映画館でVR鑑賞。「映画館でVR!」が新宿に上陸

筆者:阿久津 碧

週末は大型デパートへ出かけついでに、映画館でVR作品を楽しんで帰る。そんな過ごし方が当たり前になる時代がいよいよ訪れるかもしれません。既に最近の映画館は2Dだけではなく3D、4DX作品なども扱っていますが、今回のVR導入がどのような反応を集めるのか、非常に興味深いですね。

新宿バルト9でVRが常設

映画館でVR映像の鑑賞ができるサービス「映画館でVR!」が2019年の4月から常設されることになりました。運営元はVAIOと東映、博報堂グループのクラフターで、4月4日には「N高等学園」(角川ドワンゴ学園)のバーチャル入学式が催されるそうです。

元々この取り組みは2017年の12月に発表されたもので、「映画館でVRを楽しむ」という理念のもとに発足した共同事業「VRCC」(VR Cinematic Consortium)に基づくものです。

料金は1500円で、時間は30分ほどとなっています。利用者は入り口で係員からVRヘッドセットを受け取ります。劇場内で流れるガイダンス映像に従ってヘッドセットを装着したら、その後は特別な操作をする必要はありません。

コントローラーなども必要とせず、音響も映画館に備わっているものを利用するので、誰でも簡単に利用することが可能です。現在予定されている上映作品は映像会社・カラー(代表・監督:庵野秀明)とドワンゴが製作したアニメ「evangelion:Another Impact(VR)」、「おそ松さんVR」、「夏をやり直す」(クラフターオリジナルアニメ作品)の3作品があります。

現状は一ヶ月、毎日2回上映を予定しており、来場者数の推移を見ながら今後の予定を決めていくそうです。その結果次第ではありますが、反応が良ければ今後もアニメやホラー作品、ライブ映像などを上映していく予定だそうです。

広がる映画館の利用方法

今回の「映画館でVR!」も特殊な映画館の利用方法の一つですが、これ以外にも様々な映画館の利用方法が世の中にはあります。

映画館で結婚式

映画館で結婚式なんて、映画好きな人であれば憧れるのではないでしょうか。考えてみれば、結婚式に関連するムービーを流すことのできる大画面のスクリーン、沢山の列席者が座れるだけのシートなど、映画館は結婚式に適した設備が揃っています。

映画館のロビーで行う披露宴や撮って出しムービー、映画館らしいウェディングケーキやホットスナックのサービスなど、とても魅力的な内容となっています。

ライブ・ビューイング

コンサートやイベントの映像が見られるライブ・ビューイングサービスを行なっている映画館もあります。地方在住者やチケット落選者でも大画面、高音質でイベントを楽しむことができるので、人気を集めています。

セミナー・イベント、研修

映画館を利用して様々なイベントや研修を行う個人・法人もいます。大掛かりなセミナーやイベントを行う際、難儀するのは会場の確保です。映画館は大勢の人を集めるのに適していますし、大抵はアクセスしやすい場所にあるので気軽に使うことができます。

他にも、新入社員などを対象にしたレクリエーションでも映画館は重宝されています。自社オフィスに大部屋やスペースを持たない企業でも気軽に利用できますし、オフィスよりも楽しい気持ちで参加できるはずです。

スクリーンの問題も

今回「映画館でVR!」は新宿バルト9で常設となりましたが、全国で展開するためにはスクリーンの問題を解決しなければいけないと思います。

スクリーンの問題とは、つまりはスクリーン数の問題です。小さな映画館ではスクリーン数が限られていますし、その中で映画以外の作品を上映するためにはスケジュールを相当工夫しなければいけません。

大きな映画館であっても3D作品や4DX作品などがスクリーンを埋めている上、一つの作品が字幕・吹き替えで上映されることも加味すると、余分なスクリーンはほとんどありません。

その上先述したような利用方法も映画館にはあるので、少ない席を争うことになるでしょう。

映画館でVRをどれくらい普及させようと運営元が考えているのかは分かりませんが、もしも大々的な展開を考えているのであれば、この問題を無視することはできません。

個人的には是非とも全国的に普及してほしいと思っていますし、映画館でVR体験をしたいとも考えています。映画館側、サービス提供側が折衷案を見出だせるといいですね。

料金や放映時間が鍵となるか

現状のVR作品は放映時間が30分ほどとなっており、映画と比較すると短いという印象を受けます。元々同じ映像作品でも、映画をライバル視しているかは分からないのでそこと比較するのはナンセンスかもしれません。

しかし映画館で上映する以上、比較対象に映画を持ち出す消費者が出てくる可能性は非常に高いのではないでしょうか。そうなったとき、放映時間の短さと、1500円という料金がどのように捉えられるのかが一つの鍵となってくるでしょう。

現実問題として、VR作品を長時間観ていると乗り物酔いのような感覚に陥る人もいるので、無闇に時間を伸ばせばいいというわけではありません。それこそ、映画と同じ時間のVR作品が出てきたら、料金を1500円のままにしておくこともできないはずです。

そういった諸々の点も、4月からの上映でどのような反応が得られるのかを見ながら考えていくことになると思うのですが、新しい試みが好意的な目で見られることを願います。

終わりに

毎月のように映画館へ通う私としては、今回の発表にはとても注目していました。一方で、文中に述べたようなスクリーンや料金、放映時間の問題もあるので、今後VR鑑賞と映画館がどのように付き合っていくのか、引き続き楽しみにしていきたいですね。映画館で「今日はVRにする?普通の映画にする?」という会話が交わされたり、2D、3D、4DXとは別に、VR版というのが上映されたりする時代が訪れるかもしれません。

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