360度カメラ「Insta360 EVO」2019年4月から通販販売へ
SB C&S株式会社(東京都港区東新橋、代表取締役社長兼CEO:溝口泰雄、以下SB C&S)は中国Shenzhen Arashi Visionが販売している360度カメラ「Insta360 EVO」を2019年4月12日より、一部オンラインショップなどで販売することを発表しました。
本記事の内容
「Insta360 EVO」の基本性能
Insta360 EVO最大の特徴は、折り畳み式の360度カメラであるということです。これまでも全天球カメラは様々な企業が販売していますが、折り畳み式のものは珍しいのではないでしょうか。
本体を最大まで広げると180度の3D撮影が可能となり、半分に折り畳めば360度での撮影が可能になるという仕組みです。全天球だけではなく、180度の3Dに対応している点が中々魅力的ですね。
しかもInsta360 EVOの場合、付属のカバーをスマートフォンに装着することで、裸眼でも3Dを楽しむことが可能となっています。
画質も高く、5.7K(5760×2880)の360度動画と1800万画素の360度静止画像が撮影可能となっています。驚くほどの高画質というわけでもありませんが、個人、法人を問わず幅広い利用が可能な性能であることは間違いありません。
本機は撮影のしやすさにもこだわっています。「FlowState」という手ブレ補正技術を搭載しているため、持ち歩きながら撮影を行なっても、ヌルヌルとした美麗な映像で記録することができるという特徴があるのです。
高画質なビデオカメラでも手ブレ補正が甘いと上手く撮れなかったり、見返したときに酔いやすい映像になっていたりするので、これは非常にありがたいですね。三脚などが使えないシーンでもFlowStateが機能すれば、撮影環境の幅も広がりそうです。
外部メモリもMicroSDカードで128ギガまで対応しているので、沢山動画を撮ったとしてもメモリ不足になる心配がありません。非常時にはコンビニなどでもメモリを買い足すことができるので、重要なシーンを撮り逃す心配もありません。
気になる価格は5万6000円と、全天球カメラの中ではやや高価な部類になりますが、それに見合う性能だと言えるのではないでしょうか。単なる全天球カメラという位置付けに止まることなく、3Dという特性を備えているのも大きいでしょう。
その他の基本性能は以下の通りです。
シャッター速度: 1/4000s~55s(手動設定時)
1/4000s~1/4s(シャッター速度優先時)
ISO感度: 100-3200(手動設定時、ISO感度優先時)
ファイル形式: insp、dng(RAW)、jpg(スマートフォンアプリ内変換)
撮影モード: 標準、タイマー、インターバル、RAW、HDR
販売サイトより。
製品紹介に関する動画も多数アップロードされているので、そちらも参考にしてみてください。
製品紹介動画はコチラ
国内での販路は現在SoftBank SELECTIONをはじめとした一部オンラインショップの他、家電量販店などでも販売されるので、気になる方はチェックしてみてください。
スマートフォンアプリからの撮影も
Insta360 EVOにはアプリから撮影を行う「TimeShiftモード」が搭載されており、タイムラプス動画撮影も行えます。アプリで撮影した動画の編集やSNSへの投稿も容易なので、素早く思い出を編集、共有できるのもありがたいところです。
私も昔、一眼レフカメラを使ってタイムラプスに挑戦したのですが、そのときは機材の性能や道具などの問題が立ちふさがって、結局実現することはありませんでした。それが今、こんなにも簡単にタイムラプス撮影が行えるということにただただ驚いています。
今でこそスマートフォンでもタイムラプスは撮影可能ですが、画質やズーム(デジタルズーム・光学ズーム)の違いはやはり大きいでしょう。結婚式などの行事の動画を撮影し、編集したものを式の途中で流す、なんていうスピーディーな使い方にも対応できそうですね。
VRヘッドセットでの鑑賞も可能
Insta360 EVOで撮影した動画は、Oculus GoやSamsung Gearを用いることで、VR動画としても楽しむことが可能です。360度カメラを使って撮影した動画ですから、せっかくならより立体的に楽しみたいですよね。高画質で撮影された映像だからこそ、このように様々な見方ができるのも嬉しいポイントです。
付属の折り畳み式3Dグラスとスマートフォンを組み合わせると、スマホで3D映像を楽しむこともできるので、自分に合った使い方をしてみてください。こういった3D、VR対応の端末はビデオカメラに代わる存在になるかもしれません。
その場にいなかった人でも、3DグラスやVRヘッドセットを装着することで、旅行や想い出をリアルなものとして体験することが可能ですし、従来のビデオカメラ的な役割も継続して果たすことが可能です。
価格もビデオカメラと大きくは違わないため、今後両者の商戦は益々激しいものになっていくのではないでしょうか。没入感という面ではビデオカメラが圧倒的に不利になりますが、それを受けてどのような進化や変化が見られるのかという部分にも注目していきたいところですね。
アマチュアによる動画作成の活発化
こういったハイスペック機材が比較的安価な価格で手に入ることで、動画作成や編集のハードルも大きく下がるのではないでしょうか。タイムラプスや全天球画像などは映画のワンシーンで使用されることもあり、簡単に「オシャレ感」を演出してくれる効果があります。
昨今はドローンなどで気軽に空撮もできるようになったため、従来よりも低いコストで高いクオリティの映画やドラマを撮影できるようになってきています。実際、GoProとiPhoneだけで撮影された映画というのも世の中には存在しますし、クリエイターにとってはとても明るいニュースだと感じました。
若干異なるケースですが、2017年に制作されて大ヒットした『カメラを止めるな』などは300万円という低予算ながら、2018年度の邦画興行収入ランキングは7位と、異例の大ヒットを記録しました。気軽に入手できる高性能カメラの台頭は、第2のカメ止めを生み出す後押しをするに違いありません。
全天球カメラやハイスペックカメラの開発、販売を行っている企業としても、そういった層からの需要を期待しているのではないでしょうか。
一般ユーザーの悩みとフォトコン
新しいニーズやクリエイティブな用途が期待できる全天球カメラですが、一方で一般の方にとっては「こんなに高い機能が備わっていても使いこなせない」、「どんな場面で利用すればいいのだろう」なんていう声も聞こえてきそうです。
その点を上手に消化できるSNSサイトや動画・写真コンテストなどが開かれると、もっと全天球カメラ業界は活気付くかもしれませんね。ちなみに現在も数は限られていますが、360度画像に特化したフォトコンテストはいくつか開催されています。
全天球カメラに興味はあるけれど具体的な用途が思いつかないという方は、そういった面でも調べてみてはいかがでしょうか。
普通のフォトコンではカメラマニアや、高級機材を持っている相手と競うことになりますが、全天球部門であればまだまだ発展途上ですし、良い結果を残せるかもしれません。
評価は二の次として、沢山の人に自分が撮影した写真を見てもらえる機会というのは貴重です。さらには従来のカメラの撮り方とは違った技術が見られるかもしれませんし、とても面白そうですね。
終わりに
国内にもリコーTHETAを始めとした魅力的な360度カメラが存在しますが、今後は海外ブランドも続々と市場に参入してくると思われます。消費者は数多くある選択肢の中からどれを選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。それぞれのカメラに魅力や長所が存在するので、自分がどのように360度カメラを活かしたいのか、用途と相談しながら、最適な機種を探してみてください。
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