【2020年】360度カメラ2大ブランドの違いを比較|「THETA」vs「Insta360」
「360度カメラが欲しいけど、どれがいいのかわからない」
「2020年は全天球カメラを買うぞ!」
という方のために、今回は360度カメラの2大ブランド「THETA」と「Insta360」を詳しく比較していきます。初心者の方でもわかりやすいよう、あえてあまり細かなところに突っ込み過ぎず、特に「使い勝手」の部分にフォーカスしてそれぞれの魅力をお伝えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。
まずはスペックを確認
今回比較するのは以下の6製品。
・THETA Z1(New)
・THETA V
・THETA SC2(New)
・THETA SC
・THETA S
・Insta360 ONE R(New)
・Insta360 GO
・Insta360 EVO
・Insta360 ONE X
・Insta360 ONE
・Insta360 Nano S
(※Insta360 GOは360度カメラではありませんが、念のため紹介しています)
どれも売れ筋商品です。しかし360度カメラをよく知らないとという方は、いまいち違いがわからないのではないでしょうか。Insta360は中国メーカーで、THETAはリコー(日本)の商品です。まずは各商品のスペックを確認してみましょう。
サイズ感はZ1が若干大きいものの、THETAシリーズはほとんど同じです。一方のInsta360シリーズは比較的小さめ。最近発売された「Insta360 GO」と「Insta360 EVO」はかなり小型です。「Insta360 GO」は親指サイズで重量も約18gと最軽量。サイズをモデル化するとこんな感じです。どれも初心者でも無理なく使えるサイズ感だと思います。
また、その他の大きな違いは「データの保存の仕方」です。Insta360シリーズ(GOを除く)は、microSD(最大128GBまで対応)にデータを記録するのに対して、THETAは内蔵メモリーに保存します。この違いをどうとらえるかは、意見が分かれるところだと思います。外部メモリーであれば比較的融通が利くので、あまり容量を気にしなくていいですし、内蔵メモリーはカードを抜き差しするわずらわしさがありません。
ちなみに、THETA SやTHETA SCのバッテリー容量である8GBは静止画で1600枚、動画で65分に相当します(公式HPより)。THETAは内蔵型なのでメモリーの拡張ができませんが、これだけ保存できればおおむね問題ないのではないでしょうか。
※ちなみに私は普段、SCを使っていますが、容量オーバーになったことは一度もありません。
THETAシリーズの特徴
次にTHETAシリーズ同士の違いを確認してみます。前述したとおりV・SC・SC2ともに静止画の解像度は一緒です。また、動画の解像度はSとSCが同じ。
THETA SとTHETA SCの違いとは?
THETA SとTHETA SCの大きな違いは「動画の最大連続記録時間」と「ライブストリーミング機能」です。
動画の最大連続記録時間は、THETA Sが25分に対して、THETA SCは5分。このほかにも細かな違いはありますが、この違いと価格差(数千円)を天秤にかけて「どちらがいいか」を考えるとわかりやすいと思います。「写真をとるのがほとんど」という方は圧倒的にSCのほうがお得です。既にお使いのスマホに保存されている動画リストを確認して、「動画はだいたい5分以内に収まっている」という方はTHETA SC向きかもしれません。
また、ライブストリーミング機能とは、youtubeやFacebookなどで動画をリアルタイム配信できる機能です。この機能がついているのはTHETA VとTHETA Sとなっています。
THETA最新作「THETA SC2」
「THETA SC2」は、2019年12月に発売されたTHETAシリーズ最新作です。エントリーモデルとして位置づけられていますが、4K動画が撮れるようになったり、プリセット機能が付いたりとその実力はかなりのもの。
さらにTHETA SやSCで使いづらかった部分が、THETA SC2で大幅に改善されています(以下参照)。
【THETA S・THETA SCからの改善点】
・データ処理能力が向上
・データ保存容量が8GB→14GBへ
・Bluetooth接続が可能に
・セルフタイマーボタンを搭載
・カメラのステータスを表示するLED画面を搭載 など
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
▲SC2で撮影した360度写真
使い勝手が格段によくなり、カラーバリエーションも4色展開。「360度カメラデビューしたい」という方を想定した商品になっています。
THETA Vの魅力とは?
