360度カメラTHETAをいち早く取り入れた産経新聞社〜報道とVR

筆者:遠藤 美華

産経新聞の公式WEBサイトでは、360度画像・動画が公開されています。このように現在ではすでに多くの報道現場で360度画像が使われています。

この記事では、2019年2月に産経新聞公式サイトで公開された脚本家で映画監督の太一氏と報道カメラマンとして360度をTHETAで撮影してきた植村光貴氏(産経新聞写真報道局専門委員)の対談から、今のニュース報道と360度画像・動画について紹介していきます。

参照:360度VRが作り出す新しい世界 映画、報道現場で活躍するTHETA

写真報道局でいち早く360度画像を取り入れた産経新聞社

産経新聞写真報道局が報道現場で360度パノラマ画像の撮影を始めたのは2009年から。国内の新聞社の中ではいち早い導入でした。

THETAが発売される以前の2009年から導入

初代THETAの販売は2013年10月。産経新聞が360度画像を写真報道局で導入したのはその以前でした。当時は一眼レフカメラに魚眼レンズを付けて全方向を撮影し、それをパソコンを使ってつなげてサイトにアップする方式で行なっていたと言います。

東日本大震災で撮影した360度画像は世界へ配信

2011年の東日本大震災で撮影した被災地の360度画像をWEBサイトに掲載したところ、被災状況を詳細に伝えることのできるメディアとして注目され、当時のMSN産経ニュースを通じて全世界に配信。ヨーロッパで最も発刊部数が多いといわれているドイツのシュピーゲル誌からの写真使用の依頼もありました。

2013年発売から写真報道局でTHETAを導入

産経新聞写真報道局専門委員の植村氏は、初代THETAについて「スマートフォンで見るにはよいけれど画像が・・・」と対談で正直に語っています。

THETAを初めて手にした時、それまで一眼レフに魚眼レンズをつけて撮影していたことを思えば、ワンショットで360度の撮影ができるのは衝撃だったようです。あまりカメラに詳しくない記者でも簡単に撮影できるTHETAは魅力だったと続けています。

今は多くの報道現場で、他社記者もTHETAで撮影している姿を見かけるといいます。

産経新聞社写真報道局でのTHETAの使い方

THETAで撮影した360度花のスケッチ写真が撮影賞を受賞

産経新聞写真報道局では、THETAは花鳥風月などのスケッチ、風景撮影にもっていく頻度が高いそうです。

産経新聞大阪の写真報道局カメラマンは、THETAで撮影した花の写真を、編集アプリ「リトルプラネット」で編集しました。紙面に掲載したところ、その年の関西写真記者協会で賞を受賞しています。

首脳会談、スポーツなど海外取材でも

THETAのコンパクトなボディは、カメラバックの片隅にはいる大きさで、海外での取材にも使われています。昨年のシンガポールでの米朝会談、オリンピックやサッカーのW杯にも持参して、現場の臨場感を伝える報道撮影にも使用されています。公式サイトでは、その時の360度画像が公開されています。

コンパクトさから多種多様な取材現場でも

青函トンネルの建設現場では、三脚、一脚、自撮り棒禁止でしたが、自作のヘルメットにTHETAを設置して撮影しました。東日本大震災では、影響のあった福島第1原発の撮影に持っていけると一度は判断。しかし様々な観点から撮影を断念したという例もあります。

産経新聞の公式サイト「産経フォト×RICOH THETA」

産経新聞公式サイトのカテゴリー「産経フォト×RIICOH THETA 」は、取材現場で使われてきたRICOH THETAで撮影された360度写真と動画のコンテンツがまとめられ公開されています。

ニュース、イベント・祭典、風景・生き物、遺跡・建造物、鉄道、エンタメ、ワールド、自動車、スポーツ、伝統・文化、自衛隊・ミリタリー、白州信哉 旅と美、太一のVR動画の13ジャンルに分けられ公開されています。

参考資料:2019年1月16日は阪神淡路大震災から24年の追悼の日の報道サイト「6434本、追悼の火 阪神大震災24年」

360度動画は産経公式YouTubeチャンネルでも公開

動画コンテンツとしては、YouTubeに97本のVR360度動画が公開されています。(2019年8月現在)植村氏の対談相手の映画監督の太一氏が産経フォトで担当しているアーティスティックな360度VR動画も公開されています。

まとめ

360度カメラTHETAは、臨場感を伝えるカメラとして報道現場でも使われています。今後のより正確な報道の情報収集には、報道機関の公式WEBサイトで公開される360度動画も欠かせないものになっていくことでしょう。

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