空を観光資源に。VRで鎌倉の空を楽しむ観光サービス

筆者:阿久津 碧

VRとドローンを組み合わせることで空を観光資源にする。そんな試みが株式会社シアン(東京都千代田区、代表取締役:岩井隆浩)によってスタートしました。最新テクノロジーを駆使することで、これまで注目されなかった「空」を観光名所にするという発想。その全貌はどのようなものなのでしょうか。

鎌倉の「空」を観光地に

「空のツーリズムをもっと身近にしたい」という思いからスタートした空力車サービスは、VRゴーグルを装着することで、空を飛んでいるドローンの映像を鳥目線で楽しめるといったものです。

空力車という名前からも分かる通り、人力車から文字っており「空飛ぶバーチャル人力車」というコンセプトが掲げられています。

ドローンから見る景色は飛行機から眺めるソレとは異なり、鳥のような目線を楽しむことができます。スピード感もありそうなので、乗り物酔いのような感覚に陥らないかは心配ですが、その分アクティビティとしても面白そうですね。

これまでは空を観光資源にするという発想はあまり聞いたことがなく、今回の試みを始めて目にした際、とても新鮮な気持ちになりました。

特に鎌倉は古風な町並みと美しい海、江ノ島など、色々な表情を持っている地なので、こういったサービスとの相性がとても良さそうです。

ヘリツアーに変わるサービスとなるか

空力車のサービスと類似したサービスを強いて挙げるとすれば、私はヘリツアーを思い付きました。

東京の夜景などをヘリに乗りながら満喫するツアーなどをテレビなどで目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

ヘリコプターに乗れることや、実際の景色を高い位置から眺められることなどは魅力的ですが、ヘリツアーには問題点もあります。

一つは料金です。横浜の上空を飛ぶヘリを貸し切った場合、3万円近い費用がかかります。一人料金であれば9,000円ですが、一人でヘリに乗りながら夜景を眺めるというのは、ちょっと特殊なシチュエーションに感じますね。

次に、その所要時間です。上記の横浜ヘリツアーの場合、所要時間は5分ほどだそうです。他のプランを見ると5万円弱で10分、14万円で20分、20万円で30分と、所要時間に付随して料金も上がっていく傾向にあります。

こうなると誰もが気軽に楽しめるサービスではなくなってしまいます。

普通は記念日や特別な日に、ヘリやクルーザーに乗るものですし、その意味合いではこれくらいの料金がかかるのも妥当なのですが、だからこそ利用シーンは限られてしまいますね。

それに対して空力車は、もっと気軽に空を満喫することができます。料金は1区間3,000円で、写真撮影も可能です。通常空撮を業者などに依頼した場合、数万円はかかるそうなので、ドローンというカテゴリーの中でもこのサービスは破格なのではないでしょうか。

今後は360度カメラをドローンに搭載することで、体験者は360度映像を地上から楽しめるようにするという追加コンテンツも搭載予定なので、そうなったらもっと盛り上がりそうですね。

バリアフリーへの思い

空力車サービスに関して、提供元の株式会社シアンは、バリアフリー観光サービスとして提供していることも明らかにしています。

健常者にとっては容易に行ける観光も、障害者にとってはそうでないということも少なくありません。急な坂道や石畳、砂浜など、特殊な地形の多い鎌倉は尚更そうです。

空力車であれば、空からそれらの観光地にアクセスすることが可能なので、地形や体験者の年齢、有しているハンデに左右されることがありません。

株式会社シアンは、障害者やインバウンド向けにバリアフリー観光を提供している「ゲストハウス彩」とも連携して、今後も様々な角度から鎌倉の魅力を発信できるように全力を尽くしていくそうです。

高い場所から美しい景色を望むとなると、これまでは山に登るか、展望台に登るというのが一般的な方法でした。江ノ電や江ノ島エスカーを駆使してそれを実現する方法もありますが、万人が実行できる方法ではないですよね。

特に江ノ島の場合、島まで続く歩道の長さも相当あるので、そこで体力を奪われかねません。空力車はドローンが代わりに動いてくれるので、体験者がその場から移動する必要はなくなります。

しかも、展望台とは違って動き回るので、複数の景色をその場で楽しめるのも魅力的ですね。体験申し込みは株式会社シアンのホームページか、ゲストハウス彩に問い合わせることでできるそうなので、是非検討してみてください。

全国展開も視野に

空力車サービスは鎌倉を含め、現在国内3箇所での展開を検討しています。各地の特性とも相性を考えながら、全国に展開していく狙いがあるようです。鎌倉ではゲストハウス彩との宿泊セットのパッケージプランも展開しており、現地の企業や施設との連携も積極的に行っていく姿勢です。

「地元の個性的なガイドとコミュニケーションを通じて記録と記憶、さらには現地の食事とコラボレーションすることで、人の五感を刺激する忘れられない観光体験を目指す」としており、観光対象地域を増やしたり、観光地への滞在時間を増やしたりするといった狙いもあるそうです。

単なる観光アクティビティの一つとして完結するのではなく、地域全体を盛り上げて、消費を活性化する。これはどんな観光地にもニーズがある、素晴らしいサービスだと感じました。

終わりに

自分たちの街の美しさ、楽しさを伝える際に、空という角度からのアプローチは意外と有効なのかもしれません。全体的な町並みを見せながらガイドやクイズをしたら、その場所のことが一気に好きになれそうです。

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