【STORY × アストロテック】「絶え間ない挑戦で培った技術でVR/ARの”作りたい”を叶える」

筆者: 編集部

株式会社アストロテックは2005年5月に設立された会社で、システム開発やコンサルティングの他、ゲームやインタラクティブコンテンツの企画から運営、3Dモデリング/2Dグラフィックスの製作から運営までをおこなっています。今回は、開発者側から見るVR/ARの課題や今後について、またアストロテック社の展望をアストロテック社の代表取締役である鴨林広軌様にお話を伺ってきました。

ーーまず御社の事業内容についてお聞かせいただけますか?

アストロテック鴨林様(以下鴨林):
弊社ではゲーム、VR/AR、ハードウェアにおいて、要素技術を用いて開発や企画、運営などをおこなっています。設立当初はVR/ARに意識して取り組んでいたわけではないのですが、「サイクルストリート」を手がけたことでVR/ARの分野に可能性を感じ、それらに関連した技術を強みとして展開していくことを決めました。その後、大手印刷会社様や大手広告代理店様から案件をいただきました。

現在はゲーム、VR/AR、ハードウェアの三本を柱に、幅広く事業を展開しています。最近のVR/AR分野の案件では、医療系やスポーツ系のものを手がけました。医療系の案件に関しては、大きなイベントに出展させていただきました。

現在受注している開発は緊急開発的な要素が多く、技術蓄積度がとても高いので、受注することで蓄積されていく技術を用いて自社開発もおこなっています。

ーー「サイクルストリート」について詳しくお聞かせいただけますか?

鴨林:
「サイクルストリート」は自転車のセンサーでこいだ距離によって周りの映像が変わっていっていく対戦型バーチャルサイクリングシステムです。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使用するのですが、Oculus社の「DK1」が販売される頃にはすでに稼働していました。Oculus社の「DK1」に対応していて、なおかつリアルタイムに対戦ができるシステムは当時ほとんどありませんでした。

大手広告代理店様の案件は「サイクルストリート」を評価していただき得た案件です。こちらの案件では360度動画の中でキックボクシングをするコンテンツを開発しました。このコンテンツはKinect(マイクロソフトから発売されたジェスチャー・音声認識によって操作ができるデバイス)とVR、つまりOculusとPCだけでゲーム感覚でスポーツ、エクササイズができることを強みとして開発しています。

ーーお客様やお問い合わせの傾向を教えていただけますか?

鴨林:
現在はVR/AR事業を展開していこうとお考えの会社様からのお問い合わせが多いです。大手印刷会社様のように以前からVR/ARを活用している会社様もいますし、逆にVR/AR技術は未開拓だけれども新しい技術を積極的に取り入れていこうという会社様からもお問い合わせやお仕事をいただきます。他にはBtoBでVR事業を展開していこうとお考えの商社様にお声がけいただき、新しい商材を開発しています。

現在のVR業界を見ているとHMDもあまり普及していませんし、億単位でオーダーのあるスマートフォンと比べるとVR分野はマーケットが完成していません。よってVR分野はBtoCで展開できる段階にないと思います。なのでまずはBtoBで手堅く事業を展開し、その中でノウハウをためる時期にあるのではないかと考えています。

ーー御社の強みを教えていただけますか?

鴨林:
弊社ではアジャイル開発のスタイルをとることによって、お客様によい効果をもたらすことができます。

BtoBの案件では、既存のSIer様((業務用コンピュータや、LANなどのコンピュータ・ネットワークを導入する際、必要な作業を一括して請け負う業者や企業)が大きい会社様が多いので、お客様が求める以上の品質の物を作成し、お見積もりが高くなってしまう傾向にあります。そういったお客様の求めるシステムでは仕様がきっちりしているものでなければならないようなのですが、仕様を突き詰めた結果、金額が上がってしまうのです。そういった案件でも弊社はアジャイルスタイルでお客様の要件を聞きながら、それをまとめてサンプルを作ることができます。VR/ARにあまり触れたことのないお客様は多いので、要件定義からコンサル面もおこないつつサンプルを作ることで、お客様が本当に欲しいシステムが明確になり、結果としてお値段も安くなる傾向にあるという感触を得ています。

また、できあがったものをお客様に見ていただいて、お客様の考えていたものと少し違ってしまうこともあるのですが、そういった場合も方向転換をして即座に対応することができるのも弊社の強みだと思います。

ーーお客様との目線を合わせるために御社がおこなっていることをお聞かせいただけますか?

