【こだわりオフィス2018 × 渦潮電機】 「夢を見せる工場と、変えないものを守り続ける文化」

筆者: 編集部

今回のこだわりオフィス特集は、船舶の総合電機メーカー「渦潮電機株式会社」です。愛媛県の今治を拠点とし、おおよそ70年にわたり発展を続けて来た渦潮電機株式会社様の組織づくりへのこだわりを、代表取締役社長の小田雅人様に伺って来ました。オフィス内装の360度VR写真とともにご紹介いたします。

──まず、御社の事業内容についてお聞かせいただけますか?

代表取締役社長 小田雅人様(以下 小田):
弊社は総合電機メーカーとして、海洋プラント、産業プラント、EV(電気自動車)という三軸で事業を展開しています。電機というテクノロジーを活用した新しいものを創造することが、私たちの事業領域です。

現在では、渦潮電機単体で1000名、グループ全体で1600名規模の組織に発展しました。

──約半世紀以上に渡り御社が発展してきた大きな要因は何なのでしょうか?

小田:
私たちの事業のルーツは、海洋プラント事業にあります。かつて海上輸送において瀬戸内海は重要な役割を占めていました。今治市で創業したことで地位的な優位性があったことは間違いありません。そして、世界の人口が増え続けている中で物流が増えて行くことは自明であったため、海外にも事業を展開していきました。

また海だけにこだわらず、技術力を軸として陸を舞台に広げたことも大きな要因です。おかげさまで、グループ売上は、私が入社した20年前と比較して4倍ほどに拡大しています。

──売上とともに組織規模も拡大中だと思うのですが、組織づくりにおいて大事にされていることは何なのでしょうか?

小田:
理念(BEMAC信条)の中に、「小さな会社であり続けよ」という言葉があります。事業や組織は当然大きくしていく必要がありますが、その発展の中で会社として抜け落ちてしまうものもあります。

規模が膨らんでも、会社として変えないものを守り続けて行くという姿勢を大事にしています。例えば、礼儀と規律を重んじる姿勢は今治という地域に根付く我々にとって、とても大事な文化です。様々なステークホルダーに弊社と付き合いたいと言っていただけるようにあり続けるために、そういった文化は今後も大切にしていきたいです。

物事が正しいか正しくないか以上に、出来る限り続けるということが重要だと考えています。弊社では給与、賞与を従業員に手渡ししているのですが、これも創業時から続けていることです。手渡しすることによって、経営陣は会社の家長たるべき者としての尊厳を保つよう努力し続けますし、従業員からしても働いた分の成果を目で確認できる機会になります。大きくなるにつれ難しい部分もありますし、事実として経理はとても苦労していますが、それが良いことなのであれば出来る限り続けていきたいと思っています。

──とても温かみあるこだわりだと思うのですが、そういった取り組みは他にもあるのでしょうか?

小田:
他でいうと、お正月には全社員の子供に、高校を卒業するまで会社からお年玉を渡しています。正社員だけでなくパートも含め、全社員の誕生日には関連会社で作ったケーキを届けたりもします。社員旅行も全ての部署で年に一度は出来るだけ行うようにしていますし、一昨年は弊社の70周年ということもあり、全社員800名規模で沖縄へ旅行に行きました。旅行やイベントは形骸化することも多いですが、弊社の場合は文化としてきちんと根付いており、自発的に社員の中で行われています。

能力以上に、どれだけ高い次元でモチベーションを保てるかが会社にとっての力になると考えています。そのためにあらゆることをするのが社長を務める私の重要な役割です。給与が上がる、賞与をもらえる、表彰されるなどももちろんモチベーションに繋がりますが、一気に上がったり下がったりとむらが出るものでもあります。一番大事にしているのは、やりたい仕事で成果を出すことや、それを生きがいに繋げていくことによってもたらされる内的報酬です。そこに魅力を感じた社員が集まって、会社の雰囲気をさらによくして行くような組織づくりを意識しています。

私が経営において大事にしているのは、人対人の関係性です。人は、正しいからといって動けるわけではありません。誰にどんな言葉をどのような状況でかけられたかは感情を動かす上で大事なことです。経営をする上で物事は複雑になっていきますが、人対人のコミュニケーションであることは変わりません。一人一人を尊重し、会社の方向に対して自らが進みたいと思ってもらえるようにしたいという思いが私の経営の根幹にはあります。

──そんな中、2010年には「みらい工場」を新設されているとおもいますが、工場設計にはどのようなこだわりが隠されているのでしょうか?

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小田:
みらい工場の建設には、とても大きな思い入れがあります。この工場は、「地域の子供や働く従業員が夢を見れる建築物にしよう」というコンセプトから生まれました。地域の子供達が指をさして「あそこで働きたい」と言い、働く社員はそれを誇りに思える、そんな空間を目指しました。

外観には、「未来の船舶をイメージ」した形状を取り入れているため、一見とても奇抜なデザインを担っています。また、社訓の精神でもある「和」を大切にできる空間をつくるために、工場一階のスペースの上に事務所を配置するなど、合理的で一体感を感じさせる構成・レイアウトとなっております。弊社は、現場で働く従業員が多いので、工場と事務を組織としてどう一体化させるかはとても重要な論点でした。

この工場を設立してからは学校関係の見学がとても増えたため、オープンキッチンのような感覚で、従業員も常に仕事を見られながら良い緊張感を持って仕事に取り組めています。
 

──今後この工場や組織の中で一緒に働くメンバーとして、どのような人物を従業員として迎えたいでしょうか?

小田:
一つに、失敗を大切にできる人です。弊社ではいつも、やって失敗するよりも、やらない損失を重視するように心がけています。メリットとデメリットを比較して、メリットが少しでも大きいならやる。失敗しても何がダメだったかを検証して次に活かすという姿勢が会社を前に進めてきました。やらない理由を探してしまうような人は弊社では働きにくいかもしれません。

もう一つの観点としては、協力して物事を前に進める姿勢が必要です。先ほどもあげたように、弊社には社訓として和の精神というものがあります。一人ではできないから、私たちは会社として力を合わせ、大きなことを為そうとします。それは多くの会社にとって目指すべき姿として同じものだと思いますが、弊社ではそれを人一倍強く意識しています。そのため、協力していくことによって自分以上の力を出そうとする人を弊社は求めています。

──最後に、今後の御社の展望をお聞かせください。

小田:
弊社は、技術・製品・サービスを総称する「BEMAC」というコーポレイトブランドを有しています。このブランドはBEam(光)、Metrical(調律)、Alternative(新しい主流)、Creation(創造)の頭文字を取ったもので、光を使った新しいものを作り出すという意味が込められています。

元々は海外に事業を展開する上で、渦潮という社名が浸透しにくかったことを背景としていますが、こういった大枠で事業を表すことによって、自分たちがやるべきことを制限しなくなるというメリットも生まれました。EV事業も、このブランドがなければ生まれ得なかったものです。この方向性に対して真っ直ぐに協力し合いながら、海を超えて、陸や宇宙にも惜しみなく技術を展開して行きたいと思います。

──本日は、貴重なお話をありがとうございました。

渦潮電機株式会社
〒794-8582 愛媛県今治市野間甲105番地

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