LIFE STYLE株式会社がTHETA新アプリを開発
LIFE STYLE株式会社はスマートフォン向けのアプリ「かんたん360 for RICOH THETA」を開発し、2019年の8月を目処に提供を予定しているそうです。
名前からも分かる通り、リコーの販売する360度カメラTHETA専用のアプリとなっていますが、その概要や機能はどのようになっているのでしょうか。
THETAとは
アプリの機能についてご紹介する前に、THETAについての説明をさせていただきます。冒頭でも述べているように、THETAとはリコーが手がけている360度カメラのブランドです。初登場は2013年で、日本における360度カメラのパイオニア的な存在です。
シリーズの中には初級者向けのモデルから上級者向けのモデルまで展開されており、幅広いユーザーを満足させることができます。ワンショットで360度の静止画・動画を撮影することが可能で、昨今のカメラブームを受けて多くのユーザーを獲得しています。
可愛らしいデザインも人気の理由ですが、その価格も魅力的です。エントリー向けの「THETA SC」などは2万円台で購入することができるので、初めて360度カメラを使う人や、限られた予算の中で探している人にもオススメです。
シャッターボタンや撮影映像はスマートフォンからも確認することができるので、本格的なカメラに馴染みが薄いという人でも、スマホのカメラを操作する感覚で扱うことができます。
InstagramなどのSNSでは360度画像をアップしている人もいますが、普通のカメラとは明らかに異なるダイナミックな写真は、多くの人から注目を集められます。
上級者向けのモデルでは「THETA Z1」が2019年に発売されたばかりですが、そちらも素晴らしいです。価格は10万円以上しますが、それに見合っただけの画質、性能を備えており、一生ものの一台になることは間違いありません。
THETAシリーズの一部はプラグイン機能に対応しており、自分でTHETAをカスタマイズすることができるのも特徴です。リモート再生や時間差撮影、無線ライブストリーミングなど、提供されているプラグインもかなり本格的ですよ。
中級者向けの「THETA V」もプラグイン機能には対応しているので、10万円は出せないという人でも安心です。GoProやInsta360といったライバル機も、ミドルレンジモデルは「THETA V」と同じくらいの価格なので、購入を検討している方は是非参考にしてみてください。
THETA向けアプリの能力
THETAについての概要がお分かりいただけたと思うので、本題となるアプリ「かんたん360 for RICOH THETA」についてのご紹介に移りたいと思います。今回提供予定になっているアプリでは、360度の写真や動画の撮影・編集・シェアすることに重きを置いています。
静止画を自動でダウンロードしたり、様々な視点からの映像を一括でダウンロードできたりする機能が特徴的です。一枚の写真から様々な写真が生まれるのは、360度カメラの魅力ですが、それらを円滑にダウンロードできるのは嬉しい機能ですね。
たくさんの視点の中から、一番SNS映えする写真、一番躍動感のある写真、一番笑顔が輝いている写真などを見つけ出してみてください。
他にも撮影シーン選択機能や、ビデオクロップ機能などが本アプリには搭載されています。
個人的に気になったのは「ワイプ編集機能」です。この機能は文字通り、ビデオ編集をする際にワイプ画面を足すことのできる機能です。解説動画などを作成する際、本編映像に加えてワイプ画面で補足するなどの使い方ができます。
他にも、360度で観光地の撮影を行なった後に、ワイプ画面でその地域のガイドを行うなどの利用方法も考えられます。動画撮影や、配信を趣味や仕事にしている方にとって、簡単にワイプを付け足すことのできる本機能は中々惹かれるのではないでしょうか?
面倒なパソコン操作や編集業務をパスして気軽に屋内外を問わず配信ができるので、撮影、編集、配信のハードルが一気に下がりそうですね。ライブストリーミングなどに対応している機種や環境を選べば、更に幅が広がりそうな予感がしますね。
LIFE STYLE株式会社とは
「かんたん360 for RICOH THETA」を開発しているLIFE STYLE株式会社(以下LIFE STYLE)はGoogleストリートビュー認定フォトグラファーでVRクリエイターエコシステムの発展に力を入れている企業です。VR関連のアプリケーション開発やVR制作ツール、Googleストリートビューによる施設の宣伝サポートといったことを主な事業内容に据えています。
360度カメラで撮影した写真や動画もVRヘッドセットと繋げることで、立体的に体験することができます。そもそもVRと360度映像というのは関連性の高いコンテンツなわけですが、だからこそ今回のアプリ開発も同社が抜擢されたのかもしれません。
当サイトの運営もLIFE STYLEが行なっているのですが、VRや360度カメラに関連する内容に特化しているのがお分かりいただけるかと思います。今後も様々なシーンでリコーや他の企業とタッグを組んで行くことが考えられますが、その時々の同社の活躍や役割にも注目したいところです。
ちなみにLIFE STYLEとリコーが協力するのは今回が初めてではありません。2018年の7月にはリコーが開始した「THETA 360.biz オフィシャルパートナープログラム」の運営事務局に選定されており、そのときも大切な役割を果たしました。そういった信頼もあって、今回のアプリ開発の話がもちあがったのでしょう。リコーが信頼する企業が手がけるアプリだからこそ、完成がとても待ち遠しいですね。
360度カメラとアプリはセットで一台?
360度カメラに関連する様々なニュースを見ていると、常にスマートフォンがその横にいるような気がします。撮影するのは360度カメラでも、ファインダーの役割を果たすのはスマートフォン。本体にもシャッターボタンがあるけれど、撮影者が写り込まないようにするためにはスマートフォンのシャッターから撮影した方がいい(勿論セルフタイマーもあります)など、常に重要な役割を果たしています。
Insta360などは実際にスマートフォンの充電端子に差し込んで撮影するモデルなどもあり、こうなるともう本格的にセットで一台という感じになってきますね。そして撮影に関連する部分だけでなく、編集においてもスマートフォンが大切な役割を担います。
これまでのようにパソコンから編集するという手段もありますが、プロのカメラマンなどではなく、気軽に写真を編集してシェアしたいという人の場合、ほとんどがアプリ上で編集を済ませるのではないでしょうか。コンビニエンスなものが好まれる昨今SNSなどの勢いも手伝って益々その動きは加速していくと思われます。
だからこそ今後は、カメラ本体の開発や性能の向上だけでなく、編集アプリ、関連アプリの開発にも一層力を入れていくべきだと感じました。
リコーとLIFE STYLEの今回のニュースも、そんな流れを予測してのことだったのかもしれませんね。「カメラ選びをする際には、アプリの使いやすさも加味しなければいけない」、そんな時代がもう目の前に訪れているのかもしれません。
終わりに
国内の企業と国内の360度カメラがタッグを組んで新しい開発や取り組みを行うというのは、とてもプラスの取り組みですね。海外の360度カメラも素晴らしい機種が多いですし、世界的なシェアを鑑みるとまだまだ劣勢な部分もあります。しかし一日本人としても、一カメラファンとしても、どうしてもTHETAを応援してしまう自分がいます。だからこそ、今後も色々な手段を模索しながら、THETAには躍進し続けてほしいと思っています。アプリのリリース、そして今後の動きからも目が離せませんね。
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