【観光ビジネス 編】360度カメラ・VRのビジネス活用|3つのメリットと5つの活用事例を紹介

筆者:小林 悠樹

360度カメラやVRの技術がビジネスにおいて、だんだんと活用され始めているのはご存知でしょうか?

これまで「不動産」「介護」「ファッション」の活用事例を紹介してきましたが、今回は「観光ビジネス×VR」。ほかの業界と同様に、観光の分野でも360度コンテンツが増えてきています。

この記事では、観光ビジネスにおける「360度カメラ・VR活用メリット」と「活用事例」について解説していきたいと思います。

ホテル・観光分野での360度カメラ・VR活用メリット

ホテル・観光分野で360度カメラやVRを活用するメリットには、さまざまなものがあります。ここではその一例を見ていきたいと思います。

ホテル・観光地選びをしやすくするコンテンツ

旅行を検討してる人向けに、360度コンテンツを用意するホテルや旅行代理店などが増えています。たとえば、ホテルでは客室の360度動画を公開して、部屋の雰囲気や広さなどがよくわかってもらえるような取り組みが始まっています。この点については、不動産業界に似た動きが広がっていると言えます。
【不動産業界 編】360度カメラ・VRのビジネス活用|メリットと事例を紹介

訪日外国人観光客が日本での観光をしやすくするコンテンツ

訪日外国人観光客の数はここ数年、右肩上がりとなっており、2018年は年間3000万人に迫る勢いとなっています。この傾向は少なくとも2020年東京オリンピックまで続くでしょう。この流れに乗じて「外国人観光客のための360度・VRコンテンツ」を強化することで、日本の観光産業はさらに伸びていく可能性を秘めています。たとえば、電車に乗る場合。外国人は「電車の切符の買い方がわかりづらい」「駅構内が複雑で乗り継ぎが難しい」という不満を感じるそうです。そういった課題に対して、鉄道会社が乗り継ぎのためのVRコンテンツや、実際に買う様子を撮影した360度動画をリリースするだけでも大いに改善の余地があります。こういった細かな配慮が、日本の「おもてなし」につながるのではないでしょうか。
(参考: 三菱UFJリサーチ&コンサルティング|外国人観光客の首都圏交通インフラ利用調査

疑似観光を体験できるコンテンツ

360度動画やVRを活用すれば、実際に足を運ばずして旅行の疑似体験をすることができます。「足が不自由で遠方に行けない」「ペットがいるから長期の旅行に行けない」という方が、疑似体験サービスを利用することで旅行気分を味わうことができます。今後技術が発展していけば、VR空間を複数人で共有することも可能なので、友達と一緒にVR上で旅行するということもできるのようになっていきます。この点については介護業界編でも触れていますので、併せてご覧ください。
【介護福祉 編】360度カメラ・VRのビジネス活用|メリットと事例を紹介

ホテル・観光分野の360度カメラ・VR活用事例 5選

それでは実際に360度カメラ・VRの活用事例を見ていきましょう。

ホテル龍名館東京|ホテル客室360度パノラマビュー


東京中央区にある「ホテル龍名館東京」のHPでは、客室をパノラマビューで見ることができ、12種類ある客室のなかをすべてオープンにしています。部屋のグレードに迷った時にこれを見れば、「これだけ部屋が広くなるなら、グレードアップしたい」ということになり、予約率のアップや客室単価のアップにつながります。
参考URL:https://www.ryumeikan-tokyo.jp/panorama_list.html

楽天トラベル|360度ビュー集めました!


楽天トラベルでは、先ほどのホテル龍名館東京のように客室の360度パノラマビューを公開しているホテルの特集ページが設置されています。150以上の施設が公開されており、ホテル選びに悩んでいるにはうれしいサイトです。
参考URL:https://travel.rakuten.co.jp/special/viewer/

じゃらん|360°ビュー特集


旅行会社大手のじゃらんでは、楽天トラベル同様に360度コンテンツを提供しています。ホテルの客室以外にも、旭山動物園やディズニーシー、厳島神社など有名な観光地の360度画像が公開されています。「家族旅行向けのホテル特集」「バリアフリー対応のホテル特集」「冬に行きたい大人旅特集」などのように、ニーズ別の提案がされているのも特徴です。
参考URL:https://www.jalan.net/theme/vr/

ANA|ANA VIRTUAL TRIP


航空会社のANAでは、RICOH THETAとスマホを連動させたVRサービスを提供しています。旅先で撮影した360度動画を、スマホを通じてリアルタイムで見ることができます。テレビ電話なので、360度動画を見ながら会話もできてしまいます。「仕事で自分だけ旅行に行けなかった」「祖父母に旅先での様子を見せてあげたい」という方にぴったりのサービスです。気になる利用料は4日間の機材レンタルで7980円(1日延長1000円)となっています。
参考URL:https://www.ana.co.jp/ja/jp/travel/vr/anavirtualtrip/

JNTO(日本政府観光局)| [360°VR] JAPAN – Where tradition meets the future

最後にご紹介するのは、日本政府観光局がおこなってるVRプロモーション「JAPAN – Where tradition meets the future」。直訳すると「伝統と未来が交わるところ」という意味で、ヨーロッパ向けの訪日旅行を推進するためVR動画です。日本の旅行を疑似体験できるコンテンツとなっており、全世界で累計1600万回以上の再生回数を誇ります。動画内では東京タワーや伏見稲荷大社から、歌舞伎やUFOキャッチャーといった日本の文化が紹介されています。
参考URL:https://visitjapan-europe.jnto.go.jp/en/

まとめ

今回ご紹介したのは、ホテル・観光分野での360度カメラ・VR活用事例です。介護や不動産業界同様、観光ビジネスでもこれからどんどん事例が増えていくと考えられます。IT・VR技術の実用化が、これからの観光ビジネスを支えていくといっても過言ではありません。

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