ダイソンが新型掃除機を発表。360度カメラを搭載した性能と特徴

筆者:阿久津 碧

「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」のキャッチコピーで有名なダイソンが、最新の掃除機を2019年2月27日に販売しました。これまでも革新的なアイディアやデザインの盛り込まれた製品を販売していた同社ですが、今回は掃除機×360度カメラという試みを行った製品を発表したそうです。その特徴と、驚きの性能について見ていきましょう。

360度カメラが搭載されたロボット掃除機

去る2月の下旬に、都内にて発表されたダイソン製ロボット掃除機の最新モデル『Dyson 360 Heurist(ダイソン スリーシクスティーヒューリスト)』が同日から販売も開始されました。

直営店とオンラインストアによる先行販売で、価格は11万8800円となっています。既に3月18日から量販店による販売も行われているので、自宅の近くの電気屋さんなどでも売られているかもしれません。

名前にも360という数字が入っていますが、この掃除機には360度を見渡すことのできる全天球カメラが搭載されています。

一目見てダイソンだと分かる特徴的なデザインと、パープルを基調としたカラーも健在です。ダイソンは以前にもロボット掃除機の販売をしており、そちらは『Dyson 360 Eye』というモデルでした。今回新しく発売されたのは、その後継機に当たるシリーズです。

前回の『Dyson 360 Eye』が発売されたのが2015年の10月なので、その頃から随分と時間が空いたように思えます。その分機能面でも大幅なパワーアップが実現しており、家電マニアやカメラマニアも注目しています。

発表会では『Dyson 360 Eye』の展示も行われていましたが、外観上の違いはほとんど無いように思えます。配色は微妙に変わって、全体的にパープルが強く押し出される感じになりましたが、形や大まかなデザインはほぼ同じといえるでしょう。

性能面では、まずダイソンが売りにしている吸引力が20%向上しており、パワフルになりました。掃除機に求められるものは軽さやデザイン、価格など人によって様々だと思いますが、吸引力という項目も妥協はできないポイントでしょう。

発表会では他社のロボット掃除機と比較しながら、その吸引力を存分に披露しました。力強さも去ることながら、回転式のブラシではなくローラー式のブラシを採用したことで、ゴミを丁寧に吸い込めるのが特徴的でした。

このブラシであれば、舞い上がりやすいホコリや、細かいゴミなども確実に吸い込むことができそうです。人間のように、場所毎に掃除方法を変えるということができないからこそ、こういった細かな丁寧さはとても重要になってきますね。

最新モデルではソフトウェアもパワーアップ

ダイソンの最新ロボット掃除機で進化したのは吸引力だけではありません。今回はその力強さに加えて、掃除精度の高さという強みが備わりました。

むしろ今回、ダイソンはこちらに注力したといっても過言ではありません。精度の高いロボット掃除機の開発には優秀なセンサーが不可欠です。その上で「長距離センサー」、「障害物センサー」、「壁面接近センサー」といったセンサー類を全て見直し、性能の向上を目指しました。

遠くにあるゴミを正確に感知して、避けるべき障害物を把握し、壁に触れるギリギリまで接近することができれば、ロボット掃除機としての希望がアップするのは必然です。

加えて、プロセッサーの処理能力も大幅に改善させたことで『Dyson 360 Heurist』は賢い掃除機になったのです。ダイソンのジェームズ・カーズウェル氏は、登壇したイベントの中で以下のように語っています。

「ボディーにキーテクノロジーを詰め込んだ。未来のアップデートに対応できるプラットフォームである。購入した後も、ソフトウェアのアップデートでどんどん向上できる」

つまり、買って終わりではなく、人工知能を搭載したロボットのように、徐々に賢くなっていく掃除機ということです。ここまでくると、単なるロボット掃除機というよりも、一匹の生き物のように思えてきますね。

ちなみに製品名の『Heurist』は、学習・成長といった意味を持つ英単語「ヒューリズム」に由来しているそうで、まさに名は体を表すといったところでしょう。

360度カメラの力で屋内を縦横無尽に

既にご紹介した通り、『Dyson 360 Heurist』ではセンサー関係の見直し、品質向上が行われましたが、発表会ではその部分についてもデモンストレーションが行われました。

部屋を模した小型のステージ内にクッションや植木鉢、カバンといった障害物を配置して、いかに正確に避けていくかを見るという内容です。壁とクッションの僅かな隙間や、障害物のギリギリまで接近する様子などが実演で紹介されています。

シリーズを通しての特徴でもありますが、『Dyson 360』は基本的に障害物に当たらずに掃除を行います。他社製のロボット掃除機の場合、壁や障害物に軽く当たって方向転換を行うというケースも少なくないので、これは注目するべき点です。

他社製のロボット掃除機でも、本体や壁、障害物が傷付くほどの速度や衝撃でぶつかることはほとんどないので、見る人によっては小さな問題かもしれません。ぶつかることで、隅の方まで確実に掃除できるというふうに考える人もいるでしょう。

一方で、床に壊れ物を置いていたり、倒れやすいものを置いたりしているという家庭もあるでしょうから、障害物に当たらずに掃除ができることを魅力だと捉える人もいるはずです。進化した壁面接近センサーの効果もあって、ぶつからずとも『Dyson 360』は壁の隅の方まで埃を吸引できるようにもなっているので、吸い残しの心配もありません。

この辺りは好みに寄る部分も大きいので一概には評価できませんが、個人的には高く評価したいポイントでもあります。自宅で仕事をしたり、人を招いたりしているときに、掃除機がコツコツと物や壁にぶつかっていたら気が散るからです。

家を空けることが多い人や、ロボット掃除機が動いているときは別の部屋に移動するという人には関係のないことでもあるので、使用イメージを明確にしてから選ぶと良いでしょう。

ただし弱点もあります。本体に内蔵されているセンサーの位置関係で、凹凸のある家具や置物に接近した場合、稀にぶつかることもあるのです。本体の上部にのみ360度カメラが内蔵されているので、カメラとセンサーの死角になるような場所を掃除する際には注意が必要かもしれません。

スマートフォンとの連携も

『Dyson 360 Heurist』はスマートフォンと連携して使用することで、その能力を更に引き出すことが可能です。具体的には、ソフトウェアのアップデートや、掃除エリア毎の細かな設定といったことが挙げられますが、より機能を引き出したいのであれば、両機をペアリングすることを推奨します。

手に入れてからも日々賢くなる夢のようなロボット掃除機の魅力を全て紹介することは難しいですが、とにかく言えるのは、これまでのロボット掃除機の概念を大幅に変えてくれる製品だということです。

そしてその技術を支えるポイントの一つが、搭載されている360度カメラです。掃除するエリアのマップを作成したり、エリア内にある家具や障害物の位置を把握したり、吸引するべき埃を見つけたりと、非常に重要な役割を担っています。

今後はこのカメラが、単なる掃除のための機能としてだけではなく、コンシェルジュのような機能を備える手助けにもなるのではないでしょうか。例えば、家主と家主以外を顔認証して、来客時には掃除しないなどの設定があれば面白そうです。

他にも、電話などをしているときは静音で掃除したり、家主が最後に掃除機をかけた日を記録して運転したりするというのもアイディアとしては考えられます。ロボット掃除機に搭載されている360度カメラは、そんな夢のような機能の足がかりとなるかもしれませんね。

終わりに

広い家や子どもが多い家庭ではロボット掃除機はとても頼りになる存在です。しかしその性能は製品によって大きく異なります。せっかく導入したのに、的外れな場所を掃除されたり、同じ場所ばかり掃除されたりするのではあまり意味がありません。その点で言えば、今回ダイソンが手がけたロボット掃除機はとても賢く、頼りになる相棒として迎えられるのではないでしょうか。吸引力に加えて高い精度を実現したロボット掃除機。今後はこういった、360度カメラを活用した家電製品が色々な形で登場するかもしれませんね。

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