未来では仮想空間での仕事が当たり前に?VRオフィスサービス
オンライン上で仕事をしたり、会社に通わなかったりという選択肢が増えてきている昨今、VRオフィスというものが新たに生まれました。文字通り仮想空間上にオフィスを構えるサービスですが、どのような企業、どのようなシーンで活躍するのでしょうか。VRオフィスの特徴や魅力についてご紹介します。
本記事の内容
リアルバーチャルオフィスの建築サービス
株式会社ティーアイ(品川区、代表:今川哲矢)は、VR空間上にオフィスを設けるサービス「リアルバーチャルオフィス(RVO)」サービスを開始しました。
VRChat上に試験的に設置されたオフィス動画も動画投稿サイトにアップロードされており、見ることができます。
実際のティーアイ本社をモチーフにしたVRオフィスとなっており、細部まで作り込まれていることが分かると思います。
複数人がVR空間上で会議や打ち合わせなどを行うことができ、現在トライアル企業の募集を行っています。導入サポート料も無料なので、VR導入を検討している企業にはとてもオススメです。
バーチャルオフィスのメリット
こういったバーチャルオフィスを用いることで、企業側にはどのようなメリットがあるのかということを考えていきます。
離れた場所にいるメンバーと、距離を感じずにやり取りができる
まず挙げられる利便性は、遠方に住んでいる社員との会議が簡単に行えるということです。それ自体は電話でも可能なことですが、バーチャルオフィスの場合、仮想空間でアバター同士が会話をすることができます。
音声の通話とは違い、身振り手振りを交えて話すことができるので、お互いに距離を感じず、目の前で話し合っているような感覚でコミュニケーションが可能です。
話したい人同士が適切に話せる
話したい人同士が適切に話せるのもバーチャルオフィスの魅力です。オンライン会議やチャットで話すと、少人数であれば問題ありませんが、例えば10人以上が集まるようなシーンでは混乱が生じます。
使い勝手も悪いですし、十数人が参加するテレビ会議だと、誰が何を話しているのか理解するのも大変です。中にはその場に参加しなくてもいい人や、特定の人と特定の内容を少しだけ話したいという人もいるでしょう。
結局「ウェブ会議が終わってから〇〇さんだけログアウトしないで残っていてください」などというふうに、後で話をするか、メールなどを送ることになるので、どちらにしても時間の無駄となります。
バーチャルオフィスであれば、話したい人同士がオフィスにある適当な場所で話せますし、関係のない人を不必要に拘束せずに済みます。
道具を使うことも可能
バーチャルオフィスでは道具を使うことも可能です。口頭だけで説明できない内容などは、ホワイトボードを用いて説明したり表現したりすることができるので、バーチャルであることを感じさせません。
地方の人材を気軽に雇用しやすくなる
バーチャルオフィスが普及すれば、必然的にフリーランスやテレワーカーといった働き方が一般的になるでしょう。企業側からすれば、優秀な人材を居住地に関係なく雇うことができるようになります。
海外にいる人材も雇用の対象になりますし、正社員以外の雇用方法も検討しやすくなります。人件費を抑えたり、適材適所に人員を配置したりしやすくなるので、それぞれの従業員が最大限に活躍できるようになるでしょう。
人口問題にも影響を与える
日本の場合都内に人口が集中しており、これは将来的にも大きな問題となるでしょう。しかし前述したように、テレワーカーや地方の人員雇用が加速すれば、都内に住む理由が一つ減ることになります。
地元にいながら都内と同じだけの時給、月給を稼ぐというのも当たり前になるでしょう。無論、東京には賃金以外の利便性もあるので、この問題が一気に解決するとは言えません。
ですが、「仕方なく」都内に住む人は減りますし、何らかの事情で田舎に帰らなければいけなくなった人も、勤務地を変えなくても済むようになるかもしれません。
働き方に多様性が生まれる
バーチャルオフィスは働き方の多様性を生み出します。会社に出社しない社員、顔を見たことのない同僚。これまでは考えられなかった働き方が当たり前になるのです。この多様性は、社会進出の手段を増やしますし、多くの人の悩みや課題を解決することになるのではないかと考えています。
北米ではオフィスを持たない企業も
北米の不動産会社、eXp RealtyはこういったVRオフィスを実際に導入している企業の一つです。リアルの世界にはオフィスを持たず、VR空間上で会議や研修を行います。
出社=アバターによるログインなので、当然社員の居住地などに左右されることもありません。時差という問題はありますが極端な話、地球の裏側にいても出社して働くことができるのです。
同社は着実に収益を増やしており、今の所この働き方で大きなエラーも生じていないようです。オフィスを持たないので、テナント代や光熱費といった経費も節約することができます。
オフィスは消え去り、高層マンションだけが立ち並ぶビル群。そんな都市像が想像できてしまう未来的な働き方ですが、日本のように土地が狭い国にも、このスタイルはマッチしているのかもしれません。
終わりに
将来的に会社という共通の職場が必要なくなる時代が訪れると思います。しかしそういった環境が不要になっても、組織に所属する人間が定期的に集まれる場所がバーチャル上にでも存在すればいいなという気持ちはあります。今回のバーチャルオフィスは、そのニーズに絶妙にマッチしていると感じました。
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