中国の360度カメラInsta360、日本支社が年内にも開設か

筆者:阿久津 碧

360度カメラ「Insta360」を手がけるShenzhen Arashi Visionは中国に本拠地を置いている企業ですが、新商品の開発に合わせて日本支社を開設する予定だそうです。新商品の概要や強み、日本に支社を開設する動機、THETAとの熱戦について今回は考察していきます。日本でもファンが多いInsta360ですが、今後は益々その動きが活発化していきそうですね。

新商品「Insta360 Evo」

Shenzhen Arashi VisionはInsta360シリーズの新商品として「Insta360 Evo」というモデルを2019年4月から販売開始しました。それに合わせて報道陣向けの発表が行われたのですが、その中で代表から日本支社開設についての発表も行われました。

注目の製品性能についてですが、今回は折りたたみ式の360度カメラとなっています。広げた状態で写真の撮影を行うと180度の3D映像を撮影することが可能になります。3Dで撮影された映像は付属の3Dメガネをスマートフォン側に装着することで、より立体的に楽しめます。

それ以外にも「HoloFrame」というスマートフォンに装着するカバーを用いることで、裸眼でも3D映像を体験できます。構造については公式動画でも紹介されていますが、それぞれのレンズで撮影された映像を重ねる処理が行われ、「HoloFrame」で再度分割することにより3D映像化を実現しています。

カメラ本体を折りたたむと、今度は360度での撮影が行えます。前後にレンズがある様子は、一般的な360度カメラとも似ている気がしますね。

Insta360シリーズやGoProシリーズは手ぶれ補正機能も優れています。今回の「Insta360 Evo」ではFlowStateという手ぶれ補正機能が搭載されており、ジンバルなどを用いたかのような安定した映像を撮影することができます。

こちらも紹介動画の中で性能を一部確認することができますが、一般的な360度カメラと比較すると、かなり本格的な手ぶれ補正機能が搭載されていることが分かります。そしてもう一つ注目するべき機能として、TimeShiftモードがあります。この機能を目当てに同製品を購入するという人も多いのではないでしょうか?

TimeShiftモードとは、時間の流れを自由に編集することで、撮影した映像の動きを早くしたり遅くしたりする機能です。スポーツなどの決定的シーンをスローにしたり、何気無い映像を早回しにすることでオシャレにしたり、色々な使い道があります。

動画編集などを趣味にしている方や、職業としている方にとって、気軽にこういった機能が使えるのは非常にありがたいことだと思います。この他にも「Insta360 ONE X」が搭載していた5.7K動画や18MP静止画、自撮り棒消し機能、ハイパーラプス、ライブストリーミングなどは一通りカバーしており、文句なしの逸品となっています。

公式映像はコチラ

以前にも当サイトでは「Insta360 Evo」に関する記事を執筆しているので、宜しければそちらも是非ご覧ください。

360度カメラ「Insta360 EVO」2019年4月から通販販売へ

日本支社を開設する予定

前述した通り、Shenzhen Arashi Visionは年内に日本支社を開設する意向を示しています。同社はこれまでにも本社がある深センの他にアメリカのロサンゼルスと香港に支社を持っています。日本で支社が開設されるとすればそれらに続く三番目のオフィスということになりますが、劉靖康代表はその理由について、日本におけるカメラ人気が理由だと語っています。

日本でのInsta360シェアは、既に存在している二拠点に次いで多いらしく、独自の調査でも他国に比べて日本人はカメラユーザーが多いことが判明しているそうです。また、世界でも活躍している有名なカメラメーカーも多いので、様々なことを学びたいという思いもあるようです。

そしてシェアが多い日本のInsta360ユーザーを的確にサポートする意味でも、日本支社の開設が必要だという結論に至ったと劉靖康代表は語っています。この動きを受けて、日本では益々Insta360に対する関心が高まっていきそうですね。

これまでのInsta360

Insta360はこれまでに多くの360度カメラをリリースしてきましたが、それらはローエンド、ミドルレンジ、フラグシップの3つに大別することが可能でした。「Insta360 Nano」や「Insta360 Air」といったスマートフォンに装着しながら使用できるモデルがローエンドモデル。

今回メインでご紹介している「Insta360 EVO」や「Insta360 ONE X」といった独立していながらもスマートフォンやアプリと連携できるアクションカメラ型のものがミドルレンジモデル。

そして「Insta360 PRO」シリーズなどの業務用大型360度カメラがフラグシップモデルとなります。上記のように、あらゆるユーザー、予算、用途に対応したモデルがバランスよくリリースされているのがInsta360シリーズの強みでもあります。

こういった戦略には明確な理由があり、3つの目標があると劉靖康代表は明かしました。1つは、「360度カメラを便利にする」という目標です。ローエンドモデルの機体はこのコンセプトに則って展開されています。

次に、「アクションカメラの今後を見据える」ということが重視されています。「Evo」にも搭載されているFlowState やTimeShift機能はアクションカメラには不可欠な機能です。GoProやTHETAなどのライバルと戦う上では、こういった機能は高く評価されるのではないでしょうか。他にもアクセサリーによる撮影や動画編集ソフトとの親和性など、随所にアクションカメラらしさが見られます。

そして最後に「VRを身近に」というテーマが掲げられています。ここ数年でこそ様々な360度カメラの台頭によりVR体験も身近なものになりつつありますが、少し前まではそんなことは考えられませんでした。

特殊な機材を用意し、限られた環境、限られた層だけが楽しめる。それがVRに対する認識だったのです。しかし今は違います。小型のカメラを一台持ち出すだけで気軽にVR映像が撮影できますし、ヘッドセットも比較的安価で手に入ります。

誰もが家庭で気軽にVRを楽しめる時代になったのです。Insta360では家庭向けに「Insta360 EVO」や「Insta360 ONE X」といった360度カメラを販売する一方で、「Insta360 PRO2」など、プロも唸る性能のものまでカバーしています。今後もこの3つのクラス、3つの目標を軸にどのような新製品がリリースされるのか、目を離すことができません。

THETAとの戦い

国内にも様々なカメラメーカーが存在することは既に触れましたが、全天球カメラとなるとやはり浮かぶのが、RICOHでしょう。THETAシリーズは国内外を問わず多くのユーザーに愛されており、個人だけでなく、法人利用も各所でされています。

対するInsta360シリーズもGoogleストリートビューやMatterportなど、やはり多くのシーンで利用されています。国内で360度カメラが法人利用されるニュースはTHETAが圧倒的に多い印象を受けていましたが、今後はその動きにも変化が現れるかもしれません。

どちらも素晴らしい360度カメラを出している企業だからこそ、お互いのことも強く意識しているのではないかと思います。そんなTHETAとInsta360の市場争いにも、どのような変化が起こるのか注目していきたいですね。

終わりに

文中でも触れたように、競争が激化することは、RICOHにとってもShenzhen Arashi Visionにとっても良い刺激になるのではないかと思います。どちらの企業もこれまでに素晴らしい360度カメラを何種類も発表してきた、まさに全天球カメラ界のツートップです。そしてそんな2社の間で新たな科学変化が起こることで、これまで以上に素晴らしい製品が世の中に登場することも期待できそうですね。いずれの企業も魅力的なカメラをたくさん販売しているので、機会があれば皆さんも家電量販店などで触れてみてください。

Like@Wrap
Follow@Wrap

スポンサーリンク