VRで旅行のプランニング。北海道の絶景を家でも楽しめるサービス
北海道の絶景を70箇所、およそ300シーンも楽しむことができるサービス「北海道VRツアー」が話題を呼んでいます。
出典
2億ピクセルという、イメージが及ばない程の高画質でパノラマ映像を楽しめるのが本サービスの魅力の一つですが、こういったサービスが観光事業に与える影響はかなりのものなのではないかと思い、今回は題材とさせていただきました。
本記事の内容
VRで観光地が見られる強み
今後は北海道に限らず全国、全世界で同様のサービスが広がっていくのではないかと私は考えています。それによって「VRで観光地が見られるなら、わざわざ現地に行かなくても良いんじゃない?」と考える人もいます。
一方で、VRで見られるからこそ、より旅行や観光を楽しめるのではないかという視点もあります。具体的に考えられる強みとしては、次のようなものがあります。
事前に観光するルートを決められる
一つのスポットに対して沢山のVR画像データがある場合、現地の広さや最適な順路、見どころの選定などをしやすくなります。事前にたっぷりとVRで下見をしておけば、当日も無駄なルートを通らずに、観光地を楽しめるのではないでしょうか。
先程述べたように「わざわざVRで見たところを実際に見なくても……」という意見もありますが、やはりVRとリアルは別物です。周りの人やその日の天候、匂い、気温というのは現地でしか感じられません。
だからこそ、VRの良い部分、現地に赴くことの良い部分を理解して、旅行を100%楽しめるようにしましょう。
観光地の絞り込みができる
VRとリアルは違うと言いましたが、一方でVRのみで満足できる観光地というのも、人によってはあるかもしれません。「がっかり名所」なんていう言葉もあるくらいですから、その見極めにはVRは最適です。
人によって名所に何を求めるかは違うので、自分が求めるものがそこにあるかを確認できるというのもVRの魅力です。
行くのを諦めた観光地を見られる
旅行は基本的に限られた日程、時間、予算の中で行わなければいけません。北海道のように広い場所だと、どうしても回りきれないところも出てくるでしょう。どうしても見たかったけれど泣く泣く諦めた。そんな観光地をVRで訪れてみるのも良いかもしれません。
VRで見ても満足できないという人は、次回旅行に行く際にその場所を旅程に組み込んでみてください。
高齢者に観光地を見せられる
「旅行はしたいけれど、体力的に厳しい」
「持病があるので遠くには行けない」
上記のような思いを抱いている高齢者、障害者の方もいると思います。そんな人にも、VRサービスは役立ちます。新婚旅行で行った思い出の地、修学旅行で友達と泊まった県。そういった思い出の地への再訪を、VRは擬似的に叶えてくれます。
VRゴーグルを用いれば、より立体的に風景を楽しむことができるので、実際の雰囲気に近いものを体験することが可能になります。
VRが完全な旅行の代替手段になるのは難しいかもしれません。しかし、それに近いものを提供してくれる可能性は大いに期待できます。今後全国の観光地で、VRサービスを取り入れる都道府県が増えていけば、需要と供給の両方が拡大するかもしれません。
旅行の想い出を立体的に残す
旅行の想い出を360度で、立体的に残すことは個人でも可能です。「THETA」のような360度カメラと、VRヘッドセットがあればそれらのコンテンツを自宅で楽しめる時代にもなりました。今後は写真などの平面的情報だけではなく、立体で旅の想い出を振り返ることができるのです。
絵葉書や写真で雰囲気を伝えることにも趣がありますが、家族や友人にVRデータで旅の報告をするというのも、新たな楽しみとなるでしょう。写真で想い出を残しつつ、VRで旅行の振り返りをするという複合的な楽しみ方も面白いかもしれませんね。
ヘッドセットも1万円以内で入手できるものがいくつかあるので、全天球カメラと合わせて購入しても、ビデオカメラや一眼レフのレンズキットよりも安く買えてしまいます。
VRSNSという可能性
VRや全天球カメラの間口が広くなっているということはお分かりいただけたと思いますが、それによって今後普及するのではないかと思われる可能性についてご紹介させてください。
それはVRSNSというものです。今は写真や動画をアップロードしてシェアする「Instagram」が話題ですが、その360度VR画像版だとイメージしてください。有志で集まった人や、仲間との交流を目的に利用している人がネット上にVR画像を上げて、シェアするといった内容のSNSです。
観光地などのハッシュタグ機能を搭載すれば、タグ検索でその土地の景色を一気に収集できます。今以上にVRや360度カメラの技術が向上し、人々の関心が集まれば、こういったSNSも夢ではないと思います。
そうすれば、企業が全国、全世界のVR画像を集めて配信するよりも、時間や手間、資金を節約することも可能です。観光地の景色を眺めたい人。旅行の想い出をシェアしたい人。それぞれの思惑が合致する、夢のような話ではないでしょうか?
また、これによってカメラマンという仕事にも変化が生まれるのではないかとも考えています。今後、上記のようなSNSを主戦場にした360度画像専門のカメラマンという新しいジャンルが生まれる可能性があります。
YouTuberのように、素人としてデビューしながら、人々の人気を集めてプロになるという人もいるかもしれません。少々飛躍した話かもしれませんが、VRによってSNSは、確実に進化を遂げると私は考えています。
終わりに
今回は主に観光地のVR化に関する話でしたが、今後は別のビジネスでもVR化は進んでいくと思います。既にエンタメや不動産などのジャンルにはその兆しが見えています。
人々の暮らしの利便性が上がることは素晴らしいですが、一方で少し味気なさも感じます。だからこそというのもおかしな話ですが、両方を楽しむためにも、リアルで何かを目にする尊さにも再度目を向けなければと考えさせられました。
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