首にかけて撮影。ハンズフリー360度カメラ「FITT360」

筆者:阿久津 碧

最近は360度カメラを使って景色などを撮影している人を見かける機会が増えました。自撮りなどにも便利ですし、ワンショットで360度を撮影することができるので、旅先の記録には相性のいいアイテムなのでしょう。そんな360度カメラですが、ハンズフリーで撮影できる珍しい機種が登場しました。

首元で撮影できる全天球カメラ「FITT360」

「FITT360」は首にかけて使うタイプの全天球カメラです。一見するとBluetoothタイプのイヤホンのように見えますが、れっきとした360度カメラです。公式動画を見ると、しっかりと360度の映像が記録されていることが分かります。

公式動画はコチラ

とてもスタイリッシュなデザインですが、見た目だけではなく機能面も充実しています。ネックバンドカメラと名付けられたこのカメラの本体には3つのレンズがあり、それぞれのレンズで撮影した写真や動画を繋ぎ合わせて全天球の画像(映像)を生成します。

首にかけているとは思えないほど映像のブレがなく、とても安定した写りになっています。ランニングやハイキングといったアウトドア用途にも耐えうる性能と小型なボディー、そして美麗な画質は見事なものです。そしてアウトドア向きなのは手ぶれ補正だけではありません。

耐熱、耐衝撃、IPX6評価防水という堅牢な作りで、シーンを選ばずに利用することができます。実際公式動画では山や街などの地上だけでなく、マリンスポーツでも用いられているシーンがあります。マリンスポーツを行わない人にとっても、首から流れた汗による水没などが心配ですから、防水機能は非常にありがたいです。

バッテリー寿命も90分と長めで、大切なシーンを撮り逃す心配もありません。ファッショナブルなデザインと確かなスペックを融合した逸品なので、今後のユーザー増加が期待できます。

日常用のカメラとしても、アクションカメラとしても申し分のない性能を有している「FITT360」ですが、参考価格は7万円弱となっています。一般的なミドルレンジクラスの全天球カメラと比較するとやや高額かもしれませんが、それに相応しいだけの性能を備えているといえるのではないでしょうか。

クラウドファンディングの「Kickstarter」で出資を募っている最中で、上記の価格の他に5万円代で購入できるプランも存在します。配送は10月となっていますが、今後の続報にも期待ですね。

ハンズフリーはアクションカメラとしての資質

「FITT360」最大の特徴は何かと聞かれれば、やはりハンズフリーであることだと思います。これまでも多くの個性的な全天球カメラが市場に出てきましたが、ハンズフリーで使える機種というのを私はほとんど知りません。

三脚などを使ったり、車などに固定したりすることでハンズフリーを実現することができても、その視点は客観的なものとなってしまい、撮影者からは離れたものになってしまいます。

自転車に乗っているシーンを撮りたいというのであれば、ヘルメットにカメラを固定することで一人称視点を実現することはできましたが、サーフィンを楽しんでいるシーンを撮りたいといってサーフボードに固定した場合では、三人称視点になってしまいます。

このように、既存のカメラであってもシーンやアクセサリーによっては一人称視点を実現することはできましたが、いつも必ずとはいきませんでした。どうしても一人称視点で撮影したい場合には、片手にカメラを持ちながらスポーツなどを行うという選択肢もありますが、自由度は制限されるでしょう。

その点「FITT360」は、一切の制限を受けずに、全天球画像を一人称視点で撮影することが可能です。また、そのことを活かした「ファーストパーソンビュー」という機能も搭載しており、その名の通り一人称の映像を撮影することもできる全天球カメラでもあるのです。

アクションカメラと呼ばれるカメラには様々な条件や機能が求められますが、今後のアクションカメラにとってのそれは、ハンズフリーであることかもしれません。

カメラという枠に収まらないデバイス

「FITT360」は全天球カメラとしても魅力的ですが、一つのデバイスとしても多くの機能を備えた、痒いところに手が届くアイテムなのです。例えば、写真や動画の撮影だけでなく、Bluetoothのヘッドホンとしても用いることが可能です。

音楽を聴いたり、通話したりもできるカメラなので、家の中など、被写体がないような場所でも活躍してくれます。料理をしながら音楽を聴くのもいいですし、ゴロゴロしながら電話をすることだってできてしまいます。

その間も当然両手は空いているので、自由に他の作業ができます。カメラといえば屋外で使うものという印象でしたが、「FITT360」は見事にその固定概念を覆してくれました。同時に、カメラ=何かを撮影するものというイメージも変えてくれたといえるでしょう。

スポーツ配信とハンズフリー全天球カメラ

「FITT360」は撮影しているリアルタイムの映像をSNSなどにライブストリーミングすることも可能です。このことを知ったとき、私は今後のスポーツ配信の形が垣間見えたような気がしました。

例えばマラソン選手やサッカー選手に「FITT360」を装着してもらい、それをテレビなどで配信すれば、視聴者はこれまでとは比べ物にならない没入感を味わうことができるようになるでしょう。一人の選手としてピッチに、バッターボックスに、コースに立つことができる興奮は相当なものだと思います。

その上で選手から反対が起こることや、デバイスの安定性や小型化という課題もあるとは思うので、「FITT360」をそのままスポーツ配信に利用、とはいかないかもしれませんが、ヒントにはなるはずです。

更に視聴者も、その映像をVRデバイスなどで見るという試みも行えます。「FITT360」はライブストリーミングだけでなくVRデバイスにも対応しており、アクションカメラでもあり、エンターテイメントカメラでもあるのです。

一人称視点でプロスポーツ選手の動きを体験することで、日頃彼らが何気なく行っていることの技術力の高さや、細かい技巧の発見にも繋がるかもしれません。そういったことを参考にしてスポーツの指導などに繋げれば、選手の強化や若手の育成といったことにも役立つのではないでしょうか。

同時にそれは、大会の運営者側にとっても意義のあることです。例えば、審判が見逃したラフプレーや、審議を重ねなければいけないようなシーンにおいても、それらの映像が決め手になるようなことがあるかもしれません。エンターテイメント的な意味合いでも、抑止力的な意味合いでも、ハンズフリーの全天球カメラには大いに需要がある気がしました。

何れにしても、ハンズフリーの360度カメラというのは、今後のテレビ業界やスポーツ業界に大きな影響を与えるアイテムになる可能性は高いでしょう。日常生活の中で、こういった技術を目にするのがとても楽しみですね。

終わりに

過酷な環境などでも利用できる丈夫さと、激しい動きにも耐えられる手ぶれ補正という、アクションカメラに必要な二大資質を備えている機種はこれまでも多くありました。しかし一方で、ハンズフリーの機種はあまりなく、アクセサリーなどを用いてどこかに固定するしかありませんでした。「FITT360」はそんな「これが実現すればいいのに」を体現した商品だと思います。スポーツなどの記録に使いたい方や、一人称視点を自然に撮影したい方には、全力でオススメできる機種となっているので、気になる方は是非検討してみてください。

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