意外と知られていない。360度カメラの魅力と楽しく使う方法

筆者:阿久津 碧

「360度カメラって面白そうだけど、どういうシーンで使えばいいのかわからない」と思っている人は結構多いのではないでしょうか。私も初めの頃「何だかインスタ映えとかはしそうだけど、何をどんなタイミングで撮るのに使おうか」と悩みました。そんな全天球カメラの魅力と楽しさについて、改めて着目してみることにしました。

360度カメラの魅力

360度カメラとは、全方位を撮影できる特殊なカメラである、という認識はそれなりに広まっていますが、ただ全ての方向を撮れるだけのカメラというわけではありません。

アプリなどと連携して色々な画角から撮影写真を眺めたり、ワンタッチで素早く編集したり、ワンショットから複数の面白い写真を作成したり、多様な楽しみ方が存在します。

小さな地球のような球体に立っている自分の姿を見下ろす「リトルプラネット」と呼ばれる構図や、反対に下から上を見上げるような構図もあり、こういった撮影写真はInstagramなどのSNSサイトなどでアップロードされているのを度々見かけます。

また、撮影時には気付かなかった発見ができるのも全天球カメラの魅力です。360度を撮影するということは、当然自分の背後も映し出すということです。撮影時には気付かなかった背後の様子も把握することができるので、後になってから大発見をしたり、笑いの種を見つけたりするということもあるかもしれません。

次に、360度カメラを購入したけれど、何を撮ればいいのか分からないという方に向けて、オススメの撮影ポイントをご紹介します。

水中を撮影する

カメラで撮れるのは何も地上だけではありません。水中を360度撮影するというのは、オススメの利用方法の一つです。全天球カメラの先駆け的存在であるリコーの「THETA」なども、防水ケースを使用すれば水中での撮影が可能になります。

海などでダイビングをした際、水中の景色や魚などを撮影できれば、思い出にもなりますし、迫力満点の写真に仕上がります。

THETAの防水ケースは2万円弱と高価ですが、30メートルの深さに耐えられる高機能です。本体と合わせても数万円で防水の全天球カメラが手に入ると考えれば、とてもお買い得だと思います。

他にも、自己責任になりますが自作の防水ケースの作り方などはネットで調べるといくつかヒットします。利用している全天球カメラに純正の防水ケースが存在しない場合は、そういった方法を選択するのもありかもしれませんね。

広い場所で撮影する

漠然としたテーマになってしまいますが、海の他にオススメの撮影スポットとしては、広い場所が挙げられます。これは広場などの広いスペースという意味でもそうですが、壮大さという意味も指します。

見晴らしの良い山の頂上や、自然が広がっている場所で全天球カメラを用いた撮影を行えば、それだけでも見ごたえのある写真が出来上がります。

屋内の限られたスペースで撮影するのも、不動産業者などによる商用利用では有効ですが、インスタ映えや楽しい撮影、360度カメラの魅力を引き出すという意味では少し物足りないかもしれません。

購入したらまずは出かけて、壮大な場所、見晴らしのいい場所でバシャバシャと撮影してみてください。

大人数で撮影する

360度、全方位を映し出せるカメラですから、沢山の人と一度に写真を撮るのもオススメです。平面的な写真では限られた構図に全員が入るため、ポーズや立ち位置が縛られてしまいますが、全天球カメラにはそれがありません。

誰がどこにいて、どんなふうに動こうとも全体を撮影できるので、動きの豊かな写真が楽しめます。その特性を利用して、ストーリー性のある写真を撮ったり、面白要素のある写真を撮ったりするのも面白そうです。

静止画とは全然違う動画の魅力

全天球カメラという名前ですが、その多くは動画撮影にも対応しています。ある程度写真撮影に慣れて楽しむことができたら、動画に挑戦してみるのもオススメです。

動きのある全方位動画が撮影できるので、スポーツや自転車移動、旅の撮影などとは非常に相性が良いという特徴があります。THETAシリーズなどは携帯性も抜群なので、リュックに取り付けたり、スマホ感覚ですぐに取り出したりできます。

GoProのような利用方法をする人も多いのではないでしょうか。GoPro自体も全天球モデルをリリースしましたし、今後のアクションカメラは全天球が主流となるかもしれませんね。

動画メインで利用しながら、重要な瞬間は静止画で撮影して、最終的にそれらを組み合わせた映像を作るというのも面白い使い方法だと思います。ただし、外部メモリに対応しているものもありますが、内部ストレージのみという全天球カメラもかなりあるので、動画中心で利用する場合にはメモリ不足に注意しましょう。

THETAシリーズも大半は内部ストレージのみという展開ですが、その代わり簡単に動画や写真データをスマホに転送できるという利点があります。仮にメモリ不足になっても慌てず、ワンタッチでスマホにデータ移行しましょう。

面倒に感じる方もいるかもしれませんが、メモリーカードを紛失する心配や、別の機器を中継してデータを移動させる手間がないので、慣れると意外に快適です。スマホでの編集をメインにしている人の場合は、ケーブルやパソコンなどを持ち運ばずに、出先で動画編集が行えます。

アクセサリーを集めてみる

アクセサリーを揃えるのも、全天球カメラの醍醐味です。三脚やセルカ棒を使わないと撮影者の指が映り込んだり、ポーズが限定されたりするという欠点は、360度カメラ共通のものです。

高価な機種であれば、写り込んだ指を自動で消すなどの機能もありますが、それも万能ではありません。様々な撮影を楽しみ尽くすのであれば、三脚などのアイテムは必須になるでしょう。一眼レフカメラなどとは異なり本体自体がコンパクトなので、三脚なども極力小型のものを選ぶようにしましょう。

他にも、先ほど書いた防水ケースをはじめとした、持ち運び用のケースやカメラバッグなど、あると嬉しいアイテムも揃えると楽しさが倍増します。

とにかく自由に撮ってみる

ここまでご紹介した撮影アイディアももちろんオススメですが、その上で声高に言いたいのは、とにかく色々な被写体を、自由に撮ってみるということです。

何を撮ればいいのか分からない、どんなふうに使えばいいのか分からないという人は、まず外に出て目に入った気になるものを撮影するよう意識してみてください。これはデジカメでも一眼レフでも、ビデオカメラでも同じです。

とにかく使って、沢山シャッターを切ることが上達のコツですし、そうしないことには楽しさにも気付けません。その上で、何を撮らなければいけないというルールも存在しないですから、自分が思うように楽しむことが何よりも重要です。

ポートレートやスナップといった人物を中心に撮るのも、絶景や建築物、自然などの風景を撮るのも、趣味などの記録用として撮るのも自由です。「こうしなければいけない」に縛られず、気楽に取り組むというのが結局のところ、楽しむための一番のコツなのかもしれません。

終わりに

文中でも書きましたが、360度カメラだからこれを撮らなければいけない、こうやって楽しまなければいけないということはありません。撮りたいものがなければ、思いのまま持ち出して、気が向くままにシャッターを押してみてください。そうすることで撮影技術も上達しますし、段々と自分が何を撮影したいのかにも気付けるようになります。そこが見えてくると、全天球カメラというものの、もう一歩先の魅力が発見できるかもしれません。

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