【2018年こだわりオフィス×TABI LABO】「常に未完成であることが、次の新しいビジネスへつながる」
今回のこだわりオフィス特集は、世界中で起こっている新しいカルチャーやライフスタイルを伝えるスマートフォンメディア「TABI LABO」を運営する「株式会社TABI LABO」です。今年、5期目に入り、社員も100名を超えてきた中で、創業当初から変わらぬ「キッチンで食事を作ってスタッフみんなで食べる」といったコーポレートカルチャーを大切にしつつ、変化し続けることへ挑戦するTABI LABO様のオフィスづくりへのこだわりを、代表取締役の久志尚太郎様、アートディレクターの白鳥秋子様に伺ってきました。オフィス内装の360度VR写真とともにご紹介いたします。
──まず、御社の事業内容と、事業を支えるメンバーについてどのような方たちがいらっしゃるか、お聞かせください。
写真左から久志尚太郎様、白鳥秋子様、インタビュアー永田
代表取締役 久志尚太郎様(以下、久志):
弊社は、ミレニアル世代にムーブメントを作る会社です。スマートフォンに特化したメディア「TABI LABO」を運営していまして、世界中の最先端のカルチャーやムーブメントを日本のミレニアル世代に向けて紹介しています。現在、約100名のスタッフがいるのですが、縦割り組織とクラブ活動的な横軸のチームを形成して業務に携わっています。
業務上の組織としては、メディア、ブランドスタジオ、経営企画、バックオフィス、システムの5つの部署になります。そして、弊社が大事にしていることなのですが、経営陣からメンバーへ指示を降ろすのではなく、チームで色々な視点で話し合って決めていけるように、カルチャーグロースチーム、フードハックチームなどを作って各取り組みをするようにしています。
──そんな中、今回のオフィス移転は、どのような機能を担っていますでしょうか。
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キッチンが併設されたカフェスペース
久志:
これまでは一軒家をオフィスとして使っていましたが、今回、初めてオフィスを借りました。キッチン、カフェと事務所を併設できるところを探していたのですが、3つを併設できる場所がここしかなかったというのはあります。ただ、池尻大橋という場所を選んだのには理由があって、渋谷、中目黒、三軒茶屋という独自のカルチャーを持ったエリアに囲まれた場所だけど、どこにも属しておらず、ここから新しいカルチャーを一緒に作っていけるような場所だと思った為、選びました。
──キッチン、カフェ、事務所を併設したことで、社内で何か良い効果は出てきていますか?
久志:
2階をカフェとして運営していますが、一般の方たちも来ていただけるようになっていて、とても良い効果があると思っています。それは、スタッフの気分が変わるだけではなく、色々な価値観がミックスされることで、新しいアイデアが活性化することです。家でいうと「縁側」のような場所の位置づけです。縁側ってちょっと曖昧な場所だと思っていて、曖昧な場所だからこそ面白いアイデアが出て来るんじゃないかなと考えています。
アートディレクター 白鳥秋子様(以下、白鳥):
先日、たまたまインスタグラムを見ていて素敵なデザイナーさんだなと思っていたら、インスタグラムの中の1枚が、弊社のカフェで撮影されたものでした。とてもシンパシーを感じて、コンタクトを取らせてもらって仕事をご一緒できることになりました。そういう予期せぬ出会いがきっかけで、そこから繋がるというのがあると思っています。
──カフェの空間設計でこだわった部分などありましたら教えてください。
久志:
サウンドデザイナーの方にお願いして、3Dサウンドをプロデュースしていただきました。ここでは、12台のスピーカーを設置しているですが、場所によって異なる音が出ているんです。また、時間帯によっても演出を変えていて、朝であれば鳥のさえずりが聞こえるようにして、音でリラックスできるようにデザインしていただきました。そして、このカフェは幾つかの異なる目的を持っていて、カフェとしての機能のほか、クライアントとの打ち合わせや、イベントをやる空間としても考えています
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3Dサウンドを支える音響システム
白鳥:
TABI LABOで紹介した日本国内では見ることができないものをこのカフェに置いて、見てもらえるようにしています。リアルとデジタルの融合を実現していくイメージです。
──カフェ作りに関して白鳥さんがメインで動かれているそうですが、具体的にどのような役割を担っているのでしょうか?
白鳥:
今回の移転に関して、デザイン事務所と協議をして一緒に決めていくところです。私自身がデザイナーなので、ショップのコンセプトやロゴなども作って実際に運営に関わっていますね。
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オフィスとは思えない洗練されたショップ
あと、カフェの役割としてこれから独立してカフェをやりたい人へ期間限定で貸し出す制度を採用しています。メニューや値段も決めてもらって運営していただけます。そう言ったリアルな運営体験を通してスムーズなカフェ開店につなげてもらえればと考えているんです。
実際に期間限定で独立してカフェをやりたい人に空間を貸し出している
──TABI LABOさんのオフィスといえば、キッチンが併設されているというのが定番だと思いますが、改めてキッチンを通して大切にしていること、そこから見えることは何でしょうか?。
久志:
キッチンで、社員みんなで昼食を作って食べるのは創業当初より大切にしているコミュニケーションの一つです。食事を作るのは当番制にしているのですが、食事を作るということを通してスタッフ同士の相互理解を深められること、人間関係における反射神経を養えるという効果があり、チームビルディングにつながっています。仕事上だけでは気づけないことに気づくことができるので、やっていてよかったなと思っています。
取材当日もスタッフの方が食事を作っていました
──移転を通して「オフィス空間」に仕掛けたことはありますか?
久志:
3階と4階は執務スペースにしていますが、今回の移転で仕掛けたテーマがあって、それは「未完成」というものです。これは、スペース自体を最初から作りすぎず、みんなでDIY的に作っていくという考え方です。作るプロセスを通して自分のものにしていくことをしようと思いました。
急激に人が増えて組織が大きくなってくる中で、コミュニケーション上の課題はどうしても出てきます。その課題を解決するためにも、みんなが「体験共有」できる場所やコンテンツを点在させておくことで、自然とコミュニケーションにつながっていくと考えています。
目の前のプロジェクトとは別のことで集えることで変化が生まれ、それがきっかけで新しいアイデアも生まれる。常に未完成であるからこそ、その変化に応じて自分たちの手で作り上げるための発想と知恵が出てくるわけです。カチっと決めすぎずに変化できる緩さを敢えて置いておくことも大事なことだなと考えています。
──新オフィスへの移転によって、今まで以上にコミュニケーションの場や機会も増えたと思いますが、メンバーの理想的な働き方や、またどのようなメンバーを求められているのでしょうか。
久志:
社会人のルールのようなものは70〜80%くらいクリアできていればそこは緩くて良いかなと考えています。それは、メールをちゃんと書けたり、ネクタイしたり、お辞儀の角度なんかです。でも、一番大事なものはアウトプットの中身で、何が提供できるのかの方が大事だと思っています。そこに本質的なものがあるんじゃないかなと。
弊社は、昼寝をすることや少々の遅刻など構わないと考えていて、そういうところではなくて、アウトプットにこだわって欲しいなと考えています。そう言ったことも踏まえて採用基準としては、「変化できる人」、「変われる人」というところになってきます。
──最後に、今後の展望をお聞かせください。
久志:
私自身、大きな方向性は持ちつつも、自分が見えているものは7、8割が間違っていると思うようにしています。なぜかというと、何か新しいものが来た時に柔軟に方向転換できるようにするためです。意識的にそうすることで、新しいチャレンジが広がり、アウトプットの幅が広がっていくだろうと考えています。そこからまた新しい人が入って、カルチャーの輪が広がってくれるのではないかと考えています。
──貴重なお話をありがとうございました。
株式会社TABI LABO
〒154-0001 東京都世田谷区池尻2丁目31−24 信田ビル2F/3F
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