発想をARに。イラストをAR化できるアプリ「ARESSA-AR」

筆者:阿久津 碧

自分の描いた絵が現実のものとなったら。絵を描くのが好きな人であれば、一度はそんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。しかし今、AR技術が進んだこともあって、それが現実のものとなったことをご存知の人はあまり多くありません。自分の作品をARとしてリアルに召喚することができる。今回はそんな、アニメとも三次元とも違う、全く新しいサービスをご紹介します。

イラストをAR化する技術

ARESSA-ARは自分が描いたイラストをAR画像として楽しむことのできるアプリです。自分が頑張って描いた絵をAR化して楽しむのもいいですし、子どもが描いた絵をARにして、一緒に楽しむのも面白そうです。

手順としてはシンプルで、まずは自由に描きたい絵を描きます。それが完成したら、ESSA株式会社が運営している「CrayonAR」に出来上がった絵を送信します。

するとそのイラストを元に3Dモデルが作られます。最終的にそれをAR化したデータをQRコードに圧縮したものが受け取れるので、専用のアプリ「ARESSA」で読み込んで、開きましょう。

イラストはプロのデザイナーによって作られているので、完成度は折り紙付きです。アプリの中ではAR化した画像を自由に配置したり、写真や動画を撮ったりすることが可能です。

場所も選ばないので、屋内でも屋外でも、好きな場所でAR画像を楽しめるのも魅力です。料金はQRコードだけを受け取るプランで5,400円、QRコード3Dセットプランというものが7,980円となります。

後者の場合はQRコードだけではなく、イラストの3Dデータも購入することができて、テレビゲームエンジンの「Unity」などで利用することができます。

AR化だけではなく、商用利用や別のシーンでも楽しみたいと考えている方にとっては、3Dデータも込みで購入した方が得かもしれません。プロのイラストレーターや、ゲーム開発者にとってはありがたいサービスですね。

公式サイトではサンプルARを体験することもできるので、気になった方は是非試してみてください。

料金はやや高く感じるかもしれませんが、プロのデザイナーが3D化してくれることや幅広い用途があること、何より自分のイラストをAR化してもらえるということを考えると、妥当なのかもしれません。

ARイラストを楽しめるシチュエーション

様々な利用シーンが考えられるイラストAR化サービスですが、具体的に役立ちそうなシチュエーションをいくつか考えてみました。

子どもの想像力を育む

自分が描いた絵が現実の世界に映り込んだら、多くの子どもは驚くと思います。知育アプリ的な面でもその影響力は計り知れませんが、想像力を大いに育んでくれるのではないでしょうか。

何よりも、絵を描くことが楽しくなると思います。大人には想像もつかないような発想力で生み出された絵がAR化したら、子どもにとっても大人にとっても素晴らしい刺激になるでしょう。

旅行にお気に入りのイラストを入れ込める

自分が作り出したオリジナルのキャラクターや風景をAR化して旅行などに持っていけば、いいアクセントになるのではないでしょうか。

友達とオリジナルキャラクターと自分での記念撮影や、動画での記録も可能です。それまでの旅とは一味も二味も違う、刺激的な思い出が出来上がりそうです。

ちょっとしたお出かけでも同様です。家の近くを散歩するのが、普段よりも楽しみになるかもしれませんね。

贈り物としてのAR

自分で楽しむだけではなく、誰かに贈れるのもイラストARの魅力です。公式サイトでも紹介されていますが、孫が描いたイラストを祖父母に贈ったり、親戚に贈ったりすれば、オンリーワンのプレゼントになります。

ARなどに疎い方でも「自分の孫が描いた絵ならば」と興味を示すかもしれません。また、技術に触れるだけではなく、作品の新しい楽しみ方を共有することができるので、新たなコミュニケーションツールとして使用することもできるのではないでしょうか。

インスタ映えも狙えるかも?

必ず同じマスコットやフィギュアを登場させた写真を投稿するアカウントを、SNSサイトの「Instagram」で時折見かけます。私がイラストのAR化で最初に思いついたのが、このことです。

同じAR画像を投稿写真に必ず登場させたり、さり気なく端っこに写り込ませたりしたら、話題性も上がるのではないでしょうか。それまでとは全く違う「一貫性」を写真に持たせることができるので、インスタ映えとは違う華が生まれるかもしれません。

同じようなことをやっている人も今は少ないので、Instagramのコンセプトに悩んでいる人は、こういった手法も検討してみてはいかがでしょうか。

美術展示などの方向性も変わるか

現在はリアルな展示物ばかり置かれているというのが一般的な美術館の在り方です。しかしここにAR要素を混ぜたら、美術館の楽しみ方というのも広がるのではないかと私は考えています。

例えば、AR化した作品の補足情報を展示物の横に忍ばせたり、トリックアートを床に配置したり、絵の中の世界を再現したARゾーンを置いたりといったのがその一例です。

パネルで紹介するほどではないけれど、クスッと笑える展示物の面白情報などがARで隠れていたら、いい箸休めになりそうです。テーマや美術館のポリシーにもよりますが、美術品や美術館に馴染みが薄い層を呼び込む意味合いでも、アリなのではないかと思いました。

終わりに

平面的なイラストを立体的に映し出すだけではなく、それを現実の映像に重ね合わせて楽しむことができるARサービス。今回のように、イラストをAR化するという試みは非常に新鮮で、老若男女を問わず楽しむことができそうだと感じました。こういったサービスが子どもの楽しいを育て、大人の想像を実現してくれたら、幅広い分野に影響を与えられるのではないでしょうか。

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