360度画像とCGで不動産購入意欲を上昇!〜VRステージングの可能性を探る
360度カメラRICOH THETAが世の中にデビューしたのが2013年。はじめはコンシューマー(一般消費者)向けにリリースされました。しかしその後、THETAは不動産業界で活路を開くことになります。現在、ウェブ上の不動産ポータルサイトにおいて、THETAで捉えた360度の物件画像は、賃貸・売買ともに成約に結びつく重要なコンテンツとして扱われるようになりました。
この記事では、株式会社リコーが2018年から不動産業界に提案している「RICOH360 – VRステージング」について伝えていきます。
不動産業界と360度カメラ
2013年にリリースされた360度カメラRICOH THETA。コンシューマー(一般消費者)向けにリリースされましたが、発売当初から様々な業界から注目を浴びていたといいます。不動産業界では割と早いうちから問い合わせもありました。
不動産業界の抱えている課題のいくつかは、360度カメラTHETAで撮影することで解消できることが見込まれての導入であったようです。
360度カメラTHETA の導入で解消!物件内覧の課題
不動産物件の内覧時間の短縮と人件費の削減
不動産業界では、物件の内覧には営業社員が立ち会います。取り扱う物件は近隣に限らず、広域に及ぶことも多くあり、現地物件にたどり着くまでには往復の時間や交通費もかかります。
社員が一人動けばその距離や時間に応じての人件費も発生します。一度内覧した客が、物件内の詳細を確認するために再訪することもあります。実際の入居にあたって、電源コンセントの位置や部屋入り口のドアの向きを確認することなど些細な場所の確認も多いといいます。
不動産物件を360度カメラTHETAで撮影して課題を解消する
このような不動産業界における物件内覧の課題の多くは、360度カメラTHETAで撮影することで解消できます。
撮影の方法は、物件の内部に三脚を立ててワンショットで完了です。THETAで撮影した360度画像があれば、顧客はその場でVRで内覧の疑似体験ができます。コンセントなどの位置も再訪することなくその場で確認できます。
今でこそ、使い勝手の良い360度カメラはTHETAの他にも出ていますが、当時THETAがリリースされる前の360度カメラは、撮影や画像処理に特殊な作業が伴う上、価格帯も高く、ビジネスに手軽に取り入れるというにはハードルが高かったのです。
THETAは「手軽さがBtoB市場に受け入れられた」
RICOH THETAは、「(価格が)高い、(扱いが)難しい、(編集が)面倒くさい」といったイメージを覆しました。ワンショットで撮影が完了し、本体価格も比較的手頃です。
「手軽さがBtoB市場に受け入れられた」と製造販売を手がける(株)リコーSmart Vision事業本部DS事業センター事業開発部リーダーの稲葉章朗氏は、このインタビュー記事で当時を分析していたことを明かしています。
参照:「RICOH THETA」が不動産業界で示した存在感–BtoBでも広がる360度の可能性
リコーTHETAを使ってVRホームステージング
株式会社リコーでは、不動産業界において契約促進に役立つコンテンツとして「RICOH360 – VRステージング」を提案しています。
VRステージングは「ホームステージング」のVR版
近年では大手不動産会社でも積極的に取り入れられるようになったホームステージング。そのVR版でがVRステージングです。
ホームステージングのはじまりは、アメリカの中古不動産の市場で販売促進のために導入されました。中古物件に家具・電化製品・雑貨などを配置して、実際にはじまる生活を購入者層にイメージしてもらうことで、成約率をあげる手法です。
対象物件の購入を検討しているターゲット層が「欲しい」と思えるような物件へ、ホームステージング演出で見せ方から仕掛け、価値を高めていきます。
中古物件ですから、すべてが新しいモデルルームとは勝手が違います。補修や掃除の程度、整理収納など、ターゲット層が購入の意欲を持ってくれそうな家具を選ぶことも含めトータルコディネートが必須となってきます。また、居住中の場合もあります。
ホームステージングを手がける人のことを「ホームステージャー」といい、インテリアコディネーターとは一線を画しています。
参照:ホームステージングとモデルルームの違いとは?知っておきたい5つのポイント
ホームステージングで購買意欲はあがるのか?
アメリカのホームステージングについて、2019年3月の「Profile of Home Staging」によると
- 中古物件の購入者の40%が、購入にあたっては、ホームステージングの影響を感じている
- 中古物件の購入者の83%が、住宅をステージングすることで、将来の住宅として視覚化することが容易になった
- 中古物件の販売者の28%がすべての物件にホームステージングを行い、13%は売却が難しいと思われる住宅のみのホームステージングを行った
上記の結果はアメリカの一部地域の調査結果ではありますが、ホームステージングが近年日本の大手不動産会社でも取り入れられていることからも、その需要は多くあると見られているようです。
リコーTHETAで撮った360度画像をVRステージングする
株式会社リコーでは、360度画像のビジネス向けクラウドサービス「THETA360.biz」をベースにしたホームステージングサービス「RICOH360 – VRステージング」を提供しています。
撮影された360度画像にCG技術を使って、ターゲット層にむけて空室物件に家具や雑貨などをトータルコーディネートします。
「RICOH360 – VRステージング」の導入による効果として考えられるのは、不動産ポータルサイトによるWEB集客の反応の上昇、顧客の趣向に合わせたVRステージングのコンテンツを複数制作し成約率に貢献、画像素材としてWEBのほか紙媒体などでも利用することでの業務効率アップ、などがあります。
カメラメーカーとして実績のある株式会社リコーは、画像処理技術の追及は他業種の追随には負けません。実際に、カメラ事業部で画像処理を担当する技術部門と連携し、高画質撮影と処理はこだわりをもって徹底しています。
「RICOH360 – VRステージング」は導入されはじめています
野村不動産アーバンネットでは、不動産情報サイト「ノムコム」に「RICOH360 – VRステージング」を活用した物件情報を掲載しています。
三井不動産リアルティ株式会社は、不動産仲介ブランドの情報サイト「三井のリハウス」物件情報の公開を順次開始することを発表しました。(ホームステージングをVRで実現する「RICOH360 – VRステージング」を全国売買仲介取扱件数No.1※の三井不動産リアルティが採用)
ホームステージングをすでに手がけている株式会社サマンサホームステージングでは、「RICOH360 – VRステージング」と導入し、今後はVRホームステージングに力を入れていくことが発表されています。
参照URL:
RICOH360 – VRステージング
リコー、空室物件画像に家具などをバーチャル配置する「RICOH360‐VRステージング」を提供開始
VRステージングと不動産購入
不動産内覧などでVR体験をすると購入意欲が高まると思うと思う人は42%と言います。(参照:「不動産内覧などでのVR体験「購入意欲が高まると思う」42% マクロミル調べ」))
VRステージングで、物件購入を希望している人々のニーズに答えることで、不動産業界では成約率はあがります。
「「RICOH360‐VRステージング」」の詳細ページでご確認ください。
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