オリンピックに360度カメラを搭載したロボットが登場か

筆者:阿久津 碧

いよいよ来年に迫った東京オリンピックですが、それに備えた様々な取り組みや研究開発が大企業の間でも行われています。そのうちの一つがロボットです。人間だけではなく、ロボットの力も借りることで快適な観戦や会場整備を実現しようという動きはとても活発です。そしてそんな現場では、360度カメラも重要な役割を担っています。

遠隔地間コミュニケーションをサポート

トヨタが開発した「T-TR1」というロボットは遠隔地間のコミュニケーションをサポートすることができます。この研究には自動運転などの研究に力を入れているアメリカのToyota Research Instituteが携わっており、その技術がふんだんに使用されているものと思われます。デモ発表の様子を以下の動画から確認することができます。

本研究はオリンピックにおけるロボットの活躍を想定して行われています。「T-TR1」の本体には360度カメラが装備されており、操縦者はその映像を参考にしながら動かします。映像を受信できる環境さえあれば、遠隔地からも操作が可能なので、場所を選びません。

映像を見ていただけると分かるのですが、「T-TR1」は2メートルと大型で、本体には巨大なスクリーンを備えています。

また、自走式の車輪も特徴的です。会場で走り回る「T-TR1」の姿は迫力満点に違いありません。公開映像の中ではフローリングをスムーズに走っている様子が確認できますが、人が早歩きするくらいの速度でも走ることが確認できます。

トヨタは将来的に、この「T-TR1」を自律走行して走らせるという目標を掲げています。トヨタの自動運転技術をもってすれば、その目標を達成する日も遠くないかもしれません。

本体に備わっている360度カメラで撮影した映像は、VR体験することもできます。「T-TR1」を操作している人も当然カメラの向こう側の様子が見えるわけですが、カメラの向こう側の人からも、2メートルのディスプレイに映った遠隔地の人が見えるようになっているのが本製品の面白いところです。

双方の映像を単に視認できるというだけでなく、マイクとスピーカーを用いてリアルタイムのコミュニケーションもとれるので、撮影者と被撮影者の距離を感じさせません。来年になったら実際に選手とインタビュアー、選手と選手の家族などが会話している様子などをテレビで見られるかもしれませんね。

日本全国でオリンピックを体験できる

「T-TR1」は、オリンピック会場に来られなかった人に向けて作られています。オリンピックに合わせてファンや選手の家族、関係者が全員東京にこられるわけではありません。オリンピックシーズンは世界中からも多くの人が東京を訪れます。当然ホテルも高騰しますし、金銭的な問題も出てくるでしょう。

高齢者からすると体力的な問題もあります。しかしそれでもオリンピックが見たいという気持ちのある人は一定数存在するでしょうし、その思いはとても尊いものです。

選手の祖父母や、想いを寄せている関係者も少なくないはずですから、そういう人に「T-TR1」を提供することで離れた場所でもオリンピック観戦ができるように手助けすることが可能になります

この研究は単なるロボットの開発にとどまらず「オリンピックを東京だけのものにするのではなく、日本人皆で楽しめるものにする」という願いが込められている研究であることを感じさせます。

今後「T-TR1」がどれくらい生産され、どのような方法で全国にいる人々に提供されるのかという部分も気になるところですね。

生産台数や利益の仕組み、オリンピック終了後の用途など、他にも疑問はありますが、オリンピックで運用に成功すれば、どんなシーンでも活躍の機会はありそうです

トヨタは他にも選手や観客をもてなすマスコットロボット「ミライトハ」「ソメイティ」、過去にも公開しているヒューマノイドロボット「T-HR3」など、多数のロボットを東京オリンピックで登場させる予定だと発表しています。

「T-HR3」も遠隔地にいながらコミュニケーションが取れることを目的としたロボットなので、「T-TR1」との違いも必見ですね。

360度カメラがオリンピックで担う役割

ご紹介した「T-TR1」には360度カメラが備わっていますが、オリンピックにおける360度カメラの役割にも個人的には注目したいところです。

娯楽コンテンツとしての360度カメラ

主要な役割として真っ先に思い浮かぶのは娯楽としてのものです。当サイトでもその例を過去にいくつかご紹介しています。

「360Channel」にてオリンピックメダリストの「卓球 迫力映像」を配信開始!【VR最新情報_2017/05/25】

関連技術を用いた娯楽コンテンツとしては、VRでオリンピック種目を体験するというものもあります。また、観光客が手にする撮影用360度カメラも、娯楽という分野に含まれるのではないでしょうか。会場や街中での記念撮影、記録、様々な形で娯楽に使われている360度カメラを目にすることになるでしょう。

防犯システムとしての360度カメラ

硬派なところでいえば、防犯の面でも360度カメラは活躍しています。前述したようにオリンピックとなれば、世界中から多くの人が訪れることになります。それによって莫大な経済効果が見込める一方、治安の部分を心配する声も多く上がっています。

政府はその対策案として、監視カメラを大量に設置する案を打ち出していますが、その中には360度を撮影できるタイプのものも多くあります。

死角の生まれない360度監視カメラは防犯能力や証拠撮影能力が非常に高く、活躍が期待できますね。このように、360度カメラは観戦者だけでなく主催者側にとっても重宝するアイテムとなっているのです。

報道機材としての360度カメラ

死角がないということは、報道の決定的瞬間を逃さないということでもあります。新聞社などで360度カメラを導入している事例もあるので、オリンピック会場でもその姿を見かけることがあるかもしれません。

撮影した写真や動画、貴重な映像はVRコンテンツとして配信することも可能なので、工夫次第で独創的な報道を行うこともできそうです。これまでのカメラと全く異なる360度カメラは、報道の未来を暗示しているアイテムのようにも思えます。

上記のように、360度カメラには無数の可能性が存在し、工夫次第でいくらでも使い道が存在します。面白い映像が撮れたりVRで楽しめたりと魅力が沢山あるのに、比較的安価で入手できる点もポイントが高いです。

日本ではリコーのTHETAが有名ですが、エントリーモデルであれば2万円前後で購入することができます。一眼レフカメラを買って予備のレンズやカメラバッグ、ドライボックスなどを買えばこの何倍もかかりますし、買うのにも勇気がいります。勿論それに見合うだけの性能を備えていますが、360度カメラも引けをとりません。

来年のオリンピックに備えてカメラを新調しようと考えている方は、思い切って360度カメラを選んでみてはいかがですか?気軽に持ち運べて値段も安く、様々な楽しみ方のある360度カメラは、きっと最高の相棒になってくれるはずです。

終わりに

東京オリンピックに向けて徐々に世の中も活気付いてきましたが、企業にとってもこれは一大イベントです。自社の研究成果を発表したり、世の中に社会性を問うたりすることができるからです。その中心に360度カメラも身を置いているわけですが、今後も360度カメラを使った新たなる開発から目が離せませんね。オリンピックを観戦しながら、街に溢れる360度カメラのアイディアを探すというのも楽しそうです。

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