手でつまめる!超小型の360度カメラ「Nico360」

筆者:阿久津 碧

360度カメラの多くはコンパクトなデザインで、その取り回しやすさが大きな特長でもあります。そんな360度カメラの中でもとびっきり小さく、リーズナブルな360度カメラがあるのをご存知ですか?なんとそれは、手でつまめるほどの、おもちゃのような360度カメラなのです。中々興味深い話ですが、果たしてその性能はどれほどのものなのでしょうか。

世界最小の360度カメラ「Nico360」

Nico360という名前の超小型360度カメラは2016年にクラウドファンディングサイト「Indiegogo」に登場しました。正方形のコンパクトな形をしたこのカメラは縦横の長さが46mm、厚さがわずか26mmと非常に小さく、親指と人差し指でつまんで持てるほどの大きさです。重さも96gと軽量で、その小さなボディの中に2つのレンズが入っています。

「そんなに小さくて軽いんじゃ、機能は大したことないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかしこのNico360、意外に侮れません。Nico360には3200万画素のイメージセンサーが搭載されており、静止画・動画ともに高画質での撮影が可能です。写真は2500万画素、動画に関しては1440p/30fpsと、他の360度カメラにも劣らない画質となっています。

360度カメラの多くは、2つのレンズで撮影したデータをステッチングという機能で組み合わせて全天球イメージを作り出します。Nico360も搭載された2つのレンズで撮影を行い、本体内でステッチングを行うことができます。

自動でステッチングされたデータは、以下の4つのモードで表示することができます。

・Flat mode

・Sphere mode

・VR mode

・Planet mode

上記にある通り、VRにもしっかり対応しています。撮影に十分な画質が備わっている上、表示モードなども他の360度カメラに劣らない機能を有していることがわかりますね。

一つのボタンだけで操作が完結

Nico360は本体の小型化に力を入れているため、操作方法もシンプルです。電源のオン/オフから、写真の撮影、静止画と動画の切り替え、動画の撮影までがカメラの側面にあるボタン一つで完結します。本当に一つのボタンを押すだけで様々な操作が行えるので、機械を扱うのが苦手だという人にもオススメです。

では一つのボタンで細かい設定をどうやって変更するのかというと、ボタンの押し方がポイントになります。それぞれの機能を使うためにはどんな押し方をするのか、それさえ覚えればすぐに扱えるようになります。

防水と手ぶれ補正を完備

Nico360の優れている点は他にもあります。それは防水性能や手ぶれ補正機能が備わっていることです。通常360度カメラは防水機能を付与するために、水中ハウジングケースなどを別途購入する必要があります。初めから防水性能を備えた機種が少ない中で、この点は高く評価できるのではないかと思います。

防水機能があることによって撮影できるシチュエーションは増えますし、いきなり雨が降ってきたとしても気にせず撮影を続けることができるからです。それとは別に、Nico360には専用の水中ハウジングケースも存在します。

水中ハウジングケースを装着することで、なんと水深60mまでの撮影が可能になります。海中での撮影も難なく行えるようになるので、ダイビングの際にも使用できるようになりますし、水を激しくかぶるようなシーンでも安心して撮影できますね。

手ぶれ補正機能もばっちりで、揺れるようなシーンでもしっかりと撮影が行えます。本体の底面には三脚などのカメラアクセサリーをつけられるようにネジ穴が備わっています。三脚の他、アクションカメラ用の様々なアダプタを取り付けられるので、撮影シーンに合わせた使い方をすることができます。

例えば腕につけるリストストラップにNico360を装着してクライミングを撮影したり、ヘルメットに装着してマウンテンバイクやツーリングの撮影をしたり、そのコンパクトさと性能の高さから多くの撮影用途が想像できますね。

現在は販売停止か

2019年現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoのNico360販売ページでは販売が停止している状態のようです。サイト上では開発当初の目標金額50,000ドルを優に超える20万ドル以上の出資が集まっていたようですが、その後Nico360が出資者たちの手元に渡ったのかどうかはわかっていません。

小型で取り回しのしやすさは抜群でありながら、性能も他の360度カメラに劣らない優秀さだっただけに、現在市場に出回っていないことを見ると開発側で何か問題があったのかもしれません。

クラウドファンディングサイトでは稀に、出資されたにも関わらず商品が手元に届かないまま終わってしまうというケースが見られます。Nico360もそういったトラブルが起こったのか詳しいことはわかっていませんが、残念ながら現在はクラウドファンディングサイト以外の場所でもNico360を手に入れることはできなくなっています。

開発や販売がしっかりと行われていれば、現在の360度カメラ市場でも十分通用するカメラだっただけに残念ですね。

安心の国産360度カメラ「THETA」

前述したような、お金を出したのにも関わらずカメラが手元に届かないというトラブルを避けるためには、国内で実機を確認して購入できるTHETAのような360度カメラがオススメです。

通販サイトは確かに便利ですが、欲しいものによって海外のサイトを利用しなければいけないこともあります。そして多くの海外通販サイトは日本語に対応しておらず、利用方法も複雑なケースが少なくありません。

そのサイトが安全かどうかを確認するのも簡単ではないですから、クレジットカードの情報や個人情報を登録するのは不安という方もいるでしょう。Nico360が出資を集めていたクラウドファンディングサイトのIndiegogoも海外のサイトなので、全ての説明は英語で書かれています。さらにクラウドファンディングサイトは通販サイトと違って、お金を払って商品の発送を待つだけではありません。

クラウドファンディングサイトを利用する際には、お金を払うことと商品の発送を待つことの間に開発という間があります。その開発がきちんと行われなければNico360のように、お金を出したのに商品が手に入らないというトラブルが生まれてしまいます。

せっかく360度カメラに興味を持ったのにそんなことになっては始める気も失せてしいますよね。こういった問題に直面しないためにも、実機に触れて、しっかり保証がついている360度カメラを購入するのがやはり一番安心です。

国内では日本の会社であるリコーが販売する国産の360度カメラ、THETAが多くの人に利用されています。購入しやすい金額の機種からプロ向けの10万円を超える機種など幅広く用意されているので、初心者、経験者を問わず誰でも使うことができます。

初心者にオススメなのは「THETA SC」か「THETA V」です。THETA SCは2万円ほどで購入できるのでとりあえず360度カメラを使ってみたいという方にオススメの一品です。優れた操作性と安定の画質、持ちやすい長方形のデザインで、ワンショットで全天球イメージの撮影が行えます。

その上位機種であるTHETA Vは動画に特化した360度カメラです。4Kの高画質で360度動画の撮影が可能で、静止画も様々な撮影モードで写真を撮ることができます。多くの撮影シーンに対応しているため、昼夜を問わず美しい全天球イメージを撮影することができます。量販店などで購入すれば保証もついてきますし、国産なのでサポートもバッチリです。

終わりに

Nico360は世界最小という大きさに、高い性能も加わった優秀な360度カメラでしたが、調べていくうちに現在は販売されていないことがわかり、とても残念でした。しかし現在の360度市場には多くの優秀な360度カメラが登場していますし、Nico360を上回る性能を有した機種も少なくありません。クラウドファンディングという選択肢は未知数で魅力的ですが、確実に安定したいものを手に入れるのであれば、どうしてもTHETAやInsta360といった全天球カメラのパイオニアが強いと感じました。

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