【STORY × アバン】「VR黎明期、CGプロダクションが手がけるVRコンテンツとは」

筆者: 編集部

株式会社アバンは「3Dキャラクター」「背景モデリング」「モーション」などのCGプロダクトをクライアントのニーズに応えて制作している企業です。数多くのゲームや映画へのコンテンツ提供実績があり、近年ではVRでの制作も行っています。今回はVRへの取り組みについてアバン高畠宏尚様(写真右)と嶺井孝仁様(写真左)にお話を伺いました。

━━御社が行われているVRへの取り組みについてお聞かせください。

アバン高畠宏尚様(以下高畠):
CGプロダクションである弊社のVRへの取り組みは、2015年に開催された「プロダクションEXPO」にVRコンテンツを3つ展示したことが始まりです。その後、不動産関連の案件で、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して見て回れるモデルルームコンテンツなどを制作しています。

VRの案件は常にあるわけではないので、事業部はまだ設立していません。制作のスケジュールなどを見て、案件次第でその都度チームを構築しています。

アバン嶺井孝仁様(以下嶺井):
また弊社はCGプロダクションをベースにしておりますので、そのノウハウを活かしてCGで3Dのオブジェクトを作り、それをVRに活用するということが可能です。

━━VRに取り組み始めたきっかけは何だったのでしょうか?

高畠:
2014年に開催された東京ゲームショウに行ったことがきっかけです。VRの出展が多く、VRの可能性を感じることができました。弊社はCGプロダクションという事業内容としてもVRへの参入に障壁がないと判断し、やってみようということになりました。

そして先ほど申し上げたように2015年の7月に「プロダクションEXPO」へ初めてのVRコンテンツを展示しました。


「プロダクションEXPO」へ展示したVRコンテンツ

それ以降、弊社がVR制作をしているという認知度が上がり、弊社と昔からお取引のあるクライアントなどの各所よりVRに関するお問い合わせをいただけるようになりました。

━━お問い合わせはどのようなものが多いですか?

高畠:
CGに関するお問い合わせはもちろんですが、先ほど申し上げた不動産のVRコンテンツのように、実写で実用的なものに関するお問い合わせが増えてきていますね。我々がVRに参入した2015年当初はエンタメ系のVRが盛り上がっていましたが、やはりエンタメ系のコンテンツはクライアントが思われている以上にコストがかかります。2016年の後半頃と比べると、どちらかというと実用的なコンテンツが徐々に増えてきている感覚です。VRとしての間口が広がって、一般化しつつあるのではないでしょうか。

クライアントがゲーム関連会社であれば、比較的VRに詳しいのでコンテンツの内容まで具体的に提示してもらえます。しかしそれが一般の企業ですと、VRにあまり詳しくないために企画の大枠しか決まっていないこともあります。そうした方への説明はなかなか難しいですね。

嶺井:
コストが想定と違うということも多くありますね。ふとおっしゃられた要望が、制作側としては意外にコストのかかる作業であったりというギャップも起こりがちです。クライアントが想定する予算と実際にかかるコストが1桁違うということもあります。そのギャップを埋めるためにも説明はしっかり行いますね。

━━VRについて詳しくない方への説明はどのようにされているのですか?

高畠:
まずはVRについての説明から始めることもあります。実写とCGの違いや、Webで見るVRとHMDで見るVRの違いなどを1つずつ説明します。それぞれどういった時に使うのがふさわしいのか、どういったことができるのかをお教えするつもりで話します。

嶺井:
その上で、クライアントのやりたいことを引き出して、それを実現させるためにどうするのかを話し合っていくイメージですね。

━━この先どういったVRコンテンツを制作してみたいとお考えですか?

高畠:
弊社のノウハウを活かせるという意味でも、エンタメ系のコンテンツを制作してみたいですね。ゲームコンテンツの企業さんから何かお話をいただければぜひやりたいです。

嶺井:
それからもちろん、実用的なコンテンツも作りたいと考えています。短い期間で制作できるものを想定しており、先だって制作した不動産のコンテンツのようなものが制作したいです。

━━なるほど。今後VRはどう発展していくと思われますか?

高畠:
今のVRの市場は、VRをどの目的でどう使うかがまだ未知数である部分が多く、まさしく黎明期だと考えています。これから様々な人が参入してきて、ハードや通信規格の進歩に伴ってできることがどんどん増えていくことでしょう。その時にVRは産業として出来上がっていくと思います。

またVR事業を行っている企業にはそれぞれ得意分野がありますが、今は明確に分化していません。そのためクライアントからすれば、どこの企業にVRの相談をすればわからないという課題もあると思っています。これも解決するために新たな構造が生まれる必要があると考えています。

━━ありがとうございます。最後に、今後VR業界で挑戦したいことをお聞かせください。

高畠:
VRコンテンツの制作でプログラムの部分は外注していますので、ここも自社でまかなえるようになることが今後の展望ですね。いずれは企画から始めてコンテンツの全てを制作できるようになることを理想として持っています。

それからVR事業を1つの永続的な柱として立ち上げたいと思っていて、常時VRの仕事がある状態にしていきたいです。そのためにVRの企画・提案ができるようにし、エンタメ施設へ納品するためのものから、プロモーション用のものまで幅広く制作できるようにしたいと考えています。

ー高畠様、嶺井様、貴重なお話を誠にありがとうございましたー

株式会社アバン
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-9-12 日新西北ビル 2F

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