
病院で過ごす子供たちのためのVR旅行。リノリウムの上から世界へ
株式会社ジョリーグッドは、企業理念具現化プロジェクトとして「ボーンスマイル・プロジェクト」を開始しました。
出展
「病院で過ごす子供たちが“VR旅行”で元気に!笑顔に!ジョリーグッドがパートナー企業らと「ボーンスマイル・プロジェクト」を始動|株式会社ジョリーグッドのプレスリリース」
同プロジェクトを軸に、今回はVRとVRが人々に与える希望について考えていきます。
本記事の内容
子ども達にVR旅行をプレゼント
そもそも「ボーンスマイル・プロジェクト」とは、笑顔を創造することを目的として立ち上げられた社会貢献プロジェクトです。具体的な活動内容は企業理念をベースに流動的に変わると思われますが、第一弾の今回は、子ども達にフォーカスしたものとなりました。
それもただの子ども達ではなく、難病を抱えて病院で過ごす子ども達です。日本財団の調べでは、日本には現在14万人以上、難病を抱えて過ごす子どもがいるそうです。
そんな子ども達が入院している病院の一つを対象として、18人の子ども達にVR旅行をプレゼントしました。
国内外を問わず全国にVR旅行
子ども達は今回、和歌山県の「アドベンチャーワールド」、北海道の「バルーンフェスティバル」、ハワイのハンググライディングなど、国内外を問わず全国を対象としたVR旅行体験をしました。
病棟から出たことのない子どもにとっては、初めての経験ばかりとなったVR旅行ですが、テレビを通して見る映像とは、全く違うものになったはずです。体験としてもそうですが、知識としても新しく取り入れたものが沢山あったのではないかと思います。
「ボーンスマイル・プロジェクト」の主旨である、子ども達を笑顔に、そして元気にという目的が達成されたのは勿論のこと、それ以上の成果があったのではないでしょうか。
患者とVRの結びつき
「ボーンスマイル・プロジェクト」では難病の子どもがターゲットですが、VR旅行は多くの患者、そして医療現場にニーズがあるはずです。
高齢者
体力的な問題から飛行機などに乗れない高齢者にとって、VR旅行は良い娯楽になるのではないでしょうか。例えば寝たきりで介護を受けているような高齢者でも、VR旅行なら楽しむことができます。
退屈や孤独というのは体調の悪化を促進してしまうので、そういったものを埋めるのに、VR技術は役立つかもしれません。
「ボーンスマイル・プロジェクト」のVR旅行では、吉本新喜劇などの行き先も含まれていたので、他にも落語や歌舞伎など、年代に合わせたテーマを増やせば需要も高まりそうです。
リハビリ患者
怪我や手術などでリハビリを必要としている患者さんにとっても、VR旅行は最適な娯楽となるはずです。思うように身体が動かせず閉鎖的な気持ちに心が向かっていても、気を紛らわす何かがあれば踏み止まれるかもしれません。
旅行とは少し違いますが、VRスポーツ体験なども面白そうです。リハビリ中のスポーツ選手などにとっては、良い息抜きになりますし、元気になった後のイメージを掴む助けになるでしょう。
透析患者
数日おきに血液の入れ替えが必要となる透析患者にとっては、海外旅行をはじめとした遠出は非常にリスキーです。せっかく遊びに行っても、透析のことが頭に浮かんで中々安心もできません。
VR旅行ならば自宅で体験できるため、好きな時に行けて、好きな時に帰ってこられます。勿論透析のことが心配になって楽しめないということもないので、手軽に、そして安全に旅行が楽しめます。
海外の病院は高くつくから国外旅行は諦めていた、という人でも、もう一度思い出の地を訪れることができるかもしれません。
身体障害者
身体が不自由な身体障害者の方でも、VR旅行は良い息抜きになるでしょう。障害の度合いにもよりますが、透析患者のように国外旅行は不安だという人にとってはうってつけの選択です。
スポーツやアクティビティの体験もできるので、身体の自由が利かない場合でも安全に楽しむことが可能です。
車椅子などを利用している方は、ホテル選びや交通手段でもバリアフリーがマストとなるので、旅程組みでも苦労することが多いものです。そういった小さなストレスや不安の積み重ねが旅行から足を遠ざけてしまいがちですが、旅行自体はまたしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
「旅に出たいけれど決心がつかない」という人は、久しぶりの旅行に行くための予行演習としてVR旅行を活用するのもいいかもしれません。
介護を行なっている人
介護を受けている人だけではなく、介護に日々取り組んでいる人にも、是非VR旅行を体験してほしいです。
「日頃は介護の関係で遠出もままならないけれど、また旅行には出かけたい」
「たまには普段の疲れを癒すために、綺麗な景色を見に、海外へ行きたい」
VR旅行はそんな想いの、完璧な代替案とはならないかもしれません。それでも、一時の安らぎを与えてくれることは間違いありません。
日々ストレスや不安に苛まれていては、人の面倒を見ることもままなりません。そんな方のためにもVR旅行は、元気を与える一つの手段となるはずです。
終わりに
全ての人が何不自由なく旅行へ出かけたり、好きな場所に行けたりするわけではない。そんな当たり前のことを改めて気づかされたと同時に、テクノロジーが与えてくれる希望というものを感じさせられる、新鮮なテーマでした。少しずつでも不可能が消えていくことで、人生における選択肢も増えていくのではないでしょうか。
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