Appleの秘密兵器。「Apple Glass」で見ることのできる世界

筆者:阿久津 碧

メガネと言えば視力を矯正したり、おしゃれで身に着けたりするものでした。しかし今、そんな常識を覆す、AR要素の加わったメガネ型端末をAppleが発表しました。ARメガネで生活が180度変わり、文字通り目の周りだけで生活が完結する未来が訪れるかもしれません。

「Apple Glass」のコンセプトデザインが発表

言わずと知れた米国のコンピューター会社、Appleの新製品、「Apple Glass」のコンセプトデザインをiDrop Newsが公開しました。

これまでもiPhoneを初めとしたApple WatchやiPad、MacBookなど、革新的な端末を開発・販売してきただけに期待も高まりますね。

Apple Glassはその名の通り、メガネの形をしたウェアラブル端末です。同社は近年、iOS11向けにARアプリ開発キット「ARKit」を制作するなど、拡張現実の分野に力を入れています。その方針をCEOのティム・クック氏も明言しており、Appleが彩るAR世界に期待しているファンも少なくありません。

Apple Glassは、そのコンセプトデザインから、フレーム部分に内蔵した超小型プロジェクターの映像を、レンズに投影する仕組みだと考えられています。

他にも、テンプル(アーム/ツル)部分には様々なセンサーが埋め込まれており、カメラの起動などを実現してくれます。BluetoothやWi-Fiといったお馴染みの機能も利用できるので、小さな携帯のようでもありますね。

メガネで写真を撮り、ネットを見るなんていうのは、スパイ映画の世界だけのことと思っていましたが、Appleは見事に常識を打ち破りました。それも、メガネらしいフォルムやデザインを損なわずにそれを実現して見せたのです。

素材は金属がメインで、テンプルには革のような素材が使われているのが分かります。この辺りにも、Appleのこだわりのようなものが垣間見えます。

充電端子などはなく、卓上充電器によるワイヤレス充電が採用されると、コンセプトデザインからは推測することができます。ただ、どれくらいの電池容量があるのか、防水性能の有無などは不明です。

顔は汗などもかきやすいですし、夏場などは特に代謝がよくなるので、生活防水レベルの性能は欲しいところです。バッテリーに関しても同様で、この辺りは小型端末における共通の懸念とも言えます。

iPad Proなどで使うことのできる「Apple Pencil」も、この問題を抱えているように思えます。私は同製品を持っているのですが、Apple Pencilに関してはとにかく「早く充電も溜まるけど、早くなくなる」という印象です。

ある程度は仕方のないことだと割り切っていますが、実用品として扱う以上、どうしても期待はしてしまいますね。

気になる価格と販売時期

この未来的なデバイス、是非とも手に入れたいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで気になるのは、その価格と販売時期です。

米国の通信社、ブルームバーグによると販売の時期は2020年頃と予想されており、価格は1000ドル(10万円)前後だとiDrop Newsが報じています。現在のスマホ市場における端末価格から考えると、平均的な金額と言えるでしょう。

iDrop Newsのサイトでは多数のコンセプトデザインを確認することができるので、そちらも是非ご覧ください。

iDrop Newsの記事はコチラ「Inside Cupertino’s Upcoming Breakthrough Product: Apple Glass(英語)

メガネ型デバイスの強み

今回Appleはメガネ型デバイスのコンセプトデザインを発表しましたが、これは極めて実用的で合理的だと感じました。スマートフォンなどの携帯端末とは異なり、メガネ型の製品はハンズフリーで扱うことが可能です。

いわゆる「歩きスマホ」と呼ばれる危険操作などを行う心配もありません。VRゴーグルのように完全に視界を奪わないため、屋外での使用も容易です。別の記事では建築現場で採用されているヘルメット一体型ARデバイスについてご紹介していますが、こちらも極めて洗練された作りとなっています。

利便性やARとの相性を突き詰めると、デバイスの形はメガネ型、或いは帽子やヘルメットと一体型のデザインに収束していくのかもしれません。地図アプリを使う場合にも、視線を上げたり下げたりする必要がありませんし、道にも迷いにくくなるでしょう。

テーマパークなどで、ARメガネ型のアイテムを用いたアクティビティを導入するのも面白そうです。個人的に気になる点としては、前述したようなバッテリーの問題と、メガネを既にかけている人に対する配慮という部分です。

これらの問題は既に解決しているのかもしれませんし、2020年に向けて試行錯誤している真最中かもしれません。いずれにしても、Apple Glassは我々の生活を大きく変えることになるでしょう。

端末の装備は進化した人間の姿?

Apple Watchなどもそうですが、今回取り扱ったApple Glassなどは、身体に近い部分で利用する端末です。よく「メガネも身体の一部だから」なんていうふうに表現する人がいますが、時々、メガネで矯正した視力=自分の能力という考えの人がいます。

私もそうですが、眠るときと入浴のとき以外はメガネをかけているという人の場合、それが当たり前になってしまいます。裸眼ではどれだけ周りが見えないかということを、ほぼ忘れているかもしれません。

身体に近い部分で使う物ほど、自分の身体の一部になるという錯覚を起こすのかもしれません。そう考えると、自動で道が分かり、写真が撮れ、Wi-Fiに接続できるApple Glassを身体の一部だと錯覚したとき、人はそれをどのように感じるのでしょうか。

あるいは何も思わずに受け入れるのかもしれません。それはある意味人類の正当な進化なのかもしれませんが、そこに違和感を覚える自分もどこかにいます。

終わりに

これまでも世界を驚かせ、技術進化を飛躍的に進めてきたApple。私の周りにもApple Watchを使っている人や、iPhoneを持っている人は大勢いますし、私もiPhoneユーザーの一人です。文中でも述べたように、この端末を含めて自分の身体の一部なのではないかと錯覚するときが本当に多くなりました。それが恐ろしくもありますが、渇望している人が多くいるのも事実です。生活に欠かせない端末の開発企業としての地位を確立した同社が、次にどんな景色を見せてくれるのか、私も気になって仕方がありません。

Like@Wrap
Follow@Wrap

スポンサーリンク