360度カメラって何?仕組みや使い道を徹底考察
最近SNSやニュースなどでも話題になることの多い360度カメラですが、購入を検討しているという人も増えているのではないでしょうか。一方で、360度カメラの基本的な機能や仕組み、使い道が曖昧で悩んでいる人もいると思います。そこで改めて、360度カメラとはどのようなカメラで、その仕組みや使用用途にはどのようなものがあるのかということをご紹介していきます。
本記事の内容
360度カメラとは
360度カメラとは、その名の通り360度全体を撮影することのできるカメラです。全天球カメラなどと呼ばれることもありますが、どちらも同じものを指します。通常のカメラは平面的な画像しか記録できないのに対して、全天球カメラでは静止画の他に、動画も全方位を撮影することが可能です。
SNS上などでもそういった画像を見たことがある人も多いのではないでしょうか。中には直接自分の手でピンチしたりドラッグしたりして動かせる画像も多く、見るだけでなく触っても楽しむことができます。
一口に360度を撮影できるといっても、その見た目は様々です。まずは普通に撮影した360度写真がこちらです。
カメラの周りをぐるっと360度、全てを見渡すことができます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
また、こうした360度カメラで撮影した360度写真を、専用のアプリで編集することができます。
有名なものは「リトルプラネット」と呼ばれるもので、球体上の360度映像の中に自分が映り込んでおり、小さい惑星のような画像になったものです。
他にもミラーボールに、撮影したパノラマデータを貼り付けたような仕上がりになる「ミラーボール」や「フラット」、「ストレート」と呼ばれるようなものもあるので、一回の撮影で様々な写真を楽しむことができます。
更に、撮影した動画などをリアルタイムでライブストリーミングできる機種なども最近は増えており、撮って楽しい、共有して楽しい、配信して楽しい、見返して楽しいカメラとなっています。
日本ではリコー株式会社が開発、販売している「THETA(シータ)」シリーズが有名です。THETAは入門機から上級機まで幅広く取り揃えているので、ユーザーの使用目的やカメラスキルに合わせて機種を選べるのも特徴です。
360度カメラの仕組み
通常のカメラでは撮ることのできない全天球画像ですが、その仕組みはレンズがポイントとなっています。細かい仕組みは機種によっても異なるので一概には言えませんが、THETAの場合は本体の前後に2つの超広角レンズを搭載しています。
この双方の超広角レンズで撮影した別々の画像を繋ぎ合わせて一枚の大きな画像にするというのが360度カメラの大まかな仕組みです。その処理をステッチングと呼ぶのですが、最近の機種は自動でステッチングを行なってくれるものが増えています。
特別な編集技術などを有していなくとも、シャッターを押せば誰でも簡単に美しい全天球画像が撮影できます。もちろん、丁寧に綺麗な全天球画像を作成したいという場合には、パソコンなどからステッチングの編集を行うこともできますが、その場合の方法は機種によって異なります。
販売会社がリリースしている編集ソフトなどがある場合には、互換性もあるのでそういったものを使用することをオススメします。THETAの場合は2枚のレンズで撮影していますが、業務用のものや高級機種になると、レンズの枚数は2枚とは限りません。
多いものでは10個前後のレンズを搭載している機種もありますし、動画などのステッチングも非常に美しく行われます。レンズの個数毎にざっくりとジャンル分けをするのであれば、レンズ一つの機種は「シングルレンズ」と呼ばれるもので、比較的安価で手に入ります。
このタイプは防犯カメラなどに利用されていることが多いでしょう。THETAなど、レンズが2つのものは「デュアルレンズ」と呼ばれ、一般向けの全天球カメラは大抵このタイプです。基本的な撮影や動画制作、編集であればこのタイプで間違いなく事足ります。
それ以上のものとなると、「マルチレンズ」と呼ばれるものになり、実質的にはプロ向けの業務用機種と考えておいた方が良いでしょう。価格も高いもので数十万円から百万円単位に上るものもあるので、個人で買う人はほとんどいないと思います。
360度カメラの使い道
360度カメラの概要や仕組みが分かったところで、実際に利用されているシーンや、自分が購入した場合の使用用途にはどういったことが考えられるかを見ていきましょう。
不動産物件の撮影・内見
ワンショットで全体を撮影できる360度カメラは不動産業界では重宝されています。物件の写真を何十枚も掲載せずとも、一枚で部屋の雰囲気や広さを伝えることができるので、非常に相性が良いカメラなのです。
写真を見る側もリアルな部屋の空気感を感じられるので、物件選びのミスマッチを防ぐことができます。更に、VRヘッドセットと合わせて、擬似的に不動産の内見を行うサービスなども存在します。
時間の関係で内見ができないという人や、遠方で直接部屋まで足を運べないという人にとっても助かりますし、不動産会社的にも様々なコストと時間を節約できるので、今後はこういったスタイルの不動産企業も増えていくかもしれませんね。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
ドライブレコーダー
事故や事件の記録を行うドライブレコーダーは車に積んでいると安心ですが、最近は全天球のドライブレコーダーも増えています。通常のドライブレコーダーと違い、正面だけでなく左右、後方、そしてドライバーや助手席なども撮影できることから、全天球タイプを選ぶ人も増えています。
クレーマーなどが運転席の横に立った場合でもしっかりと記録を残せますし、取り外してそのまま出先でアクションカメラとして利用できるモデルなどもあるので、とっても便利です。
非日常の撮影
360度カメラは他のアイテムと組み合わせることで、非日常的な映像や写真をダイナミックに撮影することができます。例えば水中ハウジングケースと組み合わせて、海中をダイナミックに撮影できます。他にも、ドローンと組み合わせて空中の撮影なども楽しめます。
水中、空中撮影は普通のカメラでも行えますし、特段珍しいものでもないかもしれませんが、全方位を撮影できるとなったら別です。日頃目にすることのできない大迫力映像を気軽に記録することができるので、旅の楽しさも膨らむはずです。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
VRコンテンツとしての楽しみ
360度カメラで撮影された静止画や動画は、別途VRヘッドセットを買い足せば、VRコンテンツとしても楽しむことができます。先述した海中や空中の映像を、魚や鳥になったかのような視点で楽しめるのです。高機能な全天球カメラで撮影された映像などであれば画質も美しいので、没入感たっぷりに満喫できるでしょう。
VRは自分が行った旅先の空気感を家族や親戚、友人に共有する際にも重宝します。家族旅行で行った観光地を、帰宅後に再度VRで訪れるというのもいいでしょう。編集などにもこだわれば、テーマパークのアトラクションよりも楽しめるかもしれませんね。
上記は利用シーンや導入事例のほんの一例です。360度カメラはちょっとしたお出かけから長期の旅行まで、使い方の工夫次第で無限大に活躍してくれます。一度手に取れば、家の近くに咲いている花から、山頂から見える絶景まで、リアルでダイナミックな画を映し出せる全天球カメラの魅力にハマること間違いなしです。
終わりに
360度カメラについて、この記事を読めば一通りのことがお分かりいただけたのではないかと思います。SNSなどの華やかなシーンだけでなく、日常のふとした場面でも活躍することのできるカメラなので、一家に一台あると旅行や普段使いでも楽しめるかもしれません。当サイトでは360度カメラ選びに関する記事や、機種毎の特集記事なども掲載しているので、興味を抱いた方はそちらもご覧ください。
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