タトゥーは彫るものから遊ぶものへ。「AR tattoo」の可能性

筆者:阿久津 碧

ツイッターユーザーのOlo Sabandija氏が紹介していた「AR tattoo」をご存知でしょうか。これはとても興味深い技術なのですが、更に開発が進めば将来的にはタトゥーでゲームを起動したり、タトゥーでソフトを販売したり、なんていうこともできるかもしれません。まだまだ開発段階の技術ではありますが、その動きには要注目です。

ARでソニックが動く「AR tattoo」

Olo Sabandija氏が開発した「AR tattoo」は、ARに対応しているスマホを利用してコントローラー型のタトゥーを映すと、ソニックの愛称でお馴染みの株式会社セガゲームスの人気キャラクター「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」と、ゲームのステージが浮かび上がるというものです。

タトゥとなっているコントローラーはNES(ニンテンドーエンターテインメントシステム)のもので、懐かしさを感じる人もいるのではないでしょうか。

実際にNES型のコントローラーをタッチすると、ソニックをジャンプさせることも可能です。ただし、残念ながら現段階でできるのはジャンプのみとのことで、移動や複雑な操作などは不可能です。

立体的なステージに映し出されたソニックの映像は動画でも詳しく見ることができますが、とにかく不思議です。今後開発が進んでいけば、更に複雑な操作も可能になるのでしょうか。

開発したOlo Sabandija氏については、ツイッターユーザーであるということ以外は詳しい情報が出てきませんでした。プロフィールの国籍欄に関しても「planet earth」(地球)と記されているだけで、謎に包まれています。

見た目はモヒカンの男性で、ちょっと強面ですが、その見た目とは裏腹にこんな革新的な発明の技術を持ち合わせているというところに興味を引かれてしまいますね。

タトゥーと音の組み合わせも

タトゥーとスマートフォンの組み合わせに注目している例は他にもあり、音楽などと組み合わせた例もあります。

「Soundwave Tattoos」というアプリでは、音や声を波形として表したタトゥーを、アプリ起動後にカメラで映し出すと、波形の通りの音を再生することができます。

動画では波形型のタトゥーをスマートフォンでかざすと、女性の声で「I love you」と言った後に、赤ちゃんの泣き声が再生される様子が紹介されています。

「Soundwave Tattoos – Tattoos you can hear」

タトゥーだけではなく、物に書かれた波形も再生することができると思うので、ロマンチックにメッセージを伝えたいときなどには便利かもしれませんね。紙の手紙に波形を印刷して送ると、電子メールとも手書きのメールとも違った味わいがありそうです。

好きなアーティストの歌詞をタトゥーとして彫っている人を時々見かけますが、これからは波形を彫る人が増えるかもしれません。そうすれば、いつでも何処でも好きなアーティストの曲の一節を聞けるようになりますし、音楽好きにはたまりませんね。

他にも、大切なペットの鳴き声をタトゥーとして彫っている人もいました。私はタトゥーを自分の身体に彫るのは抵抗がありますが、昔飼っていた犬の鳴き声の波紋なんかが形としてあったらいいなとは思います。

仕事に疲れたときやふと寂しくなったとき、部屋の壁などに飾っている波紋にカメラを向けてペットの声が聞けたら、疲れも癒されそうです。

エンタメ作品のネタにもうってつけ

本筋とは完全に脱線してしまうのですが、実は私はこのAR タトゥーのニュースを初めて見たとき、映画などのワンシーンで使えそうだなと真っ先に思いました。

限られた荷物しか持ち込めないようなシチュエーションでも、ARタトゥーなら立体的なデータとして情報を運び込むことができます。他の人に会話を聞かれたくないときなども、声のデータが入っている波紋で会話をしたり、情報を交換したり、色々面白そうです。

映画やドラマであれば、刑務所の面会シーンなどでありそうだなと思いました。筆談ならぬ波談とでも言いましょうか。近未来を舞台としたSF映画なんかでありそうですね。

スパイ映画などでも今後はそんなシーンが出てくるかもしれません。彫り込むタイプのタトゥーではなく、シールタトゥーなどであれば証拠隠滅も簡単ですし、気付かれにくい場所にセットするのも簡単です。

SFやスパイ映画だけでなく、生前伝えられなかったメッセージをタトゥーに残して部屋の模様に隠したとか、感動系の映画でも応用が利きそうなアイデアです。

それらとは少し違うテイストのものですが、2017年に公開したタイのスリラー映画で「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」という作品があります。これは受験生たちのカンニングを題材とした名作です。

主人公の天才少女、リンがひょんなきっかけからカンニングをビジネスとし、裕福な同級生からお金を巻き上げ、やがてはアメリカ留学を賭けた大規模なテストにまで話が発展していくという、実話をモチーフにしたストーリーです。

この作品では当然ARだとか音声波形だというテクノロジー的なものは出てきませんでしたが、今後はこういったジャンルにも普通にAR描写が出てきそうです。テクノロジーが身近になるほどに、エンタメ作品でそれらを目にする機会も段々と増えてくるかもしれません。

終わりに

ゲームのダウンロード販売などもそうですが、ソフトを販売する時代から、データを販売する時代に世の中は移行しつつあります。タトゥーでゲームを販売する時代が訪れるかは分かりませんが、アイデアとしてはとても興味深いですし、遊び心もあると思いました。

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