初音ミク10周年。THETA×初音ミクコラボモデル360度カメラを改めてご紹介

筆者:阿久津 碧

バーチャルアイドルの初音ミクが10周年を迎えたということで、360度カメラのTHETAとコラボした『RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU』が販売されました。キャンペーンが開始されてからもうすぐ一年となりますが、改めて限定モデルのデザインや関連グッズ、メインビジュアルなど、注目の情報などをご紹介していきます。魅力的な情報が盛り沢山となっているので、ファンの方もそうでない方も必見です。

初音ミク10周年


※スクリーンショット画像は公式サイトより引用

冒頭にも述べた通り、バーチャルアイドルの初音ミクがデビューから10周年を迎えました。聞き慣れない方のために一応説明すると、初音ミクとはクリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成キャラクターで、ボーカロイドとも呼ばれています。

ボーカロイドというのは元々、ヤマハが開発した「VOCALOID」というボーカル音源に由来していて、初音ミク自身はDTM(デスクトップミュージック)用のボーカル音源とそのキャラクターを指します。巷では「ボカロ」などと呼ばれているのをよく耳にしますね。

簡単にいうと、自分でメロディーや歌詞を入力すれば、バーチャルアイドルがその通りに歌を歌ってくれるといった感じです。息継ぎや強弱といった細かい部分まで設定することができるので、綿密に作り込めばかなりリアルな仕上がりを実現できます。

高い技術をもって楽曲制作などを行い、バーチャルアイドルに歌わせる創作者のことをボカロP(音楽プロデューサーにちなんで)などとも呼び、米津玄師さんなど、ボカロPから有名歌手になったという例も多数存在します。

日本のみならず海外でも高い人気を集めており、バーチャルライブを行ったりテレビで特集されたり、「萌え」文化の先頭を常に走り続けてきました。そんな初音ミクも、今年で10周年を迎えることとなりました。

THETA×初音ミク、夢のコラボ

そんな初音ミクとTHETAが、10周年を記念してコラボをしています。THETAはリコー株式会社が手がけている360度カメラで、世界で初めて一般向けに販売された全天球カメラでもあります。

日本の企業が作っているということもあって国内のシェアも非常に高いです。名前を聞いたことがある人や実際に所有しているという人も多いのではないでしょうか? 360度カメラという名の通り、ワンショットで自分の周囲360度を綺麗に撮影することが可能です。

撮影した写真や動画はSNSでシェアしたり、VR映像として楽しんだりすることができます。個人のみならず法人にも様々なシーンで利用されており、業界の中でも中々に注目されているカメラです。

コラボに使われたのは「THETA SC」というモデルで、色は初音ミクのテーマカラーと同じブルーグリーンになっています。本体には初音ミクの原点であるKEIさんの初音ミクイラストと、10周年を記念したロゴが白地で配置されています。

製作にあたっては「インモールド成形」という特殊な手法が用いられ、本体の曲面に合わせながら線画が描かれています。ブルーグリーンに映えるピンクの電源スイッチも目を引き、所有欲を満たしてくれます。

注目すべきは外観だけではありません。『RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU』では限定のシャッター音が収録されており、このシャッター音の開発には、販売元のクリプトン・フューチャーメディアが全面的に協力してくれました。どのような音が鳴るのかは、是非実際に実機を手に入れて確かめてみてください。

また、このTHETAに合わせてスペシャルカラーの特別専用ケースと、アクリルプレート付き、ドッグタグ型キーホルダー(THETAのシリアルナンバーと同じ刻印入り)、オリジナル限定トートバッグも作られました。ミクモデルのTHETAは限定3939台で、それぞれの特典は購入者全員についてきます。価格は36,654円(税込)となっており、なくなり次第終了します。

インモールド成形や特別専用ケースのこだわりについては、以下のインタビュー記事をお読みください。それぞれに職人たちの強い思いが垣間見えるので、購入を検討されている方はその前に読んでみるといいかもしれません。

「今回採用された美しい『インモールド成形』とは? | RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU」

【ABITAX 特別ケース | RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU】

イラストデザインは藤ちょこさんが担当

そんなコラボモデルのTHETAですが、本体以外のメインビジュアルは人気イラストレーター、漫画家の藤ちょこさんが担当されました。藤ちょこさんは千葉県出身の女性イラストレーター、漫画家で、ライトノベルの挿絵やソーシャルゲーム、TCGなど、多様なジャンルのイラストを手掛けています。

中高生の頃より活動を開始され、日本美術専門学校特別講義講師という肩書きもお持ちです。インターネット社会を生き抜くまさに現代の絵描きという方ですが、藤ちょこさんが描く美麗なイラストは一見の価値ありです。

特に色の使い方や世界観が独特で、入念に描き込まれた背景と正確な構図と塗りで描かれたイラストは、絵師の中でもトップクラスの実力といえます。

暖色や和風テイストの世界、瑞々しい青系のイラスト、光や影の描き込みも特徴的なので、和風イラストが好きな方にも刺さる絵柄となっています。BNN新社から『極彩少女世界』という画集も出版されており、そちらも必見です。

専用アプリも登場

コラボに合わせて専用アプリ『RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU』もリリースされました。同名のTHETAで撮影した写真しか編集することができない、文字通りの専用アプリです。撮影写真に初音ミクを登場させることができるというファンには嬉しい編集能力が備わっており、自分が足を運んだ旅先や家の近く、観光地の写真に彩りを加えます。

熊本県阿蘇市 草千里展望所 #miku360 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

編集した写真はSNSにも共有できるので、ファン同士の交流は勿論、世界中にオリジナルの一枚を発信することが可能です。ただし残念ながら、動作環境の問題で2019年の8月末をもってサポートが終了してしまいます。

App Store
Google Play

限定THETAを購入した3939人のためだけに作られたアプリであるが故の宿命かもしれませんが、高い完成度からサポート終了を悔やむ声も上がっています。

初音ミクという人気コンテンツの勢いを借りて、何らかの打開策が生まれるといいですね。初音ミクには派生キャラクターも複数人存在するので、そちらにフォーカスした限定モデルのTHETAを今度は製作したり、8月以降は通常のTHETAにも対応したアプリにしたり、上手な折り合いの付け方を模索してほしいものです。

バーチャルアイドルという元々二次元的な存在を、360度カメラという、空間を体験できるカメラに落とし込んだのは画期的だと思います。VRヘッドセットなどと組み合わせることで初音ミクが写っている写真をVR体験することもできますし、ファンとキャラクターとの距離を縮めることに成功したのではないでしょうか。

最近は声優などを「2.5次元」と形容する声を耳にしますが、360度カメラとアニメコンテンツ、360度カメラとバーチャルアイドルといった具合にコラボさせることで、新しい2.5次元の形が生まれるかもしれませんね。

「萌え」産業が日本にもたらす経済効果は本当に絶大なものですから、このような観点で新しいコンテンツを今後も発信していくことで、誰も予想できなかったような化学変化が起きるかもしれません。

終わりに

私が高校生の頃、初音ミクブーム、もといボーカロイドブームのようなものが起こりましたが、それから10年も経ったと思うと中々感慨深いですね。当時は卒業式で初音ミクの曲を歌う高校なども存在しました。根強い人気を誇っている初音ミクですが、次の10年の活躍からも目が離せませんね。

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