・4K動画が撮影できる
・撮影時の揺れや傾きに強い(ジャイロセンサー搭載)
・4chマイクを搭載
まず動画の解像度が高く、4Kで撮影が可能です。ジャイロセンサーも搭載されており、撮影中の揺れや傾きに強いのが特徴です。
「4chマイク」というのは、4方向にマイクが搭載されているため、多方向の音声録音が可能です。撮影した動画をヘッドマウントディスプレイで再生すれば、より臨場感のある音を楽しむことができます。
ここで気になるのが「THETA V」と「THETA SC2」の違いですよね。静止画・動画ともに解像度が同じなので、「安いほうのTHETA SC2でいいじゃん」と思われる方も多いと思います。
確かに画素数は同じなのですが、細かな点においてはフラッグシップモデルのTHETA Vのほうが優秀です。4chマイクはSC2のほうには搭載されていませんし、プラグイン機能(こちらについては後述します)もありません。より高品質なコンテンツを作りたいのであれば、THETA Vがおすすめです。
さらに上をいく最新モデルTHETA Z1
RICOH THETA Z1
2019年5月に発売された「THETA Z1」は、THETA Vのさらに上をいきます。主な違いは以下の通り。
・1.0型のイメージセンサーを搭載
・マニュアルでの動画撮影が可能に
・RAWデータで保存可能に
・本体正面にLEDパネルを搭載
THETA Vのイメージセンサーは「1/2.3CMOS」でした。それがZ1では1型になり、さらに高画質になっています。特に暗い場所や夜景シーンでの撮影も問題なくおこなえるようになりました。
またLEDパネルが搭載されたのもポイントで、電池残量や設定値を都度確認することができます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
▲Z1で撮影した360度写真
THETA V ・THETA Z1ならプラグインで機能拡張ができる
THETAの特徴のひとつとして挙げられるのがプラグイン機能。VとZ1に対応しており、プラグインアプリをインストールすれば新たな機能をTHETAに付加することができます。
たとえば、フロントレンズとリアレンズを時間差で撮影できる「レンズ別時間差撮影」というプラグインを使えば、人を映さずに360度写真を撮ることができます。そのほかにも、自動で顔をぼかす「Automatic Face Blur BETA」やAmazon のAlexa搭載デバイスとTHETAを連携できる「Smart Device」など、さまざまなプラグインがあります。
参考URL:https://theta360.com/ja/ricoh_plugins/
Insta360シリーズの特徴
Insta360シリーズはそれぞれ形も機能もかなり異なります。各商品の特徴的な機能を解説していきます。
Insta360 Nano SはiPhoneユーザー向け
Insta360 Nano Sの最大の特徴は「iPhoneとのドッキング」を前提としている点です。iPhoneの充電をする部分にInsta360 Nano Sを差し込んで使用します。そのため、データを無線で飛ばすことなく、専用アプリですぐに編集加工が可能。SNSへのアップもスムーズです。対応機種はiPhone6以上となっており、残念ながらAndroidスマホでは使用ができません。動画撮影は4K対応しており、360度カメラのエントリー機としては申し分ないと思います。
Insta360 ONEとONE Xの大きな違いは「手ブレ補正」と「スマホとの接続方法」
Insta360 ONEと上位モデルであるInsta360 ONE Xの違いは大きく2点(細かいものを含めたらたくさんあるのですが、今回はエントリーユーザー向けに絞って紹介します)。
まず手ブレ補正。Insta360 ONEにももちろん手ブレ補正機能はついているのですが、さらにInsta360 ONE Xではその機能性がアップしています。そのためInsta360 ONE Xはアクションカメラとしても使用できそうです。
スマホとの接続方法については、Insta360 ONEはiPhoneとドッキングが可能でしたが、Insta360 ONE Xでは直接つなぐことはできなくなりました。その代り、同梱ケーブルでスマホとつなぐことができます(Androidも接続可)。
その他の違いとしては、Insta360 ONEは4K動画なのに対して、Insta360 ONE Xは5.7K。ただしiPhoneに取り込むと5.7K動画も4Kにエンコードされてしまうため注意が必要です(パソコンなら5.7Kのまま保存可能)。そのほかにもInsta360 ONE Xには画面がついたり、バッテリーを外せるようになったりとONEよりも多機能になっています。
2019年に発売された「Insta360 GO」と「Insta360 EVO」の特徴とは?
Insta360 EVOは2019年3月に、Insta360 GOは2019年9月に発売された機種。どちらも個性的なカメラで、「変わったカメラが欲しい!」という方にはぴったりかもしれません。
Insta360 EVOは折り畳み式の360度カメラ。全天球写真が撮れるのはもちろんのこと、本体を開いて撮影すれば3Dの半天球写真を撮ることができます。解像度もInsta360 ONE Xと同じなので、画質面も十分なスペックを持ちます。

Insta360 GO(引用:https://store.insta360.com/product/go)
Insta360 GOは360度カメラではなく、いうなれば「親指サイズのデジカメ」。レンズは1つだけで、服に着けたり、自転車に着けたりと小さいからこそいろいろな場面で使用できます(防水機能もあり)。ただ小型軽量なので、バッテリーにはちょっと難ありです。
画期的モジュール型カメラ「Insta360 ONE R」
Insta360 ONE Rは、2020年1月に発売されたばかりの最新モデル。本体はモジュール式となっており、「バッテリーベース」「コアモジュール」「レンズモジュール」をそれぞれ取り外し可能。
レンズは「360度レンズモジュール」「4K広角レンズモジュール」「1インチ広角レンズモジュール」の3タイプが用意されており、「360度レンズモジュール」を装着すると360度カメラとして使えます。
防水機能(水深5m)や強力な手ブレ補正機能を有し、360度カメラとアクションカメラの両方の要素を持ち合わせています。
まとめ
Insta360シリーズ、THETAシリーズともに、エントリーモデル・ミドルモデル・フラッグシップモデルに分かれています。初心者におすすめなのは、「THETA SC2」「THETA SC」「Insta360 Nano S」のあたりだと思います。フラッグシップモデルも大変魅力的ですが、「初めて360度カメラを使う」という方はその多機能性を十二分に使い切れないかもしれません。そのため、まずはエントリーモデル、ミドルモデルで慣れてから、フラッグシップというのがいいのではないでしょうか。
なかでも特におすすめなのが「THETA SC2」です。カメラ初心者でも使いやすい商品設計になっており、まさに「かゆいところに手が届くカメラ」だと思います。
Insta360シリーズはどれも個性的なものばかりなので、「人とは違うのがいい!」「おもしろい動画を撮りたい」という方におすすめです。
最後に筆者の主観による製品マトリクスを載せておきます。購入時の参考になれば幸いです。(あくまで主観によるものですので、感じ方はひとそれぞれだということをご了承ください)
しっかりと検討して、自分に一番あった360度カメラを見つけましょう。
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