リコーのサービス「THETA 360.biz」に新機能が登場
リコーのサービス「THETA 360.biz」に新機能が追加されたそうです。これまでに5000社以上の導入実績を誇っている同サービスについては当サイトでも以前から度々ご紹介していましたが、今回はどのような進化を遂げたのでしょうか。サービス内容はもちろん、「THETA 360.biz」とは何かということも含めて網羅的にご紹介していきます。
本記事の内容
THETA 360.bizとは
「THETA 360.biz」とは簡単にいってしまえば、360度のVRコンテンツを制作・公開することのできるサービスです。
その名の通り、サービスの利用にはリコーのTHETAで撮影した画像が必要となります。ビジネス利用が中心で、不動産や飲食店、観光業界、レンタルスペース、建設業界など、業種を問わず多くのシーンで使われているのが特徴です。今注目の次世代サービスなわけですが、その効果は主に次のようなものになります。
【プロモーション】
THETA 360.bizはこれまでの目で「見る」プロモーションから、身体で「体験する」プロモーションへの変化をもたらしてくれます。VRという特性上、実店舗だけでなくインターネット上からもアプローチを行えるのが強みです。
例えばイベントの集客や店舗のレンタルスペースの宣伝を行う場合、実際の空間情報を、正確に消費者へとプロモーションすることが可能です。過去にも開催しているイベントであれば、前年度の写真を使うことができるので、会場の雰囲気を体験することができます。設営されている会場の様子や混み具合も把握できるので、人がいない更地のイベントスペースを見せるのとは大違いです。
【広報・ブランディング】
広報・ブランディングでもTHETA 360.bizは有効です。平面的な写真と比べても、360度画像が持っている広報効果は非常に大きなものとなります。企業が就活生に向けて職場の様子を紹介したり、結婚式を予定している夫婦に式場を宣伝したり、利用している会社の状況に応じて活躍のさせ方も違ってきます。
不動産業者が、管理している不動産を入居希望者にVRを通して見せる「VR内覧」などの利用法も存在し、当サイトでも過去にそのことを取り上げています。
【情報共有】
自社内やクライアントに向けての情報共有ツールとしても有効です。スチール写真などよりもリアルな現場を伝えられますし、奥行きなども体験してもらうことができます。建築業界のように現場とオフィスなど、離れた場所で情報を共有しなければいけない場合にも重宝するでしょう。
【コスト削減】
コストの削減にも360度コンテンツは一役買ってくれます。不動産業界などでは通常内見や下見といった工程が必要となりますが、自宅やオフィスでそれらを済ませられるので大幅なコストカットに繋がります。
インターネット環境さえある相手であれば、遠方にいるエンドクライアント、エンドユーザーが相手でも機能するので、スタッフが拘束されたりオペレーションコストをかけたりする必要がありません。
ユーザー側から見ても、場所を選ばずに正確な情報を入手できるので、双方にとって理想的な関係性を築くことができるでしょう。喫茶店や布団の上でアパートやマンションの内部を散策したり、家のソファーで結婚式場やレストランを決めたり、トイレの中から職場見学をしたりするというのは、現段階でも当たり前に行えます。
【アーカイブ】
様々なイベントや建物、遺跡のアーカイブとしても360度VRコンテンツは可能性を秘めています。人が中々立ち入ることのできない危険な場所や、一度きりのイベントなど、アーカイブにできるものは無数に存在します。当サイトでも過去にその一例をご紹介しました。
上記の記事でもご紹介しているように、個人・法人を問わず注目されている選択肢と言えるのではないでしょうか。諸事情で足を運べなかったイベントや、海外にある有名観光地など、アーカイブが充実するほど、VR上で訪れることのできる場所も増えていきます。
自身で開いた個展の記録や、土地や建物のビフォーアフターを記録しておくなどの方法もあるので、自分に合った使い方を模索するのも面白そうですね。THETA自体は家電量販店やネットショップなどで誰でも購入できるので、VRヘッドセットも別途購入して、オリジナルのアーカイブを作るということも可能です。
法人としてそういうサービスを代行する企業が出てきた場合にも、THETA 360.bizは活躍することが予想されます。もしかしたら個人のカメラマンでも、そういうサービスを新規で展開するなんていうことがあるかもしれませんね。
【業務効率化】
ここまでにご紹介した情報共有やコスト削減というメリットは、当然業務の効率化にも直結することになります。無駄な行程を省いて、その上でこれまで通り、あるいはこれまで以上のサービス提供ができるので、様々な部分で変化を実感するはずです。
使い方は企業によって異なると思いますが、マッチする用途を上手に見つけられれば、自社の中でネックになっていた領域を改善することもできるでしょう。THETA 360.bizは営業、マーケティング、現場作業、あらゆるシーンで役立てることのできるサービスなので、業務工程に不満を感じている企業は利用を検討してみてもいいかもしれません。
様々な効果を発揮するTHETA360.bizですが、冒頭にも述べた通り導入企業は5000を超えています。その中には「じゃらん」や「アパマンショップ」、「CHINTAI」、「読売新聞社」、「東急ホテルズ」などの大企業も含まれており、THETA360.bizがいかに高く評価されているかをうかがい知ることができます。
今後も利用企業が増えていく中で、これまでには考えつかなかったような画期的な使い方が出てくるかもしれません。そしてそれが新しいビジネスチャンスにそのまま発展するということもあるでしょう。
複数の新機能を追加
そんなTHETA 360.bizに複数の新規機能の提供が開始されました。順番にその概要を見ていきましょう。
【1】AI画像補正
独自の画像処理技術とAI技術を用いた自動補正機能が追加されました。特別な編集技術を持たなくても、誰もが簡単に画質の補正が行えるようになったので、利用のハードルが下がりました。画像補正をしてくれる領域は以下の通りです。
・明るさ、彩度の補正
・ノイズ軽減
・複数画像の印象統一(色合いや明るさなどを合わせて調整することで、関連性のある複数枚の写真に統一感を持たせます)
【2】画像ダウンロード
管理コンソールを通して、THETA 360.bizにアップロードした画像をダウンロードできるサービスです。「ビジネスプラン」または「エンタープライズプラン」のみ利用できるサービスとなっているので、自身が加入しているプラン、加入を検討しているプランを確認するようにしましょう。
【3】IPアドレスによるアクセス権限
一定の機能(プレイヤーのView URL、管理コンソール、Web API)に対してアクセス権限をかけられるサービスです。こちらも「エンタープライズプラン」のみでの利用が可能ですが、セキュリティー面を強化するのに役立ちます。限られた人員のみが関わっているプロジェクトや秘匿性の高い案件を扱う際に有効です。
終わりに
THETA 360.bizの創成期から当サイトではその動きを定期的に注視していましたが、気が付けば同サービスは多くの企業にとって、なくてはならないものへとその立場を確立していました。情報の正確さや鮮度、拡散力が求められる現代において、THETAやVRコンテンツが発揮する力というのは絶大なものだと思います。今後も導入企業は着実に増えていきそうですが、その中で更にどんな進化を見せるのかにも注目していきたいですね。
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