VR酔いってなんで起こるの?仕組みと対策

筆者:小花 桃子

最近はHMDなどのハードウェアが普及したことで、家庭でも気軽にVR体験をすることができるようになりました。それに伴いコンテンツの数も増え、個人でのVR体験の自由度はどんどん上がっています。家庭でVR体験をする人が増える一方で、「VR酔い」という言葉をよく聞くようになりました。
 
「VR酔い」というのは、文字通りVRの体験中に酔ってしまうことをいいます。せっかくVR体験をしているのに、「VR酔い」で気分が悪くなってしまったら楽しさが半減してしまいます。しかし、「VR酔い」は徐々に体を慣れさせていくことで克服できるものです。
 
今回は、「VR酔い」の起こる原因と対策をまとめます。VR体験をしてみたいとお考えの方、すでに「VR酔い」で悩んでいる方は、「VR酔い」の仕組みをきちんと理解し、より楽しくより快適なVR体験をしましょう。
 

VR酔いの原因

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冒頭でもお話ししたように、「VR酔い」はVR体験中に発症する、乗り物酔いのような症状のことをいいます。主な症状は以下の通りです。
 

・不快感
・頭痛
・胃部の違和感
・吐き気や嘔吐
・顔面蒼白
・発汗
・倦怠感
・眠気
・方向感覚障害および無気力無関心

 
軽度の場合、少し気分が悪くなるという程度の症状ですみます。しかし、ひどい場合は他の作業をするのが困難になったり、症状が数日続いてしまう場合があります。VR体験に「VR酔い」になってしまったら、無理をせず一度休憩をとりましょう。
 
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はっきりとした原因は特定されていませんが、「VR酔い」の原因は自律神経の異常現象という説が有力視されています。VR体験では視界をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で覆うことで体験者をVRの世界に没入させます。体験者の見る世界では景色が動きますが、体験者自身が動いているわけではないので、操作のための動作を除いて体は停止しています。
 
これにより「見ている景色」からの情報と「他の部分で実感」することによる情報の間に矛盾が生じます。この矛盾により自律神経が異常現象を起こし、「VR酔い」になってしまいます。
 
ちなみに「VR酔い」になりやすいのは「三半規管」が弱い人とされています。個人差はありますが、三半規管が弱いためにもともと乗り物に酔いやすい人は注意が必要です。
 

VR酔いを軽減する方法

厄介な「VR酔い」ですが、きちんと対策をすれば症状を軽減したり、予防したりすることができます。ここからは、「VR酔い」を軽減する方法をご紹介していきます。
 

VR体験の前にコンディションをチェック

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VR体験を始める前に、以下のことを確認しましょう。
 

・肩こりなど血行不良はないか
・耳の不調はないか
・疲れがたまっていないか

 
体の不調から三半規管がうまく機能せず「VR酔い」を引き起こすことがあります。例えば、肩こりなどの要因で血行が悪くなると、三半規管へ流れる血液の量が少なくなり、「VR酔い」になりやすくなります。
 
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(画像引用元:志木クラニオ・カイロプラスティック整体院
 
また、耳の感染症にかかっていたり疲労がある時は、VR体験を控えることをおすすめします。実は内耳は三半規管の前庭に繋がっていて、耳のコンディションによる影響を受けやすいです。重い病気でなくても、風邪などにより影響を受ける場合もあります。
 
他にも、疲れにより「VR酔い」を引き起こすこともあるので、体調がすぐれない時は無理をせず、万全の体調でVR体験をするとよいでしょう。
 

選ぶコンテンツ

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「VR酔い」を起こしやすい人がいるように、「VR酔い」を起こしやすいコンテンツがあります。特にVR体験の初心者である方は、下のポイントをチェックして酔いを起こしにくいコンテンツから試してみてください。
 

・プレイヤーの移動が少ないもの
・三人称視点であるもの
・凝ったカメラワークがないもの

 
プレイヤー自身が移動するものや回転するものは、「VR酔い」を引き起こしやすいです。まずは静止画コンテンツなどから試してみることをおすすめします。
 
また、最初から長時間のVR体験をしようとしないことも大切です。いきなり数時間も体験を行おうとせず、まずは様子を見ながら数分程度の体験をしてみましょう。使用する機器を正しくセットし、VR体験中に体に余計な負荷がかからないようにすることも大切です。
 

体験中の注意点

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VR体験を始めたら、以下のことに注意しながらVRの世界を楽しみましょう。
 

・座ってVR体験をする
・頭を激しく動かさなず、ゆっくり動かす
・映像になるべく焦点を合わせる
・視点が揺れる場面では、まばたきをして視界を遮断する
・処理落ちなどのパフォーマンス問題が起きたら中断する

 
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「VR酔い」の予防で大切なのは体験と体感をなるべく一致させることです。「安定感」を保つため、座った状態でVR体験をするとよいでしょう。
 
また、視点を変える時は頭を激しく動かして見回さず、ゆっくりと視点を変えるとよいです。VR体験では「トラッキング」という機能で体験者の動きを感知し、体験者の見ている映像に反映させます。しかし、動きを映像に伝達する際に多少の遅れが生じます。動きが激しくなるほど遅延を感じやすく、体験と体感の不一致に拍車をかけてしまいます。
 
映像に焦点が合っている状態を意識して保つと、「VR酔い」のリスクが軽減します。体験中、視点が揺れる場面ではまばたきをしたり目を閉じて一度鹿を遮断することも予防になります。
 
加えてコンテンツの誤作動や、映像が正常に移り変わらないフレーム落ちも「VR酔い」に関連があるといわれています。コンテンツがスムーズに動かない場合は体験を中断しましょう。
 

「VR酔い」になってしまったら

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ここまで解説した内容を実践しても「VR酔い」になってしまった場合は、以下のようにするとよいです。
 

・気分が悪くなったらすぐに体験を中断する
・目を閉じて横になる
・市販の酔い止め薬で対処できる場合がある

 
不調を感じたら、すぐにVR体験を中断しましょう。「VR酔い」になった状態でVR体験を続けても体は回復しません。むしろ、長く続ければそれだけ症状は悪化し、ひどい時はその症状に数日間悩まされることもあります。無理をせず、体調が万全になってからVR体験を楽しみましょう。
 
VR体験を中断した後は、映像や光が目に入らないように目を閉じて横になりましょう。どうしても辛い場合は、抗ヒスタミン作用のある市販の酔い止め薬で症状を抑えることもできるそうです。もちろん薬なので手軽に摂取することは禁物です。個人差があり、体質的に合わない方もいると思いますので、常用は避けて慎重に扱う必要があります。
 
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まとめ

いかがでしたか。今回は「VR酔い」の原因と対策をまとめました。症状をまとめてみるとVR体験をすることが危険であるように思えてしまいますが、最初に述べたように「VR酔い」は徐々に慣れることができます。VRは素晴らしい体験を私たちに与えてくれます。「VR酔い」を懸念してVRから離れてしまうのではなく、正しい対処法を実践して、VRの世界を存分に楽しんでください。
 

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