活躍の幅を広げる「THETA」。360度カメラが捉える多くの瞬間

筆者:阿久津 碧

リコーから発売されている全天球型カメラ「THETA」が様々な分野で採用され、活躍の場を広げています。スマートフォンなどのカメラが普及した今、カメラ市場は厳しい位置に立たされていますが、その中でも躍進を続けられる同製品の魅力はどこにあるのでしょうか。

「THETA」がスマホのカメラと異なる部分

冒頭でも触れた通り、現在はスマホの普及によって、手軽に綺麗な写真が撮れる時代となっています。

デジカメを持つ人は減り、スマホで写真を済ませるか、思い切りハイクラスの一眼レフを買うかに二極化しているようなイメージです。他にもフィルムカメラやトイカメラといった需要はありますが、いずれにしてもカメラ市場は激戦区です。

その中でもTHETAが輝きを放っている理由は、主に次の三つのポイントが関係していると考えられます。

360度を写せる(映せる)

スマホでどれだけ手軽に写真を手軽に撮影することができても、その画像は平面的なものです。360度全てを撮影する「パノラマ」などの機能もありますが、立体的とは言えません。

対してTHETAは360度の風景を、動画や静止画で収めることが可能です。この点は非常に大きなアドバンテージでもあり、THETA最大の特徴とも言えるでしょう。

撮影画像をVRで楽しめる

THETAで撮影した画像は、VRとして楽しむことも可能です。VR映像を確認するためには別途VRヘッドセットを用意する必要がありますが、現在は比較的安価で入手できます。

VRで見た360度映像はとても立体的で、高い没入感を得られます。同じ写真というものであっても、全く異なる楽しみ方ができるのも、THETAが人気の理由の一つです。

アクセサリーが豊富

THETAは、一脚や三脚を始めとしたアクセサリーを装備することで、撮影方法の幅が広がります。一般的なカメラ向けに販売されているアクセサリーとの互換性が高いので、様々なアイテムと組み合わせることが可能です。

商品としての楽しみ方がアップするのも嬉しいですが、カメラアクセサリーを扱っている企業にとってもこれはありがたいですね。

報道現場でも活躍する全天球型カメラ

THETAの魅力は多くの業界で注目されており、最近はカメラ関係のニュースで見かける機会も増えるようになりました。報道機関でTHETAが活躍した例もあります。

2019年の1月16日、兵庫県の伊丹市で行われた阪神大震災「犠牲者追悼のつどい」でも、THETAは活躍しました。一脚に付けられたTHETAで撮影された写真の一部が産経新聞(大阪本社版)の一面を飾ったのです。

普通のカメラでは実現することのできないような、立体的で奥行きのある写真は迫力も満点です。現場に集まった人たちの空気感がそのまま伝わってくるような臨場感に溢れており、記事のインパクトを引き立たせる効果を見事に生んでいました。

このように、フォーマルなシーンでも十分に通用する力がTHETAにはあり、それも活躍を後押しする要因となっています。他にもTHETAが利用される理由はあります。

産経新聞の場合は、当初一眼レフカメラに魚眼レンズを装備して、広い画角の撮影を行なっていました。その後THETAを採用することになったのですが、その強みは安さだと語っています。

報道用のカメラとなれば、一台何百万もすることがあります。しかしTHETAであれば、数万円で購入することが可能です。報道先で突然テレビカメラが壊れたら対応できませんが、THETAであれば近くの家電量販店で急いで買い足すこともできるでしょう。

安さはフットワークの軽さにも繋がりますし、非常に重要なことです。加えて手軽に取り回しできるというのも、報道の現場にマッチしている理由だったのかもしれません。

紙だけではなく映像やネット経由で情報を伝えていく時代だからこそ、カメラなどの機器にも性能や値段、扱いやすさが一層求められます。THETAはその需要の移ろいに、見事にマッチしたのかもしれません。

続々と市場に広がる「THETA」旋風

報道現場以外でもTHETAは使われています。例えば不動産業界です。以前当サイトでも内見を自宅で行える、VRシステムと360度画像の組み合わせについての記事をご紹介しました。

他にも、リクナビが360度カメラを導入して、就職活動を円滑化した記事などもあります。これらはほんの一例で、360度カメラが活躍しているシーンは無数に存在します。それだけ、広い画角で多くの情報を的確に伝えられる映像の価値は高いのでしょう。

今後も報道やビジネス、アートや趣味と、様々な分野、シーンでTHETAを見かける機会が増えていくのではないかと思います。機種もいくつか出ており、最新型のものも2019年の3月下旬に発売します。

プロが使う上では現行のTHETAの画質はやや低いという声もありましたが、最新機種では画質も向上しており、痒い所に手が届く商品となっています。

これまで写真やビデオを趣味や仕事にしてきた人にも、全く興味がなかった人にもオススメできる素晴らしい商品となっているので、そちらも別途レポートしていきたいと思います。

終わりに

一眼レフともスマホのカメラとも違う全天球カメラは、隙間的な需要に対して上手にマッチできたのではないかと思います。一方で、消費者がこの魅力的なカメラを使いこなしきれない部分もまだまだあります。THETAにはこんな楽しい使い方や、こんな画期的な撮影シーンがあるというのを、もっと周知できれば、更に需要が拡大していくのではないかという気がしました。

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