失われた歴史を端末で追う。ARで史跡巡り体験

筆者:阿久津 碧

日本には様々な歴史がありますが、そこに関係する史跡の中には現存していないものも少なくありません。その跡地を訪れては「一体どれくらいの規模だったのだろうか」、「高さはどれくらいかな?」なんて思いを馳せている歴史マニアの方もいるのではないでしょうか。今回はそんな失われた史跡をARで訪れることのできるサービスについてご紹介していきましょう。

6世紀の古墳を復元するアプリ「墳タビ!物集女車塚古墳」

まずご紹介するのは、6世紀頃の古墳を復元する体験ができるアプリ、「墳タビ!物集女車塚古墳」です。

株式会社ジーンが提供する、京都府向日市の古墳巡りに最適な同アプリは、iOS、Androidの両方で楽しむことができます。このアプリの最大の魅力は、ARとVRの両方で古墳巡りを楽しめることです。

現地に行ってAR機能を使えば、当時の古墳をカメラ越しに見ることができますし、現地に行けない人もVRで石室内の様子を観察することができます。

当時の風景を360度VRで楽しんだり、前方後円墳を上空から見下ろしたり、現代では体験できないような映像も楽しめるので、是非ダウンロードしてみてください。

他にも、向日市にある古墳5つをマップ上に表示する古墳ナビゲーション機能や、向日市文化資料館、史跡朝堂院公園などで貰えるマーカーカードを利用したAR機能もあります。

マーカーカードにカメラをかざすと、現在の物集女車塚古墳のミニチュアARが浮かび上がります。AR映像に息を吹きかけることで、映像も連動して反応するなど、細かいギミックも必見です。

向日市は京都の中心、四条や河原町からも一本でアクセスすることができますし、主要な観光地からも少し離れているので、静かな京都を満喫することができます。

京都に来た外国人の友人を案内したい方や、ニッチな京都観光を楽しみたいという方、歴史や古墳が大好きだという方は、是非足を運んでみてください。

ARで関ヶ原の戦い「関ヶ原観光Navi」

続いてご紹介するのは、関ヶ原観光にうってつけのアプリ「関ヶ原観光Navi」です。教科書やテレビで一度は名前を見たことがある「関ヶ原の戦い」の舞台となった関ヶ原に関するアプリです。

「関ヶ原合戦 決戦コース」や「関ヶ原合戦 天下取りコース」、「大谷吉継コース」など、散歩ルートだけでも何種類もあり、1日ではとても楽しみきれません。

「関ヶ原の戦い」は慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)に石田三成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍が戦った、いわゆる「天下分け目の戦い」ですが、このアプリでは、この戦いに関して以外にも、様々な話題に触れています。

散歩コースも前述したもの以外に「壬申の乱コース」、「中山道を巡るコース」、「景観 自然散策コース」、「景観 鉄道マニアコース」などがあり、関ヶ原という歴史に名を刻んだ地を味わい尽くせる内容となっています。

各散歩コースにはスタンプラリー機能もあり、ゲーム性も盛り込んでいます。せっかくなら楽しく歴史を学びたい。そんな人にはぴったりの内容なのではないでしょうか。

また、このアプリはAR写真機能を搭載しており「武者丸くんとはいチーズ」という撮影機能を使うと、関ヶ原町のマスコットキャラクター、武者丸くんとの記念撮影が可能です。

私はこの機能を、自宅のリビングで試しに使っただけなので雰囲気はイマイチでしたが、実際の関ヶ原で利用すればとても盛り上がりそうです。

中日新聞やインバウンドビジネスニュースにも取り上げられた同アプリは歴史マニアの間でも一時期話題となり、人気を集めました。関ヶ原に訪れる際には、必ずスマートフォンに入れておくことをオススメします。

VRやARでお城を訪れるアプリも

日本と言えば独自の城郭も特徴的ですが、VRやARでそれらを訪れるサービスも展開されています。「VR安土城」というアプリでは、3Dで復元した安土城を見ることができます。

実際の歴史に関連する特定のスポットでしか見ることができないという制約があるので、安土城があった滋賀県としては、観光客の増加を期待したいところではないでしょうか。

これに関連したアプリではVR上田城というものもあります。2016年の大河ドラマで「真田丸」を放送されたこともあって、長野県や真田幸村の人気も上がったと思いますが、このアプリではその魅力を更に深く感じることができるはずです。

この他にも城郭に関連する歴史を楽しめるVR、ARアプリは複数存在するので、歴史マニアの方は要チェックです。

訪日観光客の需要も期待

ここまでご紹介したようなサービスは、歴史好きな日本人だけではなく、訪日外国人観光客の方に対しても需要があるのではないかと考えています。日本の歴史が好き、昔の街並みが好きだという訪日外国人観光客は少なくありません。

アニメなどをきっかけに日本について調べ始めたという人もいます。そういった方々が日本を実際に訪れた際、これらのアプリが果たす役割は大きなものになるのではないでしょうか。

特に「関ヶ原観光Navi」などはその特性が強く、日本語以外に英語、フランス後にも対応しています。

これらに加えて「ポケモン」や「ナルト」、「ワンピース」といった世界的にも人気の高いコンテンツとAR、そして歴史を掛け合わせれば、新たな観光資源としても成立するかもしれません。

ただおもてなしをして終わるのではなく、日本について深く知ってもらうことで「また訪れたい」という気持ちになってもらえるのではないでしょうか。

「歴史はあるのに史跡や観光資源が少ない」という県や町でも、これからはARでそれらを訪れることができるようになります。インバウンド消費が加速するこれからだからこそ、乗り遅れずに対策を講じましょう。

終わりに

ARやVR技術が進んだことで、日本の歴史をより深く味わうことができるようになりました。我々が知らないだけで、海外にも同様のアプリが存在するかもしれません。今は存在しない歴史的な地や建物を、擬似的にでも訪れることができるようになれば、旅も遊びも、もっと楽しくなるかもしれませんね。

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