CanonのカメラをVRで試し撮り。VRカメラシュミレーター

筆者:阿久津 碧

一眼レフカメラは日々目覚ましい進化を遂げており、その性能も価格もハイクラスになると相当高いものがあります。だからこそ消費者としては慎重に選びたいところなのですが、そんなカメラの試し撮りがVR上で行えるサービスが存在するようです。

Oculus上での試し撮り

カナダに拠点を置いているCanon Innovation Labがアメリカの企業、OculusVRが開発・販売しているヘッドマウントディスプレイ、OculusRift向けにリリースしている写真撮影アプリケーションがあります。

以下はその公式動画です。

Canon Camera Simulator in Oculus – YouTube

動画を見ていただくと分かりますが、実際にCanonから販売されている一眼レフカメラのボディとレンズを組み合わせて、撮影シミュレーションを行うことができます。

撮影の際にはISOやシャッタースピード、絞りといった設定も細かく決めることができ、撮影映像にもリアリティがあります。

設定を決めたらVR空間上で構図を決めるのですが、この辺りはVRを使い慣れた人であれば、難しい部分はないでしょう。動画でもお分かりいただけるのですが、撮影された写真は事前に設定した数値に忠実な写りとなっています。

被写界深度が浅い設定で撮影された写真は奥にピントが合っていて、手前は綺麗にボケています。単焦点レンズなどで撮影するとこの違いは更に顕著で、美しいボケ方をするのですが、それはシミュレータでも同様です。

ズームレンズもテレ端ワイド端(長い焦点距離と短い焦点距離)両方で撮影することが可能なので、どの程度遠くまで撮影が行えるかのイメージもしやすそうですね。

それ以外にも、カメラのセンサーサイズ毎の写りや、被写界深度毎のファインダーの見え具合(画角)も忠実に再現されており、とてもリアルなアプリとなっています。

買い物をする上で大きな参考になる

こういったアプリがリリースされたことで、消費者としても購入する上で分かりやすい判断基準が生まれたのではないでしょうか。家電量販店でもカメラの試し撮りは可能ですが、それには限界があります。

光量が十分な店内で適当な場所を撮影しても、正直あまり参考にはなりませんし、実用時にはギャップを感じると思います。展示用の一眼レフにはSDカードが入っていないので、基本的には撮影写真をじっくりと確認することもできません。

対して今回ご紹介しているアプリは屋外での撮影を想定していますし、構図などもある程度自由に選ぶことができます。カメラを実際に握る感覚などはさすがに味わえませんが、それを抜きにしても十分実用的だと感じさせられました。

このアプリだけで購入する機種を決断できるかと言われれば難しいところですが、家電量販店に足を運ぶ前に、一度使ってみる価値はあると思います。

昨今は店舗に足を運ばず、インターネット上で買い物を完結させる人も相当数いるので、尚更オススメできます。VRヘッドセットとアプリさえあれば、気軽に利用することができるのも魅力ですね。

カメラ初心者の練習にも

もう一つ感じたのは、カメラ初心者の練習環境としての可能性です。私も初めて一眼レフカメラを購入した際に感じたことですが、とにかく何から勉強すればいいのかが分かりませんでした。

取り敢えず一冊書籍を購入して、絞りだF値だ、シャッタースピードだという単語と意味を知り、少しずつ学んでいったのを覚えています。そのプロセスを無視することは未だに不可能ですが、事前に体験できる環境が存在することの意味は大きいと思います。

カメラを購入する前にじっくりと試し撮りができるので、「この風景、この画角ならこれくらいの設定」というのを好きなだけ体験することができます。「そんなものはカメラを購入してから好きなだけ練習できる」という意見も聞こえてきそうですが、実際全員がそうしているとは限りません。

私の周りでも、せっかく一眼レフカメラを購入したのに設定が難しくて、結局フルオート(全ての設定をカメラ側で決めてくれる設定)でしか撮影していないという人が何人もいました。

ペットや子どもの一瞬の表情、スポーツやレースなど動きのある被写体を撮影するチャンスは限られています。その限られたチャンスを逃さないためにも、結局フルオートが安心だという気持ちになってしまうのだと、知人の一人は言っていました。

それ自体は悪いことでもありませんし、どのような設定で写真を撮影するか、何に楽しみを見出すかはそれぞれだと思います。しかしせっかく高価な機材を購入したのであれば、存分にその機能を引き出すべきだというのが私の考えでもあります。

そう考えたとき、何度でも失敗できて、それでいてリアルな撮影を体験できるこのアプリは、まさしく最適な練習場だといえます。現在は使用できるボディ、レンズともに限られていますが、今後はエントリーモデルや中級者向きの機材も追加されれば嬉しいなと思います。

将来的にはエントリーモデルの売り上げが下がるか?

好きなだけ撮影のシミュレーションができる環境があるということは、向上心さえあれば、一眼レフカメラを持っていなくとも、それなりに上達できるようになるということでもあります。

普通カメラを初めて買うとなると、予算的に考えても知識的に考えてもエントリーモデルのものを選ぶはずです。今後それらのモデルが試し撮りできるようになったとき、購入前にある程度写真が上達したら「この機体じゃ物足りないかも」と思う人が出てくるかもしれません。

カメラデビューをする前に、エントリーモデルでは物足りなくなるという不思議な現象ですが、十分に考えられるのではないでしょうか。「一眼レフを買ってもいいけど、最低限の使い方はアプリで覚えてからね」なんていうふうに旦那さんや奥さんから釘を刺されて、思った以上に上達するケースもありえます。

そうなったとき、一眼レフカメラのエントリーモデルは需要が下がるか、今以上に高い性能をローコストで求められることになるかもしれませんね。

終わりに

どれくらいの頻度で利用するのか、被写体は何か、予算はどれくらいかなどで、購入するべきカメラは当然変わってきます。今回のサービスはそれらの条件をすり合わせる上で、ぴったりなサービスなのではないでしょうか。私もカメラがとても好きなので、Canon以外でもこういったサービスが出てくると大変ありがたいと感じました。

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