内見は自宅で!VR利用で広がる不動産の新しい仕組み

筆者:阿久津 碧

マンションや一軒家、トランクルームを買いたい、借りたいと思ったとき、内見は重要な判断材料の一つになります。実際に目で見ることで、イメージとのギャップを埋めたり、写真では判断できない立体感を観察したりするからです。一方で内見には、時間がかかったり、物件側の都合が折り合わなかったりして見られないなどの問題が生じるケースもあります。しかし時間や都合という大きな壁も、VRを使えば解決するかもしれません。

不動産はVRで内見する時代に?

これからの不動産内見は、足で向かう時代からVRで感じる時代になるかもしれません。本来VRと不動産はとても相性の良い組み合わせで、注目している企業も少なくありません。

せっかく条件の合う物件があったのに、オーナーの都合や顧客の時間的都合などで内見が叶わなかったというケースは珍しくないと思います。従来であれば、内見をするために別の日に出直したり、諦めたりするしかありませんでした。

しかし360度画像データとして物件情報を管理していれば、不動産屋にいながら物件を見ることができます。それも平面的な映像ではなく、立体的な空間として認識することができるので、より実際の内見に近い情報を得ることが可能になるのです。

物件を管理する業者としても、このことによって得られるメリットは少なくありません。従来とは比較できないほどの数の物件を顧客に見せることができますし、実際物件に赴く労力もかけなくて済みます。

多くの選択肢を提示することができるようになるので、成約率も上がる可能性が高くなるでしょう。

実際の導入事例も

ここまでご紹介したようなビジネスモデルを、実際に取り入れている企業もあります。株式会社スペースリーと株式会社パルマは共同で、トランクルームのVR化事業に乗り出しました。

同社のプレスリリースによると、将来的には日本全国4000箇所以上のトランクルームの施設情報を掲載していく予定だそうです。既に不動産仲介事業でも一定の効果を発揮しており、今回はそれを受けての新展開事業だとか。

今後は360度VR化と不動産業界の結び付きが益々強くなっていくのではないでしょうか。インターネット社会の中では、ウェブサイトやウェブ上の情報量整備という課題は無視することができません。

オンライン経由での成約や内見も今後更に増えていくことを考えると、不動産情報のVR化が業界のベーシックになる日も遠くはないかもしれません。その流れが加速すると、自宅で物件を選び、そのまま契約という流れが沢山生まれる可能性もあります。

仕事が忙しくて不動産屋に足を運べないという人でも、ウェブ上にVR画像情報が充実していれば安心です。仕事の合間にサクッと物件選びができるので、引越しや不動産売買のハードルそのものが下がり、身近なものになるかもしれません。

遠方の内見も便利に

個人的に最もありがたいのは、遠方の内見が気軽にできるという点です。同じ県内、地方で引越しを行う場合などには、休日に足を伸ばせば問題ありません。

しかし北海道から沖縄、東京から九州など、長距離の引越しを行う場合には別です。内見や不動産探しのためだけに遠出をすることになりますし、時間も十分に確保できない場合もあります。

期限内に気に入った部屋を見つけることができなければ無駄骨ですし、最悪内見をせずに家やマンション、アパートを決めなければいけないということもあるでしょう。

仕事で地方に引っ越さなければいけないという人や、今住んでいるアパートの契約更新期限が迫っているという人は、こういったシチュエーションに遭遇しがちです。

VRを利用すれば、ある程度部屋の雰囲気や広さ、劣化具合を正確に把握することが可能になります。グーグルストリートビューなど、他のサービスと組み合わせれば、より詳細なデータも手に入るでしょう。

店舗に求められる役割

空間情報も含めた物件の詳細なデータが、パソコン一台で得られる時代になったとします。そうなったとき、当然不動産店舗の役割も変わってくるでしょう。まず、多くの不動産業者はペーパーレスになると思います。

パソコンがあれば立体的に体感できる物件の外観や間取りを、わざわざ紙で見せられてもユーザーは満足しません。代わりに、VRゴーグルを置く店舗が増えるのではないでしょうか。

360度カメラで撮影した立体的な映像を、VRでより身近なものとして捉えます。自宅のパソコンでは、VRゴーグルがないとあくまで立体映像を平面的に観察するだけなので決め手に欠けます。

そこで店舗に赴き、VRゴーグルを装着しながらより立体的に擬似内見を行う。こういった点に注力しながらサービスを展開する不動産企業が、今後は増えていくのではないでしょうか。

VR画像を通して消費者がどの商品、コンテンツに興味を示しているのかを分析するマーケティング支援ツールを提供している例もありますし、この技術、サービスは他の業界でもかなりの応用が効きそうです。

終わりに

私自身も2年前、東京から京都に引っ越す際、内見をできずに物件を決めた経験があります。結果的に大きな問題は起きませんでしたが、もしもそのときに物件情報をVR画像で把握することができたら、もっと安心して引越しができたと思います。住む場所を変えるというのは、時に大きなストレスになる場合があります。ですがそこに情報という安心があれば、そのストレスも少なからず緩和するのではないでしょうか。

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