遠いあの場所も、失われた風景も。VR復元される日本の景色 3選

筆者:工藤 彩菜

VR空間に広がるのは、なにも非現実的な世界だけではありません。仮想空間だからこそ、より忠実な現実世界の再現も可能です。今まで作られてきたVRコンテンツの中には、歴史的な建造物や風景の復元もされています。

今は失われた情景も、目の前に広がるVR。ここでは、日本の古き良き景色や、当時の技術を体験できるVRコンテンツをご紹介します。

江戸時代の賑わいをVRで体験 【江差の五月】



2017年4月、北海道で初めて日本遺産に認定された江差町の、江戸時代の街並みを再現するVRコンテンツ【江差の五月】が公開されました。

ニシン漁が盛んな港町として知られた江差町は、江戸時代には「江差の五月は江戸にもない」と歌われるほどの繁栄をみせ、その当時の街並みや、北前船が停泊していたかもめ島からの景色を楽しむことができます。前知識がない人でも、番頭と丁稚が解説してくれるため、当時の江差町へのタイムトリップに没頭することができるでしょう。

また、上空からの景色が見られたり、江差町との所縁が深い土方歳三との記念撮影が楽しめるなど、VRならではの楽しみ方も盛りだくさん!そんな充実した歴史体験が、スマホアプリ「ストリートミュージアムアプリ」で楽しめます。

当時のリアルな情景を楽しみながら体験するとともに、歴史理解を深めることができる「江差の五月」は、復元された日本古来の情景に興味がある方も、人やビルの波に疲れた現代人にもオススメのVRコンテンツです。

「ストリートミュージアム」
iOS
Android
(※iOS 9以降、Android OS 5.0以降に対応、一部機種では正常に作動しないことがあります)

石垣の古城「丸亀城」の今と昔をVRで体感



【よみがえる丸亀城 ~丸亀歴史体感アプリ~】では、現地に赴きスマホをかざすと、復元された当時の丸亀城を目にすることができます。スマホには忠実に再現された丸亀城のVR、目の前には今の丸亀城が見られ、時代を超えた丸亀城を同時に楽しむことが可能です。また、クイズやARを活用した記念撮影の機能もあり、楽しみながら知識を深めることができるアプリです。

同シリーズ「VR宇和島城 ~よみがえる伊達な城~」では、愛媛県宇和島市にある古城「宇和島城」が刻む歴史を体験することができます。また、お楽しみコンテンツとして、ARで出現する「伊達政宗」や、「幕末の四賢侯」として名を馳せる宇和島藩8代藩主「伊達宗城(むねなり)」と一緒に記念写真の撮影も可能です。

現地に足を運ぶ機会がある方は、このアプリを味方に楽しみながら、スマホの中に再現される歴史を学んでみてはいかがでしょうか。

「よみがえる丸亀城 ~丸亀歴史体感アプリ~」
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圧倒的な迫力とクオリティ VR戦艦大和

1941年竣工当時の戦艦「大和」を、当時の乗組員と同じ目線で楽しめる【VR戦艦大和】は、第一艦橋や主砲内部、烹炊所から始まり、司令部や艦長室、兵員区画、各種格納庫など、細部までリアルに復元されたVRコンテンツです。



順次行われていたアップデートでは、射撃訓練場や砲撃訓練のシーン、厠まで忠実に再現!

いまや過去の話になってしまった戦争の過酷な生活や、眼の前で繰り広げられるその日常、乗艦時ならではの迫力が体験できる【VR戦艦大和】は、もうリアルでは体験できない経験を、VRだからこそ実現させることができた夢のコンテンツといえるでしょう。



通信士として大和に配乗していた方の、体験風景も動画として残されています。当時の大和を知る方も、過去にタイムスリップして楽しめる当コンテンツは、当時の乗組員の雄姿はもちろん、巨大戦艦の迫力も楽しめる充実の体験型VRといえるでしょう。

「VR戦艦大和」
製品ページ:https://www.oculus.com/experiences/rift/1204941606197823/

便利な時代だからこそ再現される”不便さ”

IT化、グローバル化が進む現代、家の中にいながら世界中の情報が得られ、VRやARの普及で様々な体験ができるようになりました。最も注目されるのは、最先端の技術を用いられた幻想的なVR映像や、ゲーム性の高いVRアトラクションが多いでしょう。

しかし、VRだからこそ時代や地域を超えて、様々な文化の復元も可能です。この便利な時代だと、どこか忘れてしまいがちな「作り手の苦労」や、過ぎてきた時代に生きてきた人々の「生き様や文化」など、復元された風景やその中に生きるNPC、今では考えられないような不便さからも、得られるものも多くあるのではないでしょうか。

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