リクナビが360度カメラを導入。全天球画像で採用現場はどう変わる
株式会社リクルートキャリアが運営する「リクナビ2020」に、株式会社リコーが運営する「THETA360.biz」が導入されるというプレスリリースが発表されました。
出典
国内最大級の就職活動準備サイト「リクナビ2020」がTHETA 360.bizを採用|株式会社リコー
同サービスは、360度全天球画像をクライアントのWebサイト上で公開するというものです。これによって、企業のオフィスや工場といった勤務環境の見学が、スマートフォンやパソコン上から可能になりました。
採用現場や就活支援サイトにおける360度画像の導入は、この先の就活市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事の内容
気軽に職場見学を行える
従来であれば、企業のオフィスや勤務環境を見学するためには、当然直接足を運ぶ必要がありました。限られた就活期間内で見学できる企業の数は限られており、企業見学、会社説明会のダブルブッキングが起こることも珍しくありません。
そうなると学生は、実際に見学する企業を複数ある候補の中から絞り込まなければいけませんでした。しかし「THETA360.biz」を利用すれば、気軽に職場見学を行えるようになります。
会社説明会のように、企業が指定した時間に赴かなくても、通学の電車内や、寝る前の布団の中でも擬似的な会社見学が行えます。
学生の選択肢が増える
見学をできるオフィスが増えたことにより、エントリー候補の企業の中から、実際に見学をする企業を絞る必要がなくなりました。
「THETA360.biz」の活用で会社見学のハードルが下がったことにより、実質的に学生の選択肢が増えるというのも、このサービスによって生じるメリットの一つです。
そこまで興味のなかった企業でも、いざバーチャル会社見学をしてみたら魅力的だったということもあるでしょう。本来は出会うことのなかった選択肢を見出だすことができるかもしれないので、就活生は積極的に活用していくべきだと思います。
地方在住就活生にもありがたいサービス
地方の大学に通っていて、就活を機に上京したいと考えている学生にとって、「THETA360.biz」は大きな武器になるでしょう。地方の学生の場合、就活シーズンにホテルなどを予約して、滞在期間中に就活を進めていきます。
当然長く滞在すれば費用も嵩みますし、訪問する企業をとにかく厳選しなくてはいけません。都内近郊に住んでいる就活生とは、自由に使える時間の量が全く異なるのです。
そんなとき、事前にバーチャル会社見学をしておけば、大きな判断材料になると思います。360度を見渡せる写真であれば、得られる情報も相当にあります。オフィスの様子や企業の外観だけが全てではありませんが、利用することで就活を有利に進められる可能性は大いにあります。
就活生以外の関心も期待できるか
「リクナビ2020」は現役就活生を対象にしたサービスですが、「THETA360.biz」で行う会社見学は、就活生以外にもオススメできるサービスです。
その年に就活がなくとも、遅かれ早かれその時期は訪れます。いざ就活シーズンに入ってから慌てて就活準備を進めるよりも、早めに動いておいた方が何かと慌てずに済むでしょう。
特に、明確な進路が決まっていないという学生さんにはオススメです。
「やりたい仕事、将来のビジョンが見えない」
「ずっと大学生でいたい」
「仕事というものがイマイチイメージできない」
上記のような心理状態が当てはまるという人は、まず仕事や会社に興味を抱くことが大切です。その上で、いきなり自己分析や企業研究を行うというのは少々ハードルが高いでしょう。
しかしバーチャル会社見学であれば、特に事前知識や準備も必要なく、手軽に行うことができます。その中でオフィスや企業の雰囲気が気に入ったという会社があれば、就活に対する興味のきっかけになるかもしれません。
将来的に就活を控えているけれど、将来の計画が曖昧だという人は、ここから未来を見つめてみるというのはどうでしょう。
企業側にもメリットが
バーチャル会社見学のメリットは、学生側だけではなく、企業側にもあります。その一部について紹介していきます。
多くの学生に見てもらえる
学生側のメリットに、「気軽に職場見学を行える」というものがありますが、これは企業側にとってもチャンスです。これまで出会うことのなかった学生に興味を抱いてもらえるチャンスが増えたわけですから、採用活動に与える影響も小さくありません。
近郊、遠方に住んでいる学生を問わず、自社の魅力を最大限に伝えることができれば、エントリー数の上昇にも繋がるでしょう。本来であれば関わることのなかった相手に対して、自社の魅力を伝えられる好機なので、積極的に取り入れていくべきだと思います。
万全の状態を紹介できる
リアルで行う会社見学、企業説明会の場合には、何かとトラブルが起こってしまうものです。案内をする予定だった社員が別の仕事に拘束されたり、社外秘の関係で見学コースを変更したりする場合もあるでしょう。
バーチャル会社見学の場合、事前に360度カメラで撮影した情報をWeb上にアップロードするので、環境を整えることができます。
オフィスが汚れていても、撮影前にじっくりと掃除をすることができますし、無人の職場を見せたい場合には、退社後に撮影をすれば問題ありません。このように、バーチャル会社見学は、万全の状態で自社の雰囲気を発信することができるのです。
見せられる情報が増える
社外秘に関連した部分ですが、画像であれば見せられる情報量も変わってきます。本来は関係者以外立ち入り禁止の区域や、安全上の問題で第三者に開放できない工場なども、「THETA360.biz」を利用すれば就活生に届けられます。
企業側はより実務をイメージしやすい雰囲気を届けられますし、入社後のギャップを防げる可能性も上昇します。同じ業界の他社と比較して、より具体的な画像を配信することができれば、学生の興味をいっそう引くことができるはずです。
終わりに
バーチャル会社見学が与える影響は、学生側にとっても企業側にとっても大きなものです。リアルで行われる会社説明会やインターンシップも重要である一方、ネットを介して行われる情報戦への注力も、不可欠となるかもしれません。優秀な人材の確保が喫緊の課題となっている就活市場における、「THETA360.biz」の活躍から目が離せません。
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