「現実とは別の世界を作る」前原代表に聞く、トピアと歩むUNBEREALの展開

筆者:工藤 彩菜

アバターライブ配信アプリ「トピア」がリリースされ、期待が高まる株式会社アンビリアル。少数精鋭のメンバーで開発・運営されているトピアとこれから目指すVR業界での展望について、代表取締役の前原さんに、話を伺ってきました。

———以前VRのゲームを作られていたと思うのですが、そこから今回VTuberに特化した配信プラットフォームの事業に転換していった理由を教えていただけますか。

昨年の秋まではロケーションベースのVRコンテンツを作っていたのですが、施設に導入するために首都圏のVR施設を一通りリサーチしたところ、稼働率が思ったよりも低く、施設とコンテンツサイド双方の黒字になるような絵が描けなかったので、これは厳しいぞ……!と他の事業を模索していったのがきっかけですね。

———なるほど。方向性が具体的に決まったきっかけは何だったのでしょうか。

昨年の11月頃から模索していて、その頃からVRコンテンツで、受託ではなく自社サービスでマネタイズできる事業というのが当時見つからなくて、その要因を考えると、やはり“デバイスが追いついていない”という結論に至りました。

VR自体はやりたい領域なので、VRからは外さずに、かつ“たくさんの人に遊んでもらえる”ということを考えて、作っては壊し作っては壊し、というのを2回繰り返して3回目に方向性が決まり、それが3Dのアバターをスマホで簡単に作って動かしてライブ配信までできるアプリでした。

iPhoneXのアニ文字から着想を得ており、Appleの発表をニュースで読んだときはそこまで興奮しなかったですが、次の事業を模索している過程で改めてアプリを触ったときにものすごく可能性を感じたんですよね。アニ文字はアメリカらしいテイストのキャラで、用途がSMSのみに限定されていたので、日本風のテイストでライブ配信やコミュニケーションツールとして作ったら、より楽しめるのではないかと考えたことが、トピアの始まりです。

デバイスはとにかく多くの方に使ってもらえるようスマホ1択で考えて開発を進める中、その少し後の昨年12月頃にVTuberブームがきて「これだ!」と確信しました。それからロケーションベースのVRからは完全撤退してトピアの事業に注力しています。

———前原さんがVRに目覚めたきっかけは何だったのでしょうか?

VRに目覚めたきっかけは、ログ・ホライズンというラノベでしたね。VRMMOの世界を描いているのですが、現実とは異なるMMOの世界に入り込んでしまった人たちがその世界でゼロからコミュニティを作って生活していく過程がリアリティをもって描かれていて、すごく妄想が膨らみました(笑) こんな現実とは別の世界に入り込んでみたい、あわよくば自分で作ってみたいと考え、VR領域で事業をしようと決めました。

———「別世界を作る」と聞くと、壮大なスケールに感じますね。

そうですね、でもそれが現実的に実現可能な時代がもうすぐ来るなと。トピアはデバイスを持っている人が多いスマホから始めてはいるのですが、ちゃんとVRにも持っていけるような設計をしていて、ポリゴン数など仕様的にはVRで問題なく使えるアバターになっています。VRデバイスがもう少し普及するタイミングでVR対応をする予定です。

自分たちでVRのワールドを作って、配信者と視聴者が交流できたりとか、視聴者同士が交流できたりとか……、いずれは“視聴者”と“配信者”という垣根をなくして、VRチャットを超える世界をつくろうとしています。

———他社サービスとの差別化について聞かせてください。

機能としては近いサービスがここ数ヶ月で増え始めていますが、ターゲット層が大きく異なります。他のサービスは既存のVTuberとファンにフォーカスしたサービスが多く、有名なVTuberの配信が目玉だったりしますが、トピアはVTuberをまだ知らない方にも遊んでもらえるよう、誰でも手軽・気軽に、アバター作成から配信まで楽しめるサービスを目指しています。

現在何らかのサービスで顔出しせずに音声配信をしている層に向けて、今まで通り顔出しはしないまま、アバターとして視覚的にも楽しい配信ができることをアピールしていきたいですね。

———なるほど。その層を狙う理由というのはどこにあるのでしょう?

