プレスリリースを360度で。リコーとPR TIMESが業務提携を発表

筆者:阿久津 碧

プレスリリースなどの発表をメインに行うメディアを運営している株式会社PR TIMES(東京都港区南青山、代表取締役:山口拓巳、以下、PR TIMES)とリコーが業務提携を締結することが2019年3月25日に決定しました。これによって新たに利用できるサービスや、予想できる動向などをご紹介していきます。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000043114.html

PR TIMESにTHETAがやってくる

業務提携をきっかけに、PR TIMESのページ上で、THETAで撮影された360度画像を掲載できるようになりました。従来のような平面的な写真情報だけではなく、広い視野での画像が見られるメリットは大きいものだと思います。

360度画像をアップロードする方法も非常に簡単で、今回の提携をきっかけに、リコーとPR TIMESはクラウドサービス「THETA 360.biz」という新機能を共同で開発しました。

この機能を使えば、ワンアクションでPR TIMESに画像を投稿することが可能になるので、360度カメラの扱いに慣れていないという人でも心配する必要はありません。

また、注目したい機能としてタグ機能が存在します。外部の記者などに向けた埋め込みタグを用いれば、プレスリリース発表企業側が素材として提供したいと考えている360度画像を直接ダウンロードしてもらうことができるので、別のメディアなどに利用してもらいやすくなるという配慮もされています。

情報の鮮度を失わないまま別の場所でも報道してもらえるので、発表を出す企業からしても、それを確認する別のメディアからしてもありがたい機能ではないでしょうか。

5Gと共に動画の導入も

現在は静止画のアップロードのみに対応していますが、今後は5Gの導入に合わせて動画コンテンツもアップロードできるように、両社の間で調整が行われているそうです。

360度動画をプレスリリースに入れ込み、VRなどにも対応すれば従来とは比較にならないほど膨大な情報を届けられるようになるのではないでしょうか。

360度カメラやVRに関するニュースはPR TIMESでも度々取り上げられていましたが、リコーとしてもPR TIMESと共感できる部分が多かったようで、両社のそんな思いが今回の提携に結びついたのかもしれません。

立体的な情報でロケハンいらずに

PR TIMES代表取締役の山口氏は、360度画像導入により、ロケハン(ロケーション・ハンティング)が不要になるかもしれないと語っています。立体的に情報を伝えられるようになることで、網羅的に必要な情報を最短手順で伝えられるようになるからです。

これは360度カメラの大きな強みといえるでしょう。動画とも、平面的な写真とも異なる360度画像は、必要な情報をワンショットで伝えられるという特徴があります。

動画のように不要な部分を編集する際にも手間がかからず、スマートフォンからでも直感的に行えます。撮影からアップロードまでの時間も節約できるので、鮮度が重要な情報を発信する際にも大いに役立つのではないでしょうか。

動画編集や撮影に関する知識がないという人でも全天球カメラは簡単に利用できるので、専門性や専門スタッフも必要としません。

単純にロケハンが不要になるということだけではなく、従来と同等に近い情報を、従来よりも手軽に発信できるという特性があるのです。

先着100社限定のキャンペーンも

PR TIMESとリコーの提携を記念して、先着100社限定のキャンペーンが行われることも発表されました。内容としては月額料金無料での広告非表示、月間PV制限なしのPR TIMES提携というもので、非常に魅力的な内容となっています。

通常であればプランによっても異なりますが、最低でも5,000円、最高で50,000円の月額料金を支払う必要があるので、このキャンペーンは新規導入のきっかけとしては十分だと思います。

それほどまでにこの提携に対して、リコーとPR TIMESが力を入れているということなのでしょう。キャンペーンの現状については詳しい情報が見つかっていませんが、360度画像の導入を検討している企業は、お早めに問い合わせることをオススメします。

キャンペーンに間に合わなかった場合も様々なプランが用意されているので、自社のスタイルにマッチしたプランを検討してみてください。

企業のTHETA導入にも期待

リコーはPR TIMESとの提携をきっかけに、多くの企業がTHETAを本格的に導入することも期待しているのではないでしょうか。とはいえ、今回の提携は直接的なTHETAの販売には繋がりません。

というのも、リコーとPR TIMESが共同開発した「THETA 360.biz」を利用する際には全天球カメラの「RICOH THETA V」と三脚を無料でレンタルすることができるのです。全天球カメラのレンタルも無料で、先着100社の中にも入れた企業は、今回のサービスは完全無料で利用することが可能になるということですね。

とは言え、「THETA 360.biz」を利用する以外にも、全天球カメラが役立つシーンは無数にあると思います。一般企業でもそうですが、ウェブメディアを運営している企業や、メディア制作を担当している企業の場合は尚更です。

「THETA 360.biz」を通して十分に試し撮りができれば「本格的にTHETAを社内に導入しようか」という動きがあっても不自然ではありませんし、リコー側もそういった長期的なPR効果も狙っているのではないでしょうか。

まだまだ一眼レフカメラやスマートフォンのカメラと比較すると普及率が低く用途も限定的なTHETAですが、多くの人にその有用性が認知されれば、市場の勢いも加速していくことでしょう。

「THETA 360.biz」の応用

個人的に注目しているのは「THETA 360.biz」の応用です。PR TIMES上に360度画像を簡単にアップロードすることがこのシステムの主な目的ですが、非常に汎用性が高いのではないかと思います。

例えば、全天球画像のアップロードに対応していないSNSや、個人のWebページにこの技術を提供すれば、360度画像が今以上に多くの場所で見られるようになるのではないでしょうか。

「360度画像には興味があるけれど、アップロードの仕方が分からない」

「動画サイトに挙げたいけど、操作が難しそうで中々購入に踏み切れない」

「せっかく買っても、日頃利用しているSNSで共有できない」

上記のような悩みや疑問を抱いている一般の消費者は少なくないと思います。実際360度画像や動画に対応していないというプラットフォームも現状では多いので、不安が現実のものとなるケースもあるでしょう。

360度カメラ市場が解決するべき問題は、単純な性能アップやPRだけではなく、こういった部分にもあるのではないでしょうか。逆にこの点を解決することで、一気に市場に受け入れられる可能性もあります。

一眼レフカメラなどはスマートフォンやミラーレス、デジカメなどの競合相手がいますが、全天球カメラのライバルはまだそれほど多くはありません。一眼レフカメラに魚眼レンズを装着して撮影するよりも簡単ですし、編集方法も多岐に渡る上、値段も安く済みます。

だからこそ、共有のしやすさ、プラットフォームの拡大といった点は最後の壁とも考えられます。「THETA 360.biz」はこの問題を打開する切り札になるかもしれません。

現実には他社の全天球カメラを利用しているユーザーも多くいるので、「THETA 360.biz」をそのまま流用するというわけにはいかないかもしれませんが、大きなヒントにはなるでしょう。

終わりに

平面的な画像よりも圧倒的に多くの情報を伝えることができる全天球カメラ。ビジネスシーンやリクルートに関連する部分でも度々用いられてきましたが、今回のPR TIMESとの提携でも大きな効果を発揮してくれるのではないかと思います。実際に「THETA 360.biz」を用いて何かしらの発表を行う例が今後、実際に出てくると思いますが、各社がどのように360度画像を利用しているのかにも注目していきたいですね。

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