を深く理解して成果を出していけるようにしていきたいと思います。
 
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ーー企業規模が50人を超えると「ミドル層の育成が課題」となってきますが、その辺りで御社が意識されたことはありますか?
 
武田:
「意識が足りなかったのでつまずいた」というのが正直ありましたね。どこの会社もそうだと思いますが、新しい人が急に増えると、今までと同じ方法が通用せず、情報の伝わり方や内容の濃さが変わってきます。少しずつ人が増えていくのであれば自然と組織も変わっていけると思いますが、一気に人が増えるとそうはいきません。それはこの数ヶ月で、実際に社員が約30人も増えて実感したことでもあります。
 
ーー約3割が新しい人というのは非常に大きな数字ですね。社員数の増加に伴い、社内コミュニケーションで意識して変えたことはありますか?
 
武田:
以前から続けていることですが、全体会議は毎週行っています。基本的に社員が全員参加するので、様々なプロジェクトの進捗もここで把握できます。仕事はプロジェクトやミッション単位で行うことが多いので、この会議がなかったら他の部門のことを理解するのは難しいでしょうね。他には、「グルメ調査費」とよんでいる「一ヶ月に一回、金額の上限なしで食事ができる」という制度も、社員間のコミュニケーションを促進しているようです。
 
ーー上限なしに?
 
武田:
ええ。たまに「これはやりすぎじゃない?」とツッコミが入ることはありますが、「上限なし」っていうところがこの制度のポイントなんです。例えばそれを1万円とか上限を設定してしまうと、ありきたりな制度になっちゃいますから。みんな遠慮なく、かなり豪華なものを楽しんでいるようですよ(笑)。あとは「ランチタクシー制度」というのもあって、ランチの行動圏を広げるために、月に一度、往復3千円までのタクシー代を会社が補助しています。これは、本人以外に3名連れて利用すること、少なくとも1名は別チームのメンバーを含めることをルールとしています。
 
ーーそれも他部署とのコミュニケーションを目的に作られた制度ですか?
 
武田:
はい。他の部門の人とコミュニケーションを取る機会は、仕組み的に作らないと減ってきてしまうフェーズにあるので、解決策としても有効だと考えています。また、「食を通じて世界中の人々をHappyに。」というビジョンを掲げて事業を運営していますので、社員が自ら行きたいお店に行って外食のレパートリーを広げるというところも重要で。この事業と制度が、色々な形でリンクするんですよ。
 
ーー社員一人一人も食を通して楽しみながら、事業の活性化につながるんですね。それでは最後に、今後の御社の展望についてお聞かせください。
 
武田:
Rettyは今まさに急成長していくフェーズですが、一方で「できているようでいて、まだ何もできていない」という状況でもあります。Rettyの目指すゴールが100だとすると、まだ3とか4ぐらいのイメージです。今後は国内だけでなく、海外も含めて、新しい事業をゼロからどんどん立ち上げていく予定です。そのためには、今までとは異なる新しい方法で進めていく必要もあり、ベンチャースピリットのある方が加わってくれると嬉しいですね。Rettyの国内利用者数は現在の3000万人からまだまだ伸ばせますし、アジアだけではなく北米などでも展開をしていくタイミングなので、今後はさらに面白いフェーズに入っていくと思いますよ。
 
ー武田様、貴重なお話を誠にありがとうございましたー
 
 

取材協力:Retty株式会社 武田 様

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