【UNBEREAL】アバターライブ配信アプリ、トピアにかける思い「現実でのポジションがリセットされる“別世界”」

筆者:工藤 彩菜

昨年のTGSでは、VRシューティングアトラクション“アーティファイト”を出展。VR業界で注目を集めたアンビリアルが、今年もまたVR界隈で注目を集めている。

アバターライブ配信アプリ「トピア」がリリースされたことがその要因だろう。「トピア」に込めた思いと、今後の展望について、株式会社アンビリアル 前原代表に話を聞いてきた。

———トピアという名前の由来を教えてください。

トピアの由来は、“ユートピア”や“ディストピア”といった、ギリシャ語のトポスが語源の、「場所」という意味からきています。現実とは別の場所、別の世界をつくりたいという思いから“トピア”というサービス名にしました。

———「現実とは別の場所、世界」について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

世界が一つだけだと、生きづらい人ってたくさんいると思うんです。例えば、現実の人間関係に縛られて、本当の自分が出せないとか、仮面をかぶって生きている人は多いと思っているんですけど。その“生きづらさ”というのは、もし複数の世界があれば、少しは和らぐのかなと思っていて……。

———VRで一番理想的な世界を作れる可能性があるということなのでしょうか。

そうですね。自分が単純にワクワクするということもあるのですが、現実で満足しきれていない人も満足できる余地が「VRの世界」にはあると考えています。

現実の世界は生まれた環境に縛られるじゃないですか。自分では選べないですよね。親も、住む場所も、自分の容姿も。現実は運ゲー要素が強すぎるので、それによって、その人は何も悪くないのに無理ゲーな環境に置かれてしまうこともあるかと思います。

でもトピアの世界では、そんな現実でのポジションがリセットされるんです。あるいは現実のヒエラルキーをまるごとひっくり返せます。新しい世界では、外見を自分で好きなように作り、どこへ行くか、誰と話せるかも自由に選択できる。現実にある理不尽さがありません。自分が行きたい世界に行き、接したい人と接することができれば、現実だけの場合に比べて楽しめる確率がかなり上がるはずです。トピアをそんな場所にしたいですね。

———なるほど。トピアが作る新しい世界は、多くの幸せのために生まれようとしているんですね。リリースされた今、感じている反響というのはありますか?

まずはバグの多い状態でリリースしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。リリース初日から1回目のアップデートまでは、期待いただいていた分、厳しい声をたくさんいただきました。現在は大きなバグは修正済ですが、まだ細かいバグや不便な点がたくさん残っていて、引き続きアップデートで対応していく予定です。ただ、利用できる状態にはなっているので、配信・視聴ともにユーザーさんに使い始めていただいていますね。

僕や開発メンバーもよく配信を見ているのですが、人生で初めてライブ配信をしたというユーザーさんが多く、非常に驚いています。顔出しをせずに配信をするには、既存のアプリで音声配信をするという方法もありますが、アバターになれることで、音声のみの場合よりも声だけに注目されないことで、表現の幅も広がるし、さらに配信の敷居が下がっているようです。

また、ユーザー層も、元々高校生や大学生をターゲットにしていましたが、蓋を開けてみれば、中学生が一番多く、こちらも驚いています。アバターのデザインや手軽さが評価されたのかもしれませんし、顔出ししなくてもエンタメ的にコミュニケーションを楽しめることが要因かもしれません。

———トピアの機能面についての展開や、アプリの将来像をお聞かせください。

将来は、トピアの世界をいずれVRに移行していきたいと考えています。もう少しVRデバイスが普及してくるタイミングでトピアをそのままVRで遊べるようにして、現実とは別世界なのに現実と同じようなコミュニケーションが取れるような場をつくりたいです。

ただ当面のアップデートでは、とにかく使い心地をよくするための地味な改善を続けていくことになりそうです。大きめの機能としては、ボイチェンをつけたり、コラボ配信ができるようにしたり、アバターの表情や体のモーションのバリエーションも豊富にしたいですね。

さらに大型のアップデートで考えているのは、1:1やグループでのプライベートなアバタービデオ通話機能です。LINEのビデオ通話をアバターでやるようなイメージです。そもそも「ライブ配信をする」こと自体の敷居がそれなりに高いので、配信しなくても自分のアバターで他人とコミュニケーションできる機能を持たせたいなと思っています。

———では最後に、まだトピアを知らない人たちへ魅力をアピールしてください。

はい。トピアは、自分の好きなアバターを作って、そのアバターになって配信ができる、これまでになかった新しいライブ配信アプリです。3Dのアバターを作って、そのアバターで配信するまで、アバターをサクッと作れば5分でできるので、すごく手軽にアバター配信ができちゃいます。あ、アバターメイクはサクッと作ることもできるし、こだわって作ればかなり細かくカスタイズできるようになっていますね。

また、配信者のカメラで映してる情報はトピアのサーバーには送信しないので、たとえ何らかの不具合が起きたとしても視聴者に映ることはなく、顔バレをしない設計になっているので、そこも安心して遊んでいただけるポイントかと思います。ぜひ自分だけのアバターを作って、ライブ配信してみてください!

配信プラットフォームとしてではなく、全く新しい、現実世界と並行して存在する“世界”の創出をも見通して開発されている【トピア】。

各々のアバターが、自分自身としてVR世界で交流する新しい世界は、きっと配信者と視聴者の垣根が低くなり、新たな楽しみが生まれるとともに、多くの人の幸せを作ることでしょう。

自由度の高いアバターメイクや、30種類を超える多彩なエモート、デバイス環境に依存しない配信の気軽さや、ユーザー視点で考え抜かれた操作性など、アプリとしての機能はもちろんのこと、トピアが作るコミュニティ、そしてVR世界が楽しみでなりません。

 

———メンバーの裏側やトピア開発までの経緯:「現実とは別の世界を作る」前原代表に聞く、トピアと歩むUNBEREALの展開

 

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