【2018年こだわりオフィス ✕ メグラス】「よいめぐりを世の中へ、起点となるのは社員の幸せ」

筆者: 編集部

今回のこだわりオフィス特集は、名古屋発のソーシャルベンチャー「株式会社メグラス」です。介護業界において新進気鋭のベンチャー企業メグラス様の組織づくりへのこだわりを、経営企画室室長 羽田孝様に伺ってきました。オフィス内装の360度VR写真とともにご紹介いたします。

ーーまずは御社の事業内容についてお聞かせください。

経営企画室室長 羽田様(以下羽田):
株式会社メグラスは、設立7年目のソーシャルベンチャー企業です。現在は、愛知県を中心に老人ホーム、グループホーム、保育園の運営を行なっております。平均年齢が30代前半と、同業界では珍しく非常に若いスタッフにより施設を運営しているのが特徴です。

──運営スタッフが若いことによって、どのような効果が得られるのでしょうか?

羽田:
介護業界では子育ての終わった主婦の方などが中心になるケースが多いため、平均年齢は40代以上になることが一般的です。弊社は、若さだけに採用の比重を置いている訳ではないのですが、企業理念への共感を最大の指標として採用を行なっていった結果、非常に若い年齢層のスタッフが集まりました。

若いことの一番の武器は、新しいモノに対する抵抗感のなさや、挑戦心の高さだと考えています。介護のように人が手を動かして価値を提供する事業は、テクノロジーの恩恵を最も受けるはずなのですが、まだこの業界のIT化は十分に進んでいません。弊社はテクノロジーも積極的に導入しているのですが、それができている要因の一つは若さからくるスタッフの変化適応性と挑戦心だと思います。

──なるほど。具体的に、テクノロジーを活用した事例をご紹介いただけますか?

羽田:
例えば、IoTを活用した事例として「見守りシステム」というものがあります。こちらは、被介護者の緊急事態をセンサーが感知して知らせてくれる仕組みです。これまでは深夜帯にスタッフが巡回することで、こういった緊急事態に備えていたのですが、これは入居者様の睡眠妨害にも繋がりますし、もちろんスタッフの負担にもなります。見守りシステムを導入することによって、こういった無駄を軽減し、より質の高いサービスの提供が可能になりました。

ただ、こういった取り組みが全て成功している訳ではなく失敗に終わったものも多くあります。過去には、腰痛防止のマッスルスーツをスタッフが着用して、重いものを簡単に持ち上げるように試みたのですが、活用の複雑さなどの理由から、すぐに撤退しました。

──先ほど、業界ではテクノロジーへの取り組みはまだ数が少ないとおっしゃっておりましたが、御社がそういった取り組みを進めている背景はなんなのでしょうか?

羽田:
シンプルに、その方が弊社の掲げる理念に近づくからです。そのための道筋は全て手段にしかすぎないというのが意思決定の前提にはあって、前例のないような取り組みであってもそれが合理的かどうかだけを見ています。

仮に失敗したとしても、糧になって前に進めるのであればそれは必要な失敗です。何もせずに今を受け入れ続けることこそが衰退だと考えているため、私たちは常に挑戦をし続けています。

──そういった土台を作っている御社の経営理念について詳しくお聞かせいただけますか?

羽田:
「よいめぐりを世の中へ」という標語が弊社の掲げるミッションです。現在の日本に漂う閉塞感や未来への不安の原因の一つは、社会の高齢化だと考えています。なぜかというと、高齢者の生活が幸せに見えないことや、介護を受けることへマイナスなイメージが若者の希望を少なからず奪っているからです。

弊社は、老いること、介護を受けることのイメージを変えたいと考えています。高齢になっても、誰かの手を借りても、これまでにないような人生の楽しみを提供していきたい。そんな思いが私たちの作る事業には込められています。

サービスを提供する社員を何よりも幸せして、それを目の前のお客様に、そして社会に波及する「よいめぐり」とすることが弊社のミッションです。

──非常に心を動かされる言葉ですね。一つ質問なのですが、そのミッションの中で保育園の運営を行なっている理由はなんなのでしょうか?

羽田:
それも先ほどの話に通じるのですが、実は保育園事業は社員のために行なっています。よいめぐりの起点となる社員の幸せを考えた時に、子育て問題は今後大きなネックになってくると考えて保育園を始めました。今でこそ働き方改革が叫ばれていますが、弊社では創業当初から常に、社員がどうすれば働きやすくなるかに着目しています。

お母さんであることが働けない理由にならないように、社員が安心して子供を預けることのできる場所を作っています。

──とても興味深いお話です。組織戦略に非常に注力されているようですが、オフィス設計にも、こだわりが隠されているのでしょうか?

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羽田:
オフィスは2017年の5月に改築いたしましたが、この時のコンセプトは、事業拡大に伴って発生したオフィス環境の歪みを正すことでした。以前は、社員数の増加によって執務室が複数に分かれていたのですが、現在はワンフロアに集約させています。ワークスペースが分かれることによって発生するコミュニケーションエラーやセクショナリズムをなくすことが狙いでした。

オフィス改築に合わせて、フリーアドレスのデスクも用意することでコミュニケーションの活性化にも取り組みました。弊社では、年に2回従業員満足度調査を行なっているのですが、前回の測定では過去最高値をマークしました。もちろんオフィスだけの単一要因ではありませんが、十分に効果はあったと判断しています。

──今までのお話から、御社の経営スタイルが業界内でとてもユニークなものだと感じるのですが、何か見本にされているものはあるのでしょうか?

羽田:
組織作りにはGoogleやYahooなどのITベンチャーのような合理的なシステムを、経営の幹となる部分はトヨタや京セラなどの長く続く大企業の思想を参考にしています。

ミッションを達成するためには、吸収できるものは全て吸収してすぐに実践するというのが弊社のスタイルです。その点では、弊社だけで為せるものには限界があるので、ノウハウについて一切隠さず他社へも公開しています。それによって業界全体が底上げされて、よいめぐりに繋がってくれればと考えています。

──ありがとうございます。最後に、今後に向けてどのような人材をお求めになっているか教えていただけますか?

羽田:
今までお話したように、私たちにとっては理念に沿うかどうかが全てです。理念に共感してくださることはもちろん、理念を達成するための、変化適応性、挑戦心も大事にしています。象徴的な取り組みとして、弊社では人事異動願いを100%受け入れるようにしているのですが、実際にも介護スタッフとして入社して現在はデザイナーや広報を兼務しているスタッフもいます。組織の描く理想に共感し、その中での自分を位置付けられる強い心を持った方であれば、いつでも歓迎いたします。

──本日は、貴重なお話をありがとうございました。

株式会社メグラス
〒461-0004 愛知県名古屋市東区葵3-14-3

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