鴨林:
デモを用意するようにしています。やはり実際に見ていただくのが一番ですので。企画内容を教えていただいたら、ざっくりとした見本をこちらで用意するようにしています。VRの動画を見ていただくことも多いですが、やはり動画を見ていただくだけではVRは伝わらない事が多く、やはり実際に操作してもらうのが一番早く理解を得られると感じております。

ーー今後、ビジネスを展開する上で挑戦してみたい業種はありますか?

鴨林:
現在、スポーツ関連のシステムを一つ開発しているのですが、ゆくゆくはこのシステムを自社製品として積極的に打ち出していこうと考えています。こちらは先ほどお話ししたフィットネスボクシングとは少し違い、実際のスポーツや体を動かすこと全般に役立てるようなシステムなのですが、プラットフォーム化も念頭に入れて取り組んでいます。

ーー今後、VR/ARはどのように発展していくと思われますか?

鴨林:
ARに関しては、HoloLensがもっと小さく軽くなっていくと思います。そしてHoloLensのようなデバイスを装着しているのが普通という流れになれば、ARのブレイクスルーが近くなるのではないかと考えています。HoloLensで動画視聴と、メッセンジャーの音声入力ができればそれだけでも十分な機能があると言えます。こういった機能を備えたヒーロープロダクトが一つでも出てくれば、すぐに波及するでしょう。ただ、この場合インプットの不便さが課題になってくると思います。動画視聴とメッセンジャーに用途を絞り、音声入力でカジュアルにインプットできるようになればとても便利だと思いますが、音声入力は選択肢が視覚に現れてこないので、なにかを呼び出す際に必要となる音声的なコマンドを覚える必要があります。ホログラムで表示するのが最も適切な方法だと思うのですが、そうなった時AR技術が活用できると思っています。ARと音声入力は、かなり親和性があると考えています。

VRに関しては、HMDを使用する際に「PCに繋がなければならない」「HMDを装着しなければならない」という手間がある以上、なかなか普及していかないのではないかと思います。

VRもARも、デバイスが小さく軽量なスタンドアローンになること、そしてデバイスにとどまらず最適化されたOSといった部分に至るまでの環境が整えられ、開発者が開発しやすい環境になって初めてブレイクスルーは起きると思います。今はハイエンドなものはPCが必要となりますが、それでは普及は厳しいです。小型化して単体で動き、専用のOSなどがいろいろ準備されている状態になることが重要だと思います。

ーー最後に御社の今後の展望をお聞かせいただけますか?

鴨林:
基本的には、受託を大きくしていこうと考えています。BtoBで需要のある会社として大きくなり、同時に受託で開発したもので技術力をためながら、その高い技術力を活用して面白いものを開発し、打ち出していきたいです。こちらに関しては既に実行に移していて、さまざまな開発を手がけている段階です。とはいえ、現在開発しているものはほとんどがアプリケーションで、VR/ARはあまり開発をおこなっていません。ただ最近、「こういうのあったら販売します」といった商社様などからのお声掛けも多くなってきて、BtoBtoCも視野に入れているので、そうした方面にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。

弊社は、導入したいシステムに関してざっくりしたご相談にも乗ることができ、VR/ARの中で幅広く対応できますので、技術力の高い低いに関係なくご相談いただき、VR/ARに興味のある会社の方と一緒に業界を盛り上げていきたいと思います。

ー鴨林様、貴重なお話を誠にありがとうございましたー

株式会社アストロテック
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-17-12
小松ビル4F

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