最先端のPR。360度カメラの映像で進める病院選び
身体を悪くしたり定期検診が必要だったり病院に行かなければいけない場合、一番悩むのはどこの病院に行けばいいのかです。インターネットが普及している昨今、少し調べればいい噂も悪い噂もすぐに見つかります。しかしそういう評判の他にも気になるのが、ドクターや病院の実際の様子ではないでしょうか。そんな患者側の不安や、病院側の広報的課題を、360度カメラが解決してくれるかもしれません。
360度カメラで病院を宣伝
旅館やホテルのサイトなどでも360度カメラを利用した宣材写真の撮影やPRが行われていますが、病院においてもその手法は有効です。長期で入院する際など、ある程度の期間過ごすことになる病棟がどんな風になっているのかは、患者さん側としても気になるところですよね。
一般の外来や受付とは違い、入院病棟は日頃目にすることがありません。入院して初めて、病室の様子やフロアの広さなどを知ることになるので、これまでもミスマッチは少なからずありました。
もちろん、快適に過ごすことではなく、病気や不調を治療することが目的なので、快適性や居住性の優先順位はそれほど高くありません。とはいっても、できることなら快適に過ごして、それでいて病気もしっかりと治せたら理想的ですよね。
病院側としても、入院施設の快適性や清潔感に自信があるのならば、そのことを積極的に発信していきたいはずです。そんな両者の要望を、360度カメラは叶えてくれます。ワンショットで空間を全て撮影することができるので平面的な写真よりも情報量が多いですし、実際の雰囲気に近い感覚を確かめることができる360度カメラは、伝えたい情報を確実に届けてくれます。
VRなどに対応している画像であれば更に没入感の高い状態で静止画や動画を確かめることができるので、吟味した上で病院選びを進めることができるでしょう。
実際に導入している病院も
病院への360度カメラ導入は現実的な話で、実際既に導入しているという病院も存在します。
上記のサイトでは藤枝医院という病院の待合室や機能訓練室、外来・個別リハビリ室の様子を確認することができます。病院の前を通ることで受付などの様子を見ることはできるかもしれませんが、訓練室などは中々事前に確認することが難しいのでありがたいですね。
藤枝医院の場合、お手洗いや診療室など、一部の空間は公開がされていません。このように、重要な部分や、特に病院側がアピールしたい部分に特化して全天球画像でPRできるのも360度カメラの魅力です。
重要な情報に絞ることで、ホームページを訪れた人もピンポイントで知りたい情報を得ることができます。同様の試みを行っている病院は他にもあります。
上記の白浜はまゆう病院でもエントランスや機能訓練室の公開を行っている他、デイルームやリハビリテーションセンター、人間ドック検診センターなどの様子も紹介しています。
一見すると平面的な画像なのですが、クリックすると360度の画像に切り替わり、別ウィンドウで周囲の様子を全天球仕様で確認することができます。
更にページ下部にはGoogleストリートビューの画像も掲載されており、病院の外観や周辺からのアクセス方法を調べることができます。内部だけでなく、駐車場の様子や外側の清潔感、敷地全体の広さも一目で見ることができるのはポイントが高いですね。
写真を撮影・掲載するサービスも
病院の魅力を分かりやすく伝えることのできる360度画像ですが、導入する上では幾つかの問題も存在します。360度の画像を撮影する機材や、それをアップロードする技術などが一例です。全天球カメラ自体は安価なものも市場にあるので比較的簡単に入手することができますが、PRに使う画像ですから、あまり画像が粗いのは困りますよね。
かといって、ホームページに載せるためだけに高価な360度カメラを導入するのも現実的ではありませんし、それを使いこなせるスタッフがいるのかも問題です。そんなときは、思い切って外部に委託するという方法が個人的にはオススメです。
ホームページ制作や保守を専門とする企業自体はこれまでも多数存在しましたが、最近は360度画像を用いたPRに特化した企業というのも探せばいくつか出てきます。写真の撮影やアップロード、PRのプロに思い切って委託してしまえば手間は無くなりますし、簡単に自分たちの病院の魅力を発信することができますよね。
システムの保守や管理を委託するわけではないので費用も単発で済みますし、クオリティも折り紙つきです。撮影・掲載サービスを委託した企業のサイトなどでも実績として宣伝してもらえることがあるので、ネット上での宣伝効果も確実に高まります。
予算や期間は企業や撮影対象の病院によっても異なると思うので、都度確認する必要はありますが、条件と合致する企業が存在すれば、選択肢として前向きに検討してみるのもいいかもしれません。
患者でもあり、客でもある時代
これまでとこれからでは、病院が患者さんに対して向ける目を変えていく必要があるかもしれません。「客ではなくて患者だから『様』じゃなくて『さん』でいい」という話を一昔前に聞いたことがあります。それはその通りだと思うのですが、一方でこれからは患者さんの取り合いになる時代も訪れるのではないでしょうか。
患者さん側としては、より安心して治療を受けられて、より丁寧に扱われる病院を選択するのは必然ですし、病院側も少なからずそれに迎合していかなければ経営が成り立たないかもしれません。
そうなると「様」付けする必要はなくとも、病院内施設の様子を分かりやすく発信したり、清潔に保ったりする努力は避けられないところがあるでしょう。今回ご紹介している360度画像によるPRも、その一環ではないでしょうか。
地域の噂や他院からの紹介、昔馴染みの患者さんだけと付き合うのではなく、SNSやホームページから発信を行い、新規の患者さんを獲得しなければいけません。SEO対策やブログ、ドクターへの取材など、行っている努力は病院によって様々ですが「とにかく病院内の素晴らしさ、綺麗さ、過ごしやすさを知ってもらいたい」という病院にとっては、全天球画像でのアプローチが最適解です。
単純に施設内部を紹介する以外にも応用が利く手段ですし、他のPR方法と上手に組み合わせてみてもいいでしょう。患者さんが患者さんであり続けることはこれからも変わりませんし、病院という場所の目的を見失わないためにも過度なもてなしは必要ないでしょう。
しかし、そのことを前提にしながらも、顧客としての患者の側面も上手に意識することが、これからの病院には求められるかもしれません。
終わりに
頻度は人によって異なりますが、病院は誰もが足を運ぶ可能性をもっています。だからこそしっかりと納得した上で選びたいですし、その方が病気の治療にも直結すると思います。私自身、半年に一度は定期検診などで病院に足を運ぶことがありますし、引越しなどで定期的に掛かりつけの病院を変える環境に身を置いています。だからこそ、このサービスの有用性や、必要性というものがよく分かる気がします。高齢化社会も進んでますます病院を必要とする人が増えていく時代、それぞれにマッチした病院が見つけやすい環境が整うといいですね。
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