空間をワンショットで保存。全天球カメラを使って思い出の場所を再訪

筆者:阿久津 碧

ワンショットで空間を保存することのできる全天球カメラには様々な魅力、使い道があると思いますが、その中でもオススメなのが、何気無い日常を撮影するという行為です。過ぎていく日々の中で着実に変わっていく風景は二度と戻りませんが、全天球画像とVRの中でなら、何度でも再訪することが可能です。

全天球カメラは簡単に空間を保存できる

普通のカメラと比較すると全天球カメラは操作が難しい印象を持たれがちですが、そんなことはありません。一眼レフカメラやデジタルカメラと基本的な操作は変わりませんし、誰でも簡単に操作することが可能です。

全天球カメラにもマニュアルモードなどの設定変更要素はありますが、詳しい知識がないという人や、とにかく写真を撮りたいという人は、オートの設定でも問題ありません。THETAなどの全天球カメラは本体の前後に搭載されているレンズでそれぞれ写真を撮影し、後からその二枚の画像を繋げる処理を行います。

この処理をフォトステッチと呼ぶのですが、これにも特別な知識は必要ありません。最近のカメラはステッチ処理を自動で行ってくれますし、撮影者がやることといえば、スマートフォンなどを見ながら構図を決めて、シャッターを押すことくらいです。

厳密には夜景を撮影したり撮影写真を編集したりする場合、多少の知識は必要になるのですが、それらも決して複雑な作業ではありません。SNSなどで写真を掲載し慣れているという人であれば、ものの数分でやり方は覚えてしまうでしょう。このように全天球カメラは、誰でも簡単に、ワンショットで空間を保存することができるカメラなのです。

思い出の場所を再訪するのに最適なアイテム

卒業旅行や一人旅など、色々なタイミングで旅行に出かけることはあると思うのですが、そういった思い出の地を懐かしむこともまた、誰でもあるのではないでしょうか。

そんなとき、一番簡単に思い出を振り返れるのが写真です。旅先で撮影した写真を見返すことで、記憶や詳細な思い出が蘇ってくるでしょう。他にもパンフレットやレストランの伝票、そこで食べたお菓子の包み紙やホテルのアメニティなど、思い思いのアイテムで思い出を想起するのではないかと思います。

しかしそれらは、旅先を懐かしむ材料にはなっても、その地を再訪する感覚とはどうしても異なるのではないかとも思うのです。そこで全天球カメラの出番です。旅の断片や一角を閉じ込めたお土産や写真とは違い、全天球カメラは当時の空間そのものを保存してくれます。

空間を保存するという言葉の通り、奥行きや周囲の景観など、360度で綺麗に保存してくれます。機種にもよりますが高価で高画質なものを選べば、その空間のリアリティも付随して上がっていきます。

デジタル一眼レフやデジカメ、スマートフォンのカメラなど、通常のカメラにも平面的な空間を記録し、奥行きを想像するという良さや楽しみ方があります。同じように全天球カメラにも、空間を保存するという良さがあります。

二つのカメラを持っていけば、旅の思い出をより鮮明に残すことができますし、楽しみも増すに違いありません。心配なのは荷物量が増えることですが、この点でも全天球カメラは優れています。

現在市場に出回っている全天球カメラは小型のものが多く、日本で人気の「RICOH THETA」などは平均して100グラム前後です。サイズもスマートフォンより小さく、服のポケットや小さな隙間にもおさまる優れものです。

全天球カメラはVR対応のものを選ぶべし

全天球カメラを購入する際には、是非VR対応のものを選ぶようにしてください。VR対応の全天球カメラであれば、撮影写真を、VRヘッドセットを介してリアルに「体験」することができます。

ヘッドセットも全天球カメラ同様、家電量販店などで購入することができますが、インターネットなどで探すとかなり安価なものもあるので、試しに一台購入してみるのもいいかもしれません。

ただし値段に付随して画質や装着感なども変わってくるでしょうから、あまりに安価なものを購入すると、没入感が損なわれる恐れがあります。

カメラに関しては、残念ながら全ての全天球カメラがVRに対応しているというわけではないので、この部分は購入前にしっかりと調べるようにしましょう。オススメなのはやはり、前述したTHETAシリーズです。小型なサイズというのも推薦理由ですが、日本製という安心感、手に入れやすい価格、高いパフォーマンスなどが主な理由です。

また、エントリーモデルからプロ向けまで、幅広いラインナップが充実しているのもオススメ理由です。安いものであれば2万円前後から購入できる一方、10万円を超える高性能機種も出ているので、全てのユーザーを満足させられるはずです。

中でもオススメなのが中級機の「THETA V」という機種です。価格は5万円前後で、多くの企業やサービスにも利用されている信頼の置ける一品です。

買い物で5万円というと抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、例えば一眼レフのエントリーモデルで、レンズキット(カメラ本体とレンズがセットになった商品)を購入すれば、大抵はこの価格になります。

THETAはレンズ交換などもありませんし、ボディさえ購入すれば充電してすぐに使用することが可能です。メモリーも内部容量に依存しているので、メモリーカードを買い足す必要もありません。

エントリーモデルの全天球カメラから購入するという選択肢もありますが、「性能に満足できなくなってもう一台欲しくなった」という人も多いので、それならば最初から中級機を購入しておいた方が長く使えるかもしれません。

特にTHETAの場合、エントリーモデルでも上位機種でも、基本的な操作方法は変わらないのでその点は非常に安心です。

自宅などの撮影にも最適

ここまでは主に、旅先の撮影について触れましたが、実は自宅などの撮影にも全天球カメラは適しています。引越しをするときや、リノベーションやリフォームをするとき、家が新しくなることや環境が変わることにワクワクしますよね。一方で、住み慣れた環境を二度と見られなくなることに、寂しさのようなものも感じるのではないでしょうか。

二度とその場所には戻らない、戻れないと思うと、後ろ髪を引かれる思いがします。とはいってもその気持ちを理由に引越しやリフォームといったことを中止するわけにはいかないので、全天球カメラでその空間を残しておくのです。

・結婚前に同棲していたアパート

・学生時代に住んでいた寮

・海外赴任先のマンション  

改めて見返すことがあるかはそれぞれだと思いますが、何年かしてふと思い出したとき、気軽に再訪することができたら嬉しいのではないでしょうか。

別の記事で詳しくご紹介していますが、最近は全天球カメラで撮った画像を3Dモデル化するという技術も出てきているので、近い将来一般の人も、静止画として場面場面で残すだけでなく、建物そのものをデータとして、空間として体験できる日が訪れるかもしれませんね。

終わりに

私もこれまで多くの場所へ旅行をして、引越しも複数回体験しました。その中には二度と訪れることのできないような場所もあります。そして当然その場所のことを懐かしんだり再訪したいと思ったりすることもあるのですが、現実的な問題を考えると実現は容易ではありません。全天球カメラはそんな日常と理想のギャップをナチュラルに埋めてくれるのではないかと思います。皆さんも戻らない場所や再訪したい場所が増えていく前に、全天球カメラでその場所を保存してみるというのはいかがでしょうか。

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