ラスベガスにVR体験施設がオープン。今後も30カ国に展開か

筆者:阿久津 碧

ロシアのスタートアップ企業であるPlatformaVRが、2019年1月にVR体験施設をオープンするという発表を行いました。日本でも増え始めているVR施設ですが、今後は世界各国に展開していくのではないかと注目されています。今回は同施設で実際に体験できるVRゲームの説明や、その魅力についてご紹介していきます。

満を持してラスベガスに上陸

PlatformaVRがVR施設をオープンするのはこれが初めてというわけではありません。過去にはモスクワ、オンタリオ、フロリダなどにオープンしており、今回はそれらに続いての展開ということになります。

ロシアのスタートアップなので、まずはモスクワからオープンしたのでしょう。今後はロンドンやロンゼルスなどを含む、30カ国に展開していく予定であることが、同社によって既に発表がされています。

予定地は主に欧米が中心ですが、もしかしたら日本にも同じような施設を建てるために、海外企業が参入してくる可能性もあるかもしれませんね。

フリーローム型のVR施設は期待大

今回のVR施設、何と言っても注目なのはフリーローム型であるということ。フリーロームというのは、簡単に言ってしまえば、VRデバイスを装着しながら、実際に歩き回れるタイプのアクティビティということです。

厳密には、74平方メートルを自由に歩き回れるようなので、ゲームに対する没入感もかなり上がりそうですね。VRの使用用途は広く、今は家庭でVR動画を見たり、VRゲームをしたりする時代となりました。

しかし、ヘッドセットを装着しながら、一定の空間を動き回るというのは、まだ貴重な体験です。一般の家庭でやろうと思えば相当なスペースが必要となりますし、現実世界の様子を確認できないので安全上の問題も浮上します。

だからこそ、アクティビティとしてVRゲームを楽しむのであれば、こういった屋外の施設へと赴く必要があるのですが、実際にはどのような施設が完成するのか待ち遠しいですね。

現在楽しめるゲームは3種類

VRゲームとしてオープン時に提供予定のコンテンツは現在3種類で、未来的なSF風施設を探索するアドベンチャー系ゲーム「The Arrival」がその1つです。

他には、事件を追う警官になりきってプレイする「The Poisoner」や、コンバットゲームの「MATCH」というものがあるのですが、個人的には「MATCH」に注目しています。

理由としては、このゲームの特徴の一つにマルチプレイというものがあるからです。つまり、現実世界にいる他のプレイヤーと同時にプレイが可能なのです。

協力して敵を倒すのか、プレイヤー同士が対戦して倒し合うシステムなのかは分かりませんが、かなり面白そうです。VRの世界にいるのでサバイバルゲームなどとは違う、非現実的な独特の世界観になるのでしょう。

フリーローム型の施設とコンバットゲームは元々相性が良いですし、没入感も桁違いに上がると思うので、日本にも上陸したら、是非ともプレイしてみたい一作です。

海外旅行の目的にVR施設が入るかも

現在日本以外で展開しているVR施設は他にもまだまだありますし、そこで遊ぶためには日本を飛び出さなければいけません。

ゲームが好きな方やVRに興味を抱いている人からしたら、惹かれるものがあるのではないでしょうか。今後こういった施設が更に注目を集めれば、VR施設への訪問を旅行の目的に据える人も増えてくると思います。

逆に言えば、観光資源や自然遺産に乏しい国であっても、VR施設などを目玉に海外観光客の増加を狙えるということです。今後の旅行業界で、VR施設がどのような立ち位置になっていくのか、とても楽しみです。

安直ですが、エジプトだったらピラミッドの探検、フィンランドならオーロラ鑑賞、トルコならカッパドキアで気球ツアーのように、その国の特徴を活かしたVRコンテンツがあったら面白そうですね。

日本でもVR施設が続々オープン

PlatformaVRが展開するVR施設は日本には未上陸ですが、国内にも独自のVR施設が既に増えてきています。

こちらの記事でもご紹介していますが、新宿や大阪では実際にVRアクティビティを体験することができます。海外に足を運ぶのは難しいという方でも、ここならもう少し気軽に遊びに行けるのではないでしょうか。

『ドラゴンクエスト』や『エヴァンゲリオン』など、日本人が慣れ親しんだタイトルも多数楽しむことができるので、VR初心者の方にもオススメです。

VRゲーム大会なども活発化するか

オリンピックで正式種目化も検討されたe-Sports(エレクトロニック・スポーツ)などにも、今後VRゲームがどんどん参入していくのではないでしょうか。日本ではまだまだマイナーなe-Sportsですが、国外ではかなり盛んですし、有り得ない話ではないと思っています。

勿論スポーツとしてだけではなく、純粋に娯楽として楽しむ人も増えてくると思います。そしてそれが結果的に、VRゲーム大会などを活発化させていくのかもしれません。

VRゲームの場合、ゲームともスポーツとも違う立ち位置にあるので、ゲームが苦手な人、スポーツが苦手な人、あるいは両方が苦手だという人でも、上手にプレイできることがあります。だからこそ、多くの方に受け入れられるのではないでしょうか。

その結果、VR施設ももっと身近なものになったら嬉しいですよね。ゲームが好きな人は多いですし、それがスポーツとなり、仕事となれば好きを仕事にできる人も増えていくかもしれません。

終わりに

日本にもVRの波が着々と訪れていますが、今後はそれらが今以上に、観光資源としての役割を果たしてくれないかと個人的には期待しています。技術が進歩し、更に精巧なバーチャルリアリティーが実現すれば、コンテンツの幅も広がっていきます。そうなれば、アニメやゲームの有名な日本が、VRでインバウンド需要を獲得するのは、決して難しくはないと思います。

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