コタツの中から雪まつり?雪まつりを360度VR配信する試み

筆者:阿久津 碧

先日2月3日に行われた「第70回さっぽろ雪まつり」の様子を、360度撮影できる8KカメラでVRライブ配信するという試みをドコモが成功させました。要約すると5Gで60fps、更に8Kで3D、VRでのライブ配信ということですが、これは世界初のケースだったそうです。情報量の多いニュースですが、とても凄いことなので、順番に説明していきます。

雪まつりを360度VR配信

今回は8Kに加えて、さっぽろ雪まつりを360度、5GでVR配信しました。これによって、まるで雪まつり会場にいるかのような体験が実現したのです。

今回の配信実験はNTTドコモが行なったもので、配信元となる雪まつり会場には360度カメラが設置されており、今回は東京を対象にその映像が配信されました。

元々は2018年にNTTドコモが8K映像を360度VR映像として配信するシステムを開発しており、今回の配信は今後の実用化を念頭に置いた実証実験となっています。

会場の音はヤマハ立体音響技術である「ViReal」(バイリアル)で録音しており、映像以外の面でもリアリティにこだわりました。せっかく映像が美麗なものでも、音がイマイチだと勿体ないですし、この点はとても重要なことだと思います。

今回は5Gで映像を送信しましたが、一般の方々に公開する際には、光回線を用いるとのことです。

5Gとは

「4G」とか「3G」なんていう言葉は聞いたことがありますが、5Gというのは正直あまり聞き覚えがないと思います。混乱しないためにも、簡単にですが、1Gから順番に説明していきましょう。

【1G】

キロ単位の重さがある「ショルダーフォン」(約3キロ)の時代に使われていた通信手段が1Gです。第一次世代なんていう呼び方もされています。通信料の高さや限定的な通信範囲、端末そのものの高価さなども相まって、一部のビジネスマンにのみ使われるような高級品でした。

【2G】

93年に登場したのが2Gです。これまでの通話のみという状態に、インターネットやメールという機能が増えました。通信料の問題も改善されたことから、一般にも普及するようになります。携帯専用サイトが生まれたのもこの頃です。

【3G】

それまでとは異なる、初の国際規格での通信方式です。データ通信も早まり、通話などの品質もかなり良くなってきました。パソコンサイトの閲覧であったり、動画の再生であったりも、ある程度行えるようになりました。

【4G】

現状主流となっている通信方式で、スマートフォンのための通信技術です。屋外で地図アプリを開いたり、動画を再生したりが当たり前で、スマートフォンの普及率もかなり高まっている現代に即した通信技術と言えます。

上記を踏まえて5Gを考えていくと、そもそも5Gはスマートフォンにのみ特化した通信技術ではありません。勿論容量や通信速度、コストダウンなどの面はスマートフォンにも影響を与えると思いますが、全ての端末に適応できるのが5Gなのです。

具体的には、離れた場所から手術を行ったり、ストレスなくリモート会議を行ったり、乗り物の自動運転化が進んだりといったことが挙げられます。洗濯機や冷蔵庫といった家庭にある家電も、少なくない影響を受けるでしょう。

8Kとは

最近テレビなどでも少しずつ耳にするようになった8Kという言葉ですが、これは超高精細映像規格を意味します。横×縦の解像度が7,680×4,320画素を持つことが条件で、この映像を映せるテレビのことを8Kテレビ、なんて呼びます。

簡単に言えば「とにかく美しい画質の映像」ということですね。8KのKは「キロ」を意味しており、横方向の解像度が大体8000キロであることから、8Kと呼ばれています。

元々、目の前にある本物の景色と遜色のない映像を作り出そうというコンセプトで、NHKを主導に研究が開始されたもので、今では世界的にも確かな評価を受けています。

いわゆる映像美の最終形態、という認識で大丈夫です。難しい話になるので割愛しますが、これ以上の解像度を実現しても、人間の目には違いが分からず、8K以上はないというのが現状での結論らしいです。

ただ8K映像を撮るには、当然8Kカメラが必要で、テレビ局で使うようなものになると数百万円はするので、現状は映像技術に番組が追いついていないような部分もあります。

配信というコンテンツの進化

今回は雪まつりを配信するという試みでしたが、5GやVR、360度カメラなど、色々な機材や技術を試す機会となりました。

この成果を元に、今後はスポーツなど、更に動きのあるコンテンツの配信なども続々と実現していくのではないでしょうか。NTTドコモは「dTV」など、動画コンテンツにも前向きですし、地上波以外の番組がどのように進化していくのかも楽しみです。

5Gに関してはまだまだ不透明な部分もあると思いますし、正直聞いていてピンとこない部分もあります。ただ、今回無事に実験が成功したことも考えると、実用化は遠くないのかもしれません。

スマホに限定した技術だった4Gに対して、全ての端末やアプリに向けて作られている5Gの汎用性は非常に高いものだと思いますし、今後更に加速していくインターネット社会を想像すると、可能性の広さがうかがえます。

それら最新の技術の一つにはVRも存在します。既にVRゲームやアクティビティなどが一般に流通していることからも分かるように、最新技術の一番槍といった印象のVR。これからも人々の想像の上をいく、驚くような科学変化を起こしてくれると期待したいですね。

終わりに

映像にしても技術にしても、最新のものが一度に用いられた今回のニュースでしたが、その全てに驚くばかりです。直接足を運ぶのが旅の楽しいところでもありますが、何らかの理由で遠出や旅行ができないという人には、こういった体験はとても尊いものになるのではないでしょうか。コタツに入りながら雪まつり、昼下がりのオーロラ鑑賞、離れた場所にいる家族と一緒に海外旅行。技術の進歩で、人と人との距離や旅というものは、もっと身近なものになるかもしれません。

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