今のVTuberは、アイドルとファンのようなコミュニティの形が多いと感じるんですが、トピアの場合は配信者も視聴者も一般ユーザーで、対等におしゃべりするような、よりカジュアルなコミュニケーションツールの方向性を目指しています。寝る前におしゃべり相手を探すような、暇つぶしに近い感覚で楽しめるようにしたいです。誰もが主役のフラットな世界をつくりたいので、公式配信者等もあえてやらない方針ですね。

———そうなんですね。開発面で大変だった箇所というのはどの辺でしたか?

大きく分けると3つあります。ライブ配信機能、顔認識からアバターを動かす部分、アバターメイクの3つですね。例えばアバターメイクでは、等身も体型もかなり変えられるので、どんな体型にしても衣装が破綻しない仕様にしたり、髪型はアイテムごとに前髪横髪後髪それぞれの長さを調整できるようにするのが大変でした。

これまでのアバター着せ替えサービスと違うのは、自分自身がそのアバターになるということなので、従来のアバターサービスよりもさらに他人と被りたくないと思うはずで、それに応えるためにカスタマイズの幅がすごいことになりました。

———こだわりがすごいですね(笑)ちなみにこの開発というのは何名ほどでされたのでしょうか?

最初の3、4ヶ月は技術検証をし、その後半年ちょっとで作ったんですが、今では15人ほどいますね。ただ技術検証については、僕とエンジニアの高取の2人でしていたので、その後だんだん増えて、ようやくこの人数になりました。

———随分少人数で開発されていたんですね。……ちゃんと自宅帰れましたか?

そもそも皆自宅でのリモート作業が多いので、帰れていたというか自宅にはいますね(笑)ただ毎日ぐっすり寝られたかというと、そうでもないときもありますが(笑)

———今後の事業展開についてお聞かせください。

今後も、事業はトピアの開発・運営のみに絞ってやっていきます。今まで以上にトピアの開発スピードを上げたいですし、難易度の高いアップデートも考えているので、採用に関しては当面、即戦力採用で考えています。すごく優秀な学生もいるので、年齢やキャリアには気にせず採用していきたいです。

———そうなんですね。ちなみに今のメンバーはどのように集められたのでしょうか?

今役員として一緒にやっている高取については、僕がUnityの勉強をしようと通っていたオンラインスクールの講師でした。生徒が先生を口説いて参入してもらうっていう…(笑) 他のメンバーも、以前参加したVR系のセミナーの講師の方に紹介してもらった人もいます(笑)

———新しいですね。(笑)

自分でもびっくりですね(笑) インターンの学生メンバーも、VR系のイベントでコンテンツ体験に並んでいた時に話しかけたら意気投合したり。他には知人に声をかけたり紹介してもらったりしていましたが、探し尽くした感があるので、最近はWantedlyでも募集や記事を書いています。

https://www.wantedly.com/projects/241312

———ありがとうございます。では、リリースされた今、走りきった開発メンバーに、一言いただけますでしょうか?

そうですね、まずはみんなお疲れ様でしたと(笑)ただ、リリース後に大きなバグが噴出して、最低限のバグは修正してアップデートをしたんですが、まだまだバグが残っていたり、使いにくい部分がたくさんあるので、まだ休めませんね(笑)

———早く休めることを心よりお祈りしております……!(笑) 本日はありがとうございました。

 

「発展の余地がありつつ、既にニーズがあることから、この事業に決めた。」とも語ってくださった代表の前原さん。そして彼が率いるアンビリアルの皆さんで作られるVRの新しい世界。お話を聞けば聞くほどに、アンビリアル社とトピアの今後の展開が楽しみでなりません。

 

トピアリリース直後、代表の生の声:【UNBEREAL】アバターライブ配信アプリ、トピアにかける思い「現実でのポジションがリセットされる“別世界”」

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