超軽量の高画質パノラマカメラ「DGP-OCM01」が登場

筆者:阿久津 碧

昨今様々な360度全天球カメラが登場しており、その特徴もまた多種多様です。今回ご紹介するのは株式会社ジェネシスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:藤岡淳一、以下「ジェネシスホールディングス」)が2019年の2月に発売した360度全天球カメラの「DGP-OCM01」です。主にOCTやIoT製品の開発や販売を行っている企業が開発した360度カメラの性能はどのようなものなのでしょうか。基本的な仕様や特徴などをまとめてご紹介していきます。

基本をおさえたスペック

360度カメラには基本的に2つのレンズが備わっていることが多いですが、DGP-OCM01にも2つの超広角レンズが備わっています。この2つのレンズにより、上下左右360度全方位を撮影することが可能です。本体前後に配置されている視野角210度の広角レンズは広い範囲をまるごと写すことができるため、広大な景色などをそのままの壮大さで切り取ることができます。

もちろん写真だけではなく、動画を撮影することも可能です。詳しくは後述しますが、多くの360度カメラと同様、お手持ちのスマートフォンと接続することで最大限の機能を引き出せるようになります。

バッテリー容量は1300mAh、リチウムイオンバッテリーで、連続使用可能時間は無線LANを使用していない場合で最大約2時間となっています。無線LANを使用したり、動画を多く撮影したりした場合にはもう少し短くなる可能性があります。

充電時間はおよそ3時間要するため、その辺りのパフォーマンスは平気的といったところでしょうか。出先で充電がなくなるのが不安だという人は、USBケーブルとモバイルバッテリーを持ち歩くことを推奨します。

レンズの仕様は以下の通りです。

視野角:210度
絞り:F2.0
フォーカス距離:20mm〜無限
フォーカスモード:固定焦点(シャッタースピード1/30〜1/4000)

単純な性能としてみる分には、それほど突出した数値ではないと感じられます。ただ、一眼レフや高額なデジタルカメラであれば物足りないかもしれませんが、限定的な用途に用いる360度カメラの中では十分な数値ではないでしょうか。

その他の基本仕様は以下の通りです。

動画記録解像度:2048×1024ドット
保存ファイル形式:MP4/H.264
フレームレート:30fps
ライブビュー利用時解像度:1024×512ドット/15fps
静止画保存解像度:3MP(2592×1296ドット)、5MB(3200×1600ドット)、8MP(4000×2000ドット)
保存ファイル形式:JPEG

製品情報ページより:http://www.digiplus.online/products/dgp-ocm01.html

マイクの内蔵やライブビューへの対応など、基本的なスペックを網羅した360度カメラとなっています。

ジェネシスホールディングスについて

続いて、DGP-OCM01の販売元となっているジェネシスホールディングスについて、簡単にご紹介したいと思います。前述した通り、東京都千代田区に本社を置くICTやIoT製品の開発や販売を主な事業として行っているジェネシスホールディングスは2012年に創業しました。

資本金は1,000万円で、取締役会長が中野隆司氏、代表取締役社長が藤岡淳一氏です。子会社に創世訊聯科技(深圳)有限公司を持ち、このDGP-OCM01は子会社のある中国深圳の自社工場で作られています。

中国の工場は日本向け製品に特化した製造体制なっており、豊富な実績も兼ね備えた企業の製品ともあり、品質は折り紙付きです。今回販売を開始した360度カメラ以外にもタブレットやPC本体、カメラ・AV周辺機器、カー用品など様々な製品を取り扱っています。

製造だけではなく、IoT/ICTデバイスのカスタマイズや受託も行うなど、その分野に確かな実績のある同社が新規販売する、今回の360度カメラにも期待ができそうですね。

低価格と軽量化を実現

DGP-OCM01の魅力はその値段と重さにもあります。基本的なスペックを網羅しており、エントリー機としては申し分ないDGP-OCM01の価格は29,800円(税抜き)です。

同じ価格帯のエントリーモデルとしては、Insta360シリーズのInsta360 Nano SやリコーTHETAシリーズのTHETA SC、THETA Sなどが挙げられます。それらの360度カメラは3万円前後と低価格を実現しながらも、特徴は様々なので自分がどのような写真を撮りたいか、どのような場面で360度カメラを使用したいのか考えながら検討してみてください。

例えば、動画の画質にもこだわりたいという人であれば、4K動画撮影に対応したInsta360 Nano Sが良いでしょうし、もっと予算は抑えたいけどそれなりの写りも確保したいという人であれば、THETA SC。動画を長く撮りたいと思うのであれば、THETA Sなど、購入する際はそれぞれの機種の特徴をおさえておくと良いでしょう。

DGP-OCM01のもう一つの特徴として、その軽さがあります。360度カメラは全体的に持ちやすく軽い機体が多いですが、その中でも特にDGP-OCM01は軽く、83グラムという超軽量を実現しました。

長時間持っていても疲れにくく、撮影中でも重さが気になりません。購入の際にはポーチが付属してくるので、気軽に持ち運ぶこともできます。

DGP-OCM01はソーネクストeSHOPやAmazon.comで購入することができます。

ソーネクストeSHOPhttps://www.sourcenext.com/eshop/

スマートフォンを使って機能を最大限引き出す

DGP-OCM01は無線LANを利用してスマートフォンと接続することができます。AndroidとiOSの両方に対応しており、スマートフォンでプレビューを見ながら撮影や操作ができます。専用のアプリをダウンロードすれば撮影したデータをスマートフォンに転送して、どのような写真が撮れたか確認することも可能です。

ただし、アプリをダウンロードしないで直接撮影データをスマートフォンに取り込むことはできないので注意してください。製品単体でももちろん撮影は可能ですが、アプリを使えばプレビュー画面の確認や、撮影データの切り替えができるようになります。機能を最大限に引き出すのであれば、スマホの所有とアプリのダウンロードが必須の機種といえるでしょう。

切り替えられる設定は、以下の5種類です。

・NORMALモード
・4IN1モード
・ROUNDモード
・ASTEROIDモード
・VR360度モード

撮影したデータは 内部ストレージではなくmicroSDに保存する形式となっています。microSDカードは別売りなので注意が必要ですが、最大128GBまでのものが利用でき、保存容量も申し分ありません。無線LAN機能を使ってデータをスマートフォンに取り込めば、カードの容量を空けることもできるので、たくさん撮り過ぎてしまっても安心です。

充実したパッケージ内容

DGP-OCM01を購入した場合、本体の他にカメラスタンドや自撮り棒、USBケーブルや、先述した持ち運ぶ際に使えるポーチ、取扱説明書(保証書添付)がついてきます。

使いやすさや基本仕様を考えると、この360度カメラはエントリーモデルとして初心者でも使うことができそうですが、3万円は高いと感じる人もいるかもしれません。しかしこの充実したパッケージ内容であれば、その価格も妥当なのではないかと思います。

それでも360度カメラの導入にあまり高いものを購入するのが不安だという人は、店頭などで実機を触って確かめることができる上に、価格も安いリコーのTHETA SC(2万円台)あたりがオススメです。

ご紹介したDGP-OCM01はスマートフォンのようなシックなデザインで、カラーは1種類ですが、THETA SCはカラーバリエーションも豊富なので、見た目のかわいさも重視したいという人には尚のこと良いでしょう。

THETAシリーズはSNSとの親和性にも定評があり、撮影したデータをすぐにアップロードして、シェアできるのも特徴です。何を選ぶか、それはユーザーの使用目的によって大幅に変わってくるので、多くの情報を取捨選択し、自分に合ったベストな360度カメラを見つけてみてください。

終わりに

DGP-OCM01は今年の2月に発売が発表されたばかりの360度カメラのため、実際に撮影したデータなどを見つけることができませんでした。しかし実績のある企業の製造した360度カメラなので、今後市場にどのような影響を与えるのかは注目するべきところです。基本的なスペックをしっかりと兼ね備えたところや、充実のパッケージ内容、本体の軽さといったところは魅力なので、気になった方は是非情報をチェックしてみてください。

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