オリンピック×360度カメラ。迫力のスポーツを全天球で体験しよう

筆者:阿久津 碧

2020年に開催が予定されている東京オリンピック。最近はそれに関連するニュースも少しずつ増えてきた印象です。実際に足を運んでスポーツを観戦しにいくために抽選に応募しているという方も大勢いるのではないでしょうか?一方で、遠方に住んでいたり抽選落ちしたりして現場には行けず、自宅で観戦するという人も相当数いることでしょう。しかしそんな場合でも、360度カメラで競技の映像を見れば、実際の観戦に勝るとも劣らない迫力を体験できるはずです。

オリンピックと360度カメラ

過去に開催されたオリンピックでも、実は360度カメラが活躍しています。直近だと2018年冬季に開催された韓国の平昌オリンピックが挙げられます。

その際にはパナソニックのライブ配信用360度カメラが用いられ、競技の撮影に大いに役立ちました。使用されたのは「360度ライブカメラ AW-360C10GJ/AW-360B10GJ」という機種です。

AW-360C10GJ/AW-360B10GJ | リモートカメラシステム | 放送・業務用映像システム | Panasonic

タンブラーのような独特の形状をした本体が特徴的で、そのスペックも見事なものです。非圧縮の4Kのカメラは出力も4K出力に対応しています。本体には4つのカメラが備わっており、ライブ配信に対応するためにリアルタイムでのステッチングを実現しました。

現在は東京で行われるパラリンピックに向けても改良が行われており、そのときには8Kでの解像度を実現することを目標としています。撮影時には競技場を見下ろすような形で設置され、臨場感のある映像を撮れるようになっています。

画質や臨場感も驚きですが、何と言っても一番驚きなのはリアルタイムでのステッチングです。通常のカメラでライブ配信をするのとは異なり、360度カメラでの撮影はリアルタイムで画像を繋ぎ合わせていかなければなりません。

それぞれのカメラが捉えている映像は微妙に明るさや色合いが異なるので、それらをそのまま無理やり繋ぎ合わせると、どうしても不自然な映像になってしまいます。人物に関しても、ステッチングが正しく行われないと不自然な輪郭になったり、継ぎ目が生まれたりしてしまいます。

同機ではその問題を見事にクリアしており、自然な色合いでのステッチングを実現しています。また、被写体を自動検出する機能が備わっているので、人物などを撮っても違和感が生じません。

リアルタイムでスポーツ観戦をするのももちろん楽しいですが、これだけ美しい360度映像で楽しめるのであれば、自宅で観戦するのも悪くないですよね。

VRでオリンピックを楽しむ試みも

360度カメラに少し詳しい人であれば、やはりどうしてもVRと結びつけてしまうのではないでしょうか。360度カメラでライブ配信されている映像をVRで楽しめたら、スポーツ会場にいるような感覚を味わえますし、「観戦」から「体験」に変わるので、もっとオリンピックを楽しめますよね。

東京オリンピックに関してはまだVR配信に関連する報告は出てきていませんが、これも360度カメラでの撮影同様、過去には実験的な試みが行われた例が存在します。それは、2016年にブラジルで行われたリオオリンピックです。

イギリスのBBC(英国放送協会)がリリースした「BBC Sport 360」というアプリ(日本のストアでは非対応)があるのですが、このアプリでは開会式と閉会式の様子をVRコンテンツとして楽しめたり、陸上やボクシングなどの一部競技を見ることができたりするアプリです。

当時の試みでは全ての競技をVRコンテンツとして楽しめるわけではありませんでしたが、およそ100時間分の360度動画を作成することを目標としていました。東京オリンピックではこのようなサービスやアプリが提供されるかは定かではありませんが、もしも実現すれば、更に五輪を楽しむことができるのではないでしょうか。

ただしこういったサービスを提供する場合、アプリのダウンロードの他にVRヘッドセットの用意が必要となります。前述したBBCの例でも、ヘッドセットにスマートフォンを装着する必要があったので、誰でも簡単に視聴できるというわけではありませんでした。

とはいえ今ではヘッドセットも比較的簡単に手に入りますから、この問題はそれほど大きなものとはいえません。裸眼で3D映像を楽しむ技術なども登場しているので、2020年にはVRも更に進化している可能性もあります。いずれにしても、オリンピックのVR配信には期待していきたいです。

五輪公式のVRヘッドセットなどが運営から販売されれば、それを持っているだけでもオリンピック気分が味わえますし、日本でオリンピックが開催されたという事実に対する記念品になりそうですね。そうでなくとも最近は街中でオリンピックグッズが販売されているのをたくさん目にします。自分でシールなどを貼ってオリジナルのヘッドセットを作成するのもオススメです。

防犯面でも360度カメラが活躍

大勢の外国人が日本に押し寄せてオリンピックを楽しむとなると、やはり心配になるのが防犯面や治安、安全面です。そして意外に知られていませんが、実はこの部分でも360度カメラが活躍しています。警視庁は競技会場と最寄り駅を結ぶ駅を「ラストスマイル」と位置づけ、該当カメラをこれまでに加えて140台加える発表を行いました。

これによって雑踏事故やその他の事件事故を抑止する狙いがあるとしています。この試みは既に2019年の6月から試験的に運用が開始されており、五輪本番以外にテストイベントや国際的スポーツイベントなどでも稼働させる見通しです。

そしてこのカメラは通常の防犯カメラではなく、360度を撮影できるモデルのものとなっています。信号機や住宅、会社のスペースなどに設置されることになるので、多くの死角をカバーすることができます。カメラにはAIも搭載されているので、不審者の発見にも役立てられることになりそうです。

オリンピックを360度カメラで撮影しよう

オリンピック競技の撮影や街の防犯カメラなど、多くの場面で360度カメラを見かけることになりそうな2020年の東京オリンピックですが、そんな様子を自分でも撮影してみませんか?

リコーが販売している「THETA」や中国の企業が販売しているInsta360、それ以外にも昨今は様々な企業がリリースしている360度カメラを気軽に購入することができます。大迫力の競技も、それを観ている仲間や自分の様子もワンショットで収めることのできる360度カメラは、オリンピックに大活躍間違いなしのアイテムです。

価格も数万円から購入することができるので、予算に合わせてお気に入りの一台を選ぶことができます。一生に一度訪れるかどうか分からない一大イベントですから、観戦するだけでも目で見るだけでも物足りません。どうせなら、選手達の躍動感溢れる様子や、その場その場の興奮を360度カメラで閉じ込めてみませんか?

それらの映像は何年経っても色褪せることがありませんし、VRヘッドセットなどと組み合わせればいつでも簡単に体験することができます。将来子どもができたとき、「東京で行われたオリンピックはこんなに凄かったんだよ」と伝えることができたらとても素敵ですね。

終わりに

スポーツ観戦に360度カメラを用いたり、スポーツ選手自身に360度カメラを装着させたりするという試みはこれまでにも何度かありました。そしてそういったニュースは当サイトの他の記事でもご紹介しています。今回のオリンピック×360度カメラというのは、それらのニュースの集大成とも言えるのではないでしょうか。いよいよ間近に迫った東京オリンピックを、自分なりの楽しみ方で体験してみてください